【作品#0533】6デイズ/7ナイツ(1998) | シネマーグチャンネル

【タイトル】

 

6デイズ/7ナイツ(原題:Six Days Seven Nights)


【概要】

1998年のアメリカ映画
上映時間は109分

【あらすじ】

ロビンとフランクは太平洋に浮かぶマカテア島にバカンスへやってきた。ところが、ロビンのもとへ上司からタヒチでの仕事を太陽するように言われ、パイロットのクインにお願いして向かってもらうが…。

【スタッフ】

監督はアイヴァン・ライトマン
音楽はランディ・エデルマン
撮影はマイケル・チャップマン

【キャスト】

ハリソン・フォード(クイン)
アン・ヘッシュ(ロビン)

【感想】

当時ほぼ無名だったアン・ヘッシュがハリソン・フォードの相手役を射止めた2日後、アン・ヘッシュは女優でコメディアンのエレン・デシェネレスとの交際を公言した。映画会社はアン・ヘッシュを降板させたが、ハリソン・フォードの力により本作への出演は叶った。

本作はひょんなことから無人島で2人きりになった男女がいがみ合いながらも最終的に結ばれるというお話であり、これは1930年代に流行したスクリューボールコメディと同じプロットである。また、親くらいに年の離れた男性と年下の女性のロマンスというのも1950年代のロマンス映画を思わせるし、また男女の冒険ものなら「アフリカの女王(1951)」が真っ先に思い出されるところではある。

基本的に南国が舞台の作品だが、映画は冬のニューヨークから始まる。後の南国とのギャップ、落差を付けたかったのだと思うが、にしては冬のニューヨークの場面は短すぎる。オープニングの一連のクレジットが終わるころには南国に到着しているのだからあまり効果的ではなかったと感じる。あとは、ロビンの上司が別の島での仕事を依頼することに不自然さを抱かせないためという意図もあっただろう。ただ、この上司が休暇中の彼女に仕事を依頼しなければ済んだ話ではある…。

酷評されている本作だが、アン・ヘッシュという女優自体がこの南国に見事にマッチしていると感じる。アン・ヘッシュの青い瞳は、南国の青い海と合っており、彼女がこの島にいるだけで良い雰囲気になる。

当時50代半ばのハリソン・フォードは娘くらい年の離れたアン・ヘッシュとのロマンス映画への出演となり、この映画に近い頃では、「麗しのサブリナ(1954)」のリメイク作品「サブリナ(1995)」でも似たような役柄を演じていた。飛行機を直すところから登場して、「まだまだ現役だ」なんてセリフを言っているのは、年を重ねていくハリソン・フォード本人の叫びなのだろうか。

そんな2人のいがみ合いから交流が描かれていくのだが、ラストで結ばれる結論に至る道筋がちゃんと描かれた気は全くしない。本来ならこの2人とこの島だけを登場人物に展開させるべきなのに、話が持たないからか海賊までもが登場するのはあまりにも不自然である。また、せっかく無人島に来たというのに、そこでの暮らしや移動があまりにも快適に見えてしまうのも問題だろう。こんな簡単に事が運んでしまってはせっかく無人島に来た意味も2人きりになってしまった意味も削がれてしまう。

この手の映画にするなら、ラストは元のカップルに戻る方が良いかな。南国でパイロットをする男が、ニューヨークで女性雑誌の副編集長を務める女性とうまくいく気がしないんだよな。ロビンの恋人フランクがちょっと頼りない男として描かれることで、この結末を受け入れやすくしているのだろうが、どうもこの結末ありきでフランクというキャラクターが作られた気もする。別に年の差カップルを描く映画があっても良いのだが、この1998年当時で見ても古臭い映画だと思う。




取り上げた作品の一覧はこちら

 

 

 

【配信関連】

 

<Amazon Prime Video>

 

言語

├オリジナル(英語/ドイツ語)

 

【ソフト関連】

 

2023年4月現在、本作は廉価版のDVDしか発売されていない。そこそこメジャータイトルであると思うが、Blu-rayの本編はおろかDVDに特典すら入っていない。

 

<DVD>

 

言語

├オリジナル(英語/ドイツ語)

├日本語吹き替え

音声/映像特典

├なし