【タイトル】
続・猿の惑星(Beneath The Planet of The Apes)
【概要】
1970年のアメリカ映画
上映時間は95分
【あらすじ】
禁断地帯に足を踏み入れたテイラーとノバだったが、突然の地割れと炎に襲われる。ところが、何事もなく周囲を調べているとテイラーは突然姿を消してしまう。一方、行方不明のテイラーらを宇宙船で捜索していたブレントが未来の地球に不時着し、テイラーを失ったノバと鉢合わせる。
【スタッフ】
監督はテッド・ポスト
音楽はレナード・ローゼンマン
撮影はミルトン・R・クラスナー
【キャスト】
ジェームズ・フランシスカス(ブレント)
チャールトン・ヘストン(テイラー)
【感想】
前作は大成功を収めたにもかかわらず、本作は前作の半分の製作費で製作された。というのも、20世紀フォックスは「ハロー・ドーリー(1969)」の失敗により倒産寸前に追い込まれていたという事情があったからである。ちなみに、ミュータントの評議会のセットは「ハロー・ドーリー(1969)」で使用したものを流用している。
また、「タム・リン(1970)」で監督デビューしたロディ・マクドウォールはその撮影のために本作の出演を辞退した。そして、オーソン・ウェルズはアーサス将軍役のオファーを受けたが、特殊メイクによりほとんど顔が隠れることを嫌って出演を断った。ちなみに、ブレント役はバート・レイノルズが検討されたが、チャールトン・ヘストンに似ているジェームズ・フランシスカスに決まったようだ。
前作よりも予算が半減したとは思えぬ出来。確かに前作以上にB級感は増しているが、決して前作で築き上げた世界観を損なうことはなっていない。また、実は前作と同様に当時の世相を反映しているのは確かだが、ややチグハグ感は否めない。
本作の主人公はテイラーを追いかけて地球を飛び出したブレントである。ブレントが帰ってこないとまた他の連中を地球は送り込むことになるのだろうか。また、後を追ってやって来た方がテイラーやブレントよりも前に到着することはありえないのだろうか。捜索に来た方が先に来てましたというのも面白い気がするが。
終盤になってテイラーとノヴァが廃墟となった地下鉄の駅の奥に進むとミュータントと出会う。彼らは言葉を使わずにテレパシーで会話でき、幻聴や幻覚を操ることができるという設定だ。そんな彼らはブレントから猿が何を企んでいるかを執拗に聞き出そうとしている。これだけの能力があるのなら猿が何を考えているかくらい調べがつきそうなものだが、設定としてはもう少し深堀してほしかったところ。
このミュータントは幻聴や幻覚を操ることができる設定である。これを猿たちに使うのだが、議長の思い切った行動によりあっさり見破られてしまう。これはかなり好意的に解釈すれば当時のベトナム戦争などメディアの報道の信憑性が失われつつあったことを示しているのではないだろうか。
そしてこのミュータントは地球を破滅に導いてしまいうるコバルト爆弾を平和の象徴として崇めている。猿の襲撃を受けて最終的にはこのコバルト爆弾は爆破されてしまう。前作のラストでテイラーは壊れた自由の女神を見て人類が酷い過ちを犯したのだと理解した。そして本作のラストでも自由の女神が壊れるに至ったのとおそらく同じ大量破壊兵器で地球もろとも葬り去ったのだ。人類は同じ過ちを二度繰り返したのだ。ミュータントは自分たちの祖先が大量破壊兵器で退化してしまったのにそれを平和を守るために必要なものとして崇めている。まさに、原爆で被害を受けた日本が核の傘で守られているのと同じように感じてしまう。
大ヒットしたのに製作費を半減されたというシリーズ2作目にしてはよく出来ていると思う。主役が変わってしまったなど決して悪い点がないわけではないが、見どころはある作品だと思う。地球破壊というどう考えても終わりだろうと思わせたシリーズが続いていくのも見もの。
【関連作品】
「猿の惑星(1968)」…シリーズ1作目
「続・猿の惑星(1970)」…シリーズ2作目
「新・猿の惑星(1971)」…シリーズ3作目
「猿の惑星・征服(1972)」…シリーズ4作目
「最後の猿の惑星(1973)」…シリーズ5作目
「PLANET OF THE APES/猿の惑星(2001)」…リ・イマジネーション
「猿の惑星:創世記(2011)」…リブートシリーズ1作目
「猿の惑星:新世紀(2014)」…リブートシリーズ2作目
「猿の惑星:聖戦記(2017)」…リブートシリーズ3作目
「猿の惑星/キングダム(2024)」…リブートシリーズ4作目
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