【作品#0654】300＜スリーハンドレッド＞（2006）

【タイトル】

300＜スリーハンドレッド＞（原題:300）

【概要】

2006年のアメリカ/カナダ/ブルガリア合作映画
上映時間は117分

【あらすじ】

紀元前480年。スパルタ王のレオニダスはペルシア帝国から水と食料を要求されるが拒否し、それを伝えに来た使者らを皆殺しにする。レオニダスは評議員らの反対を押し切り、精鋭部隊300人で100万のペルシア軍を迎え撃つことになる。

【スタッフ】

監督はザック・スナイダー
音楽はタイラー・ベイツ
撮影はラリー・フォン

【キャスト】

ジェラルド・バトラー（レオニダス）
レナ・ヘディ（ゴルゴ）
ドミニク・ウェスト（セロン）
デヴィッド・ウェナム（ディリオス）
マイケル・ファスベンダー（ステリオス）

【感想】

フランク・ミラー原作「300」の映画化。ザック・スナイダーにとっては「ドーン・オブ・ザ・デッド（2004）」に次ぐ監督2作目となった。全世界で4億5千万ドルを超えるヒットを記録した。

「300対100万」という触れ込みだったために、人数としては圧倒的不利な状況でどう戦ったのかというポイントに注目して見てしまうが、知恵を絞った作戦などは基本的にはなく、スパルタの「300」がめちゃくちゃ強いという設定で映画の最後まで突っ走っていく。

時折、敵側に超人的なキャラクターや巨大な動物こそ登場するが、それ以外の敵は基本的に雑魚キャラばかりなのでスパルタの300人が斬り殺していくところは割と序盤で飽きてくる。また、この当時くらいから流行り出した、アクションシーンでスローモーションと早回しを組み合わせて描く演出も繰り返し使われている。インパクトあるシーンがあるのは確かだが、ただの超人的な精神力と肉体を持つ男たちが戦うだけのは飽きてくる。

戦う兵士たちをただひたすらに鼓舞していく様子は、やはり当時アメリカが直面していたテロとの戦い、イラク戦争を連想せずにはいられない。敵が攻撃してくると分かれば、たとえ周囲の反対があろうと戦いに挑む。死を恐れずに戦うことこそ男の美学とでも言いたげである。

最前線で戦うスパルタの戦士をよそ目に、評議会はペルシアに買収されており、内部にはスパイまで潜り込んでいた。そこでは最前線で戦うレオニダスの王妃ゴルゴが戦う様子も描かれる。内部での裏切りなどは省いて、少数精鋭の男たちが戦略的に大勢の軍勢と戦う様子を描くべきだったんじゃないだろうか。

やはり少数精鋭の男たちがペルシアの軍勢と戦うにしてはあまりに工夫がなさすぎた。戦いと戦いの合間に男たちが自らを鼓舞する演説を挟んでいく。超人的な男たちが情熱を口にすれば戦いに勝利していく。最後は裏切られたレオニダスは殺されてしまう。それでも残された男たちが戦いに挑むところで映画が終わる。自由を手に入れるために戦うところや、主人公が死んだ後に残った人たちが戦うところって「ブレイブハート（1995）」にそっくりの展開である。

【音声解説】

参加者
├ザック・スナイダー（監督）
├カート・ジョンスタッド（脚本）
├ラリー・フォン（撮影）

上記3名による対話形式の音声解説。作品のテーマなどについてはほとんど触れられず、どのように撮影したのかという話が多い。槍などの小道具、人形やスタントマンを使ったアクションシーン、どこまでが実写でどこからがCGかなどについて話してくれる。せっかく監督と脚本家が参加しているのだから、描きたかったテーマなどについて深堀した話をしてほしかった。

ちなみに、本作にはスタントマン時代のデヴィッド・リーチが参加しており、「彼は凄い」と彼について言及する場面がある。その言及する際にどこに映っているかを教えてくれる。中盤に2回だけだがチラッと映る。

【関連作品】

「300＜スリーハンドレッド＞（2008）」…シリーズ1作目
「300＜スリーハンドレッド＞～帝国の進撃～（2014）」…シリーズ2作目