【タイトル】
スーサイド・スクワッド(Suicide Squad)
【概要】
2016年のアメリカ映画
上映時間は123分
※エクステンデッド版は134分
【あらすじ】
スーパーマンが死んでから数か月が経過したアメリカでは、政府高官のウォラーがメタヒューマンへの対策として極悪犯罪者を減刑と引き換えに特殊部隊「スーサイド・スクワッド」として結成する。
【スタッフ】
監督/脚本はデヴィッド・エアー
音楽はスティーヴン・プライス
撮影はローマン・ヴァシャノフ
【キャスト】
ウィル・スミス(デッドショット)
マーゴット・ロビー(ハーレイ・クイン)
ジャレット・レト(ジョーカー)
ヨエル・キナマン(フラッグ大佐)
ヴィオラ・デイヴィス(アマンダ・ウォラー)
ジェイ・コートニー(キャプテン・ブーメラン)
ジェイ・エルナンデス(エル・ディアブロ)
アドウェール・アキノエ=アグバエ(キラー・クロック)
カーラ・デルヴィーニュ(ムーン/エンチャントレス)
福原かれん(カタナ)
ベン・アフレック(ブルース・ウェイン/バットマン)
エズラ・ミラー(バリー・アレン/フラッシュ)
【感想】
「DCエクステンデッド・ユニバース」の3作目となった本作は、全世界で7億4千万ドルのヒットを記録したが、批評家からは酷評された。
まず、極悪犯罪人の集団という触れ込みだが、なんかそこまで極悪人という感じはしない。事実上の主演であるウィル・スミスが演じるデスショットなんかは普通の男という感じである。ハーレイ・クインこそぶっ飛んでいる感じはあるが、他のキャラクターたちも軒並み極悪人ではない。また、第二のスーパーマンが驚異なら、極悪人よりもただ単に「強い」奴を集めるべきではないか。炎を使えるエル・ディアブロはまだ分かるが、バットを振り回すだけのハーレイ・クインが「強い」とはやはり思えない。
特に最初に彼ら全員が出番となる夜の場面。そこでは大量の敵が襲いかかってくるのだが、別に「スーサイド・スクワッド」でなければやっつけられなかったとは思えない。大量の雑魚敵が襲いかかってくるだけなので、こっち側にも頭数が揃っていればどうにかなっただろうという話である。この点からしてもただ単に「強い」奴ではなく、極悪人を集めてくる意義は感じない。せめて本作における「まとも」な大佐なら考えつかない方法で解決する場面がないと成立しない物語であると感じる。
それに、冒頭から彼らの紹介があり、その後問題が起こってから彼らを招集する流れは二度手間になっている。彼らを訓練するために招集したら問題が発生したので現場に急行する流れにしたらこの手間を省けたように思える。
また、後に「実は人間のウォラーが一番の極悪人」と言える行動を取ることになるのだが、情報漏洩を恐れて部下を殺すなんて極端すぎるし、「スーサイド・スクワッド」との対比においても中途半端な存在だった。メタヒューマンから人間を守る立場なのに、その人間をあっさり殺してしまうところは理解し難い。メタヒューマンに対応する貴重な人的資源を疎かにしてどうする。
そして、物語の始まりは、スーパーマンが亡くなった今、もし第二のスーパーマンがテロリストだったらどう対応するかという点である。この第二のスーパーマンにあたるメタヒューマンに対応するために、極悪人を集めて戦うという話になっていく。ただ、主に5人位の極悪人の中で、ヴィランと渡り合える力を持っているのは炎を使えるエル・ディアブロくらいである。彼が戦っていると、人間の狙撃手であるデスショットは彼を応援するくらいしかできない。このアンバランスさも「DCエクステンデッド・ユニバース」の前作「バットマンvsスーパーマン ジャスティスの誕生」におけるバットマンとスーパーマン/ワンダーウーマンくらいの力差がある。
そして、本作において公平な立場として登場するのがリック・フラッグ大佐である。上司であるウォラーと「スーサイド・スクワッド」の間で板挟みに遭いながら、魔力に取り憑かれたムーン博士と関係を持っている。はっきり言って、色んなキャラクターが登場して、そのキャラクターにいろんな設定を付け加えたことで話がごちゃごちゃしている。シンプルな話なのにやや分かりづらい箇所もある。これが終始映画に乗り切れなかった要因だと思う。
最終的にヴィランをやっつけたとしても、極悪人たちのドラマも描けたとは思えない。ハーレイ・クインのみが良くも悪くも目立っており、マーゴット・ロビーの成りきりぶりは見事だが、事実上の主演であるウィル・スミスがあまりにも目立たなかった。極悪人の中でも冷静なキャラクターというある意味「プレーン」的な位置付けだとは思うが、もう少しぶっ飛んだキャスティングもありだったんじゃないかと思う。
【関連作品】
「マン・オブ・スティール(2013)」…リブート/DCエクステンデッド・ユニバース1作目
「バットマンvsスーパーマン ジャスティスの誕生(2016)」…DCエクステンデッド・ユニバース2作目
「スーサイド・スクワッド(2016)」…DCエクステンデッド・ユニバース3作目
「ワンダーウーマン(2017)」…DCエクステンデッド・ユニバース4作目
「ジャスティスリーグ(2017)」…DCエクステンデッド・ユニバース5作目
「アクアマン(2018)」…DCエクステンデッド・ユニバース6作目
「シャザム!(2019)」…DCエクステンデッド・ユニバース7作目
「ハーレイ・クインの華麗なる覚醒 BIRDS OF PREY(2020)」…DCエクステンデッド・ユニバース8作目
「ワンダーウーマン1984(2020)」…DCエクステンデッド・ユニバース9作目
「ジャスティス・リーグ:ザック・スナイダーカット(2021)」…DCエクステンデッド・ユニバース5作目のディレクターズ・カット
「ザ・スーサイド・スクワッド "極"悪党、集結(2021)」…DCエクステンデッド・ユニバース10作目
「ブラックアダム(2022)」…DCエクステンデッド・ユニバース11作目
「シャザム!神々の怒り(2023)」…DCエクステンデッド・ユニバース12作目
「ザ・フラッシュ(2023)」…DCエクステンデッド・ユニバース13作目
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