【タイトル】
ジオストーム(原題:Geostorm)
【概要】
2017年のアメリカ映画
上映時間は109分
【あらすじ】
異常気象の末、人類はダッチボーイと名付けられた人工衛星による気象コントロールシステムを開発した。その開発者であるジェイクは上司の許可なしに異常気象を防いだとしてその職を追われてしまう。しかし、数年後再び異常気象が発生し、ジェイクの後任となった弟のマックスは再び兄に仕事を依頼する。
【スタッフ】
監督はディーン・デヴリン
音楽はローン・バルフ
撮影はロベルト・シェイファー
【キャスト】
ジェラルド・バトラー(ジェイク)
ジム・スタージェス(マックス)
アビー・コーニッシュ(サラ)
アンディ・ガルシア(パルマ)
エド・ハリス(デッコム)
【感想】
撮影は2015年頭に終わっていたが、同年実施した試写の反応が悪かったため、プロデューサーのジェリー・ブラッカイマーや映画監督のダニー・キャノンが連れて来られて再撮影が行われ、アメリカでは2017年10月にようやく劇場公開された作品。全世界で2億ドル以上のヒットを飛ばしたが、マーケティング費用を除く予算が1億2千万ドルであったことを考えるとかなりの赤字を出したと言える。案の定、批評家からは酷評されている。監督のディーン・デヴリンは本作が監督デビュー作であり、過去には特にローランド・エメリッヒ監督作品の脚本などを手掛けてきた人物だ。
言ってしまうと、「アルマゲドン(1998)」「スペース・カウボーイ(2000)」「ザ・コア(2003)」「デイ・アフター・トゥモロー(2004)」「2012(2009)」「ゼロ・グラビティ(2013)」「インターステラー(2014)」あたりのSFもの、パニックものの要素を搔い摘んだ映画と言える。
人工降雨などの技術も進み、異常気象と呼ばれて久しい世の中のため、気象をコントロールできる仕組みが世界を揺るがす危機になるという設定自体は受け入れられるものである。ただ、それをデッコムが利用して世界征服を狙うというにしては、代償が大きすぎるし、人が死に過ぎである。この辺りの滅茶苦茶な理屈はローランド・エメリッヒ監督作品の脚本を担当していたディーン・デヴリンなのだから諦めるしかないのだろう。
氷の世界は「デイ・アフター・トゥモロー(2004)」でやっているし、滅びゆく町から車で逃げるのは「2012(2009)」でやっているので、また同じことを…と思ってしまう。主人公が宇宙に残る選択をして地球にいる人間と最後の交信をするのは「アルマゲドン(1998)」からの、父と娘を巡るSFの話は「インターステラー(2014)」からの、宇宙でのパニックと地球への帰還は「ゼロ・グラビティ(2013)」からの拝借(まぁパクリだよね)だろう。
本作を弁当に例えるなら、おかずとなるCGはコテコテで超大盛だが、人間ドラマとなるご飯の部分は数粒しかないといったところだろう。
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【予告編】
【配信関連】
<Amazon Prime Video>
言語
├オリジナル(英語/広東語/ロシア語/ヒンディー語/スペイン語)
【ソフト関連】
<BD>
言語
├オリジナル(英語/広東語/ロシア語/ヒンディー語/スペイン語)
├日本語吹き替え
映像特典
├大災害をつくりだす
├答えを求めて
├撮影の舞台裏