【作品#0292】ジーリ(2003) | シネマーグチャンネル

【タイトル】

 

ジーリ(原題:Gigli)


【概要】

2003年のアメリカ映画
上映時間は121分

【あらすじ】

チンピラのジーリは、ボスからの依頼で、知的障害のあるブライアンを自宅に監禁するように言われ、障害施設からブライアンを連れ去る。頼りないジーリを心配してボスは、リッキーという監視役をジーリの家に派遣する。

【スタッフ】

監督はマーティン・ブレスト
音楽はジョン・パウエル
撮影はロバート・エルスウィット

【キャスト】

ベン・アフレック(ジーリ)
ジェニファー・ロペス(リッキー)
ジャスティン・バーサ(ブライアン)
クリストファー・ウォーケン(スタンリー)
アル・パチーノ(スタークマン)

【感想】

当時交際していたベン・アフレックとジェニファー・ロペスを主演にしたコメディ映画。5,400万ドルの予算(うち約半分が主演2人のギャラ)に対して、たったの720万ドルしか収益を得ることができず、ラジー賞では最低作品賞含む最多6部門を受賞してしまった。そんな事情も相まって日本では劇場未公開となった。

また、本作の主導権は製作会社が握り、脚本の書き直しや再撮影により全く別の映画に仕立て上げられたようだ。「ビバリーヒルズ・コップ(1984)」以降、寡作ながら着実に評価を得ていたマーティン・ブレストは本作以降、まだ50代前半だったにもかかわらず事実上の最後の作品となっている。当時「ベニファー」とまで言われていたビッグカップルを映画で共演させ、脚本の書き直しや再撮影によって全く別物の映画にされたのなら、「もういいよ」って思ってもしょうがないのかな。特に中盤のジーリとリッキーによる下ネタ全開の問答ははっきり言って見ていられない。いくらリッキーをレズという設定にして、ジーリが口説けないとしても、「こいつらプライベートでは付き合っているもんな」と思われれば完全に醒めてしまうだろう(しかも映画の最後には案の定くっつくし)。

ただ、ラジー賞受賞作と言う色眼鏡で見ると、「そこまで悪くはない」と思ってしまう不思議な感覚になってしまう。決して褒められた作品ではないが、もっと酷い映画もあると思うし、ベニファーについてリアルタイムで知っているかどうかも評価に影響しそうである。ジャスティン・バーサ演じるブライアンが最後に女性へ声をかけられるまでの流れは悪くはなかった。

男を魅了するような露出度の高い服装で登場するリッキーに対して、男が女より上だと考え、たとえ相手がレズだと思っても「自分ならいける」と思っているジーリ。ジーリが鏡の前で「俺なら大丈夫」と言い聞かせる様子は良くも悪くもベン・アフレックっぽい間抜けさ。このベン・アフレックの持つ間抜けさは彼らしさでもあると思う。

主人公が人として正しい方向に向おうとする物語であることは分かるが、この内容の薄さからすると2時間越えの上映時間は長すぎる。映画としての山場も特になく、クリストファー・ウォーケンやアル・パチーノといった大物で画面内の興味を引っ張っている印象さえある。




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