【作品#0235】下妻物語(2004) | シネマーグチャンネル

【タイトル】

 

下妻物語

 

【概要】

 

2004年の日本映画

上映時間は102分

 

【あらすじ】

 

茨城県下妻市に住む高校生の竜ケ崎桃子は、ロリータファッションと孤独を愛する高校生である。父親の作ったベルサーチの偽物をネットで販売したところ、暴走族に所属する白百合イチゴがそれを買いたいと言って家までやって来る。

 

【スタッフ】

 

監督/脚本は中島哲也

音楽は菅野よう子

撮影は阿藤正一

 

【キャスト】

 

深田恭子(竜ケ崎桃子)

土屋アンナ(白百合イチゴ)

宮迫博之(桃子の父)

篠原涼子(桃子の母)

樹木希林(桃子の祖母)

岡田義徳(磯部明徳)

小池栄子(亜樹美)

阿部サダヲ(龍二/産婦人科医)

荒川良々(八百屋)

矢沢心(ミコ)

 

【感想】

 

嶽本野ばらの同名小説の映画化。当初は小規模での公開だったが、評判を呼び公開館数を伸ばした。また、カンヌJr.フェスティバルではグランプリを受賞し、フランスを始め海外でも「Kamikaze Girls」として公開された。監督の中島哲也は本作を期に注目を集め、イチゴ役を演じた土屋アンナは本作が映画デビュー作となった。

 

ロリータファッションで孤独を愛する桃子と、暴走族に所属して特攻服を着ているイチゴというなかなか面白い組み合わせのバディもの。極端な2人を組み合わせる映画は山ほど作られてきたが、本作ならではの魅力がたくさんあり、ほんの少し中盤ダレるものの、102分という上映時間を突っ走る快作に仕上がっている。彼女たちを取り巻く世界を漫画っぽく表現し、それに伴い衣装や演出、演技もとにかく仰々しいが、世界観を作り上げる上で間違いなく必要な要素となった。イチゴの得意技「頭突き」は同年公開の「パッチギ!(2004)」を思わせる(「パッチギ」に頭突きの意味がある)。

 

そして何より映画デビューとなった土屋アンナの存在感だろう。彼女の豪快な(!?)性格も相まって、彼女のイメージを決定づけた作品と言える。桃子を演じた深田恭子と対をなすキャラクターを演じるに十分な素質を兼ね備えていたのだろう。かと思えば昔の黒髪、眼鏡時代もなかなか魅力的であった。

 

我が道を生きてきた桃子が、イチゴと徐々に絆を深め、大事にしていたロリータファッションを汚してまでイチゴを助けに行く場面はこの手の映画の定番だがやっぱり良いね。ただ、惜しむべくは終盤にブチ切れた桃子が関西弁で怒鳴るシーン。関西出身の人間からすると、この関西弁は正直60点くらいですね(厳しくて申し訳ない…)。非関西弁の人が関西弁喋っている感は残っているし、あそこで関西弁を使うなら次のセリフも関西弁で突き通すべきだった。捲し立てるには関西弁は最適なので、このシーンで関西弁がバシッと決まれば更に良い場面になっただろう。

 

ラストは2人がベタベタして終わるのではなく(エンドロールの映像はそうだが)、それぞれがそれぞれの道に歩んでいくというのも青春ものっぽくて潔くて良い。この2人のその後を想像するのも楽しい。演出、キャストが見事にはまった良作。

 

【音声解説1】

 

参加者

├中島哲也(監督/脚本)

├深田恭子(桃子役)

├土屋アンナ(イチゴ役)

├曽根祥子(アシスタント・プロデューサー)

 

上記4名によるコメンタリー。序盤は聞いてて「大丈夫か」と思うくらいに浮ついているが、徐々にエンジンが入って来ると、4人のコメンタリーに自分も参加しているような気持ちになれる。アシスタント・プロデューサーの曽根祥子が進行役となっているが、それぞれがその場で思ったことを話しているというような印象。そして何と言ってもこのコメンタリーを支えているのは土屋アンナのキャラクター。あくびしたり、「このセリフ好き!」とか、「今度このセリフ言おう!」と言ったり、とにかく自由でそれを周囲が温かく受け止めているという感じがする一方で、さらっと芯食った一言を言うなど頭の良さも感じられる。本作の世界観が好きなら聞いてみるべきコメンタリー。

 

【音声解説2】

 

参加者

├中島哲也(監督)

├申谷弘美(スタイリスト)

├柳川瀬雅英(ビジュアルエフェクトスーパーバイザー)

├進行:広重玲子(TBSアナウンサー)

 

アナウンサーを進行役に、監督、スタイリスト、ビジュアルエフェクトスーパーバイザーの3名が話すコメンタリー。特徴的な衣装が多い作品だけに、スタイリストが話す機会が圧倒的に多い。この手の音声解説は、司会の力量だけでなく、話し手のサービス精神や準備も必要になって来る。音声解説への準備はあまり感じられず、中島監督が気を遣う場面も多く、音声解説としてはもう1つという印象。

 

 

 

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【ソフト関連】
 

<DVD>

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├オリジナル(日本語)

映像特典

├特報/予告編/TVスポット

├キャスト・スタッフ紹介(静止画)

├3つのチャプター

 

<DVD(2枚組/スペシャル☆エディション)>

言語
├オリジナル(日本語)

音声特典

├中島哲也(監督/脚本)、深田恭子(桃子役)、土屋アンナ(イチゴ役)、曽根祥子(アシスタント・プロデューサー)による音声解説

├中島哲也(監督)、申谷弘美(スタイリスト)、柳川瀬雅英(ビジュアルエフェクトスーパーバイザー)、進行:広重玲子(TBSアナウンサー)による音声解説

映像特典(Disc1)

├特報/予告編/TVスポット

├キャスト・スタッフ紹介(静止画)

├3つのチャプター

映像特典(Disc2)

├新撮サイドストーリー

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