【タイトル】
ジャッカルの日(原題:The Day of the Jackal)
【概要】
1973年のイギリス/フランス合作映画
上映時間は143分
【あらすじ】
1960年代フランス。シャルル・ド・ゴール大統領の暗殺を狙うジャッカルと、彼の暗殺を阻止すべく捜査するフランス警察の様子を描く。
【スタッフ】
監督はフレッド・ジンネマン
音楽はジョルジュ・ドルリュー
撮影はジャン・トゥルニエ
【キャスト】
エドワード・フォックス(ジャッカル)
マイケル・ロンズデール(ルベル警視)
【感想】
1971年にフレデリック・フォーサイスが発表した同名小説の映画化。当初はハリウッドの有名キャストでの映画化が検討されたが、フレッド・ジンネマン監督がヨーロッパの俳優の無名俳優にこだわり、エドワード・フォックスが主演に抜擢された。
143分間ほとんどが地味といえば地味であるが、そんな地味なシーンの積み重ねが本作の魅力である。観客の感情に訴えかけるような場面は皆無である。ジャッカル側とルベル警視側をほぼ平等に描いており、両者それぞれに肩入れするような描き方ではない。だからこそラストに緊張感が生まれるのだろう。
ラストのジャッカルが暗殺を企てるシーンやそれを阻止すべく動くルベル警視の様子はもっともったいぶって描いても良いものだが、ラスト5分くらいで大統領暗殺が失敗し、乗り込んできたルベル警視にジャッカルが撃たれ、埋葬されるという超あっさり展開が用意されている。この手の映画や後のリメイクなんかでは、こういった場面は観客が焦れるような演出をしがちだが、本作では地味な場面の積み重ねをラストでも壊すことなく貫き通している。キャスティングもそうだが、製作側が「欲」にまみれなかったところが良かったのではないかと思う。
本作の主人公はジャッカルである。上述のように演じたのは当時無名だったエドワード・フォックスである。寡黙でプロに徹する様子と、エドワード・フォックスという無名の俳優という部分が相まって素晴らしいジャッカル像になったのだと思う。リメイクの大げさな武器ではなく、小さな部品を組み合わせて最小限の武器を作り上げていくところは、メカ好きの男心をくすぶってくれる。
一方のルベル警視は男前のジャッカルとは正反対の庶民顔である。そんな彼も冒頭こそ奥さんが登場するが以降は家族が登場することは一切ない。この手の映画ならルベル警視の家族を登場させてルベル警視の人となりを示す描写を入れたり、家族の描写を入れることで小休憩を入れたりしそうなものだが、本作にはそういった描写はない。ジャッカルにしてもルベル警視にしてもお互いがプロとして仕事に徹する様子をただひたすらに描いているのだ。
強いて言うなら、ラストでルベル警視がジャッカルのいる建物を突き止める理屈はほしかったところだが、暗殺者と警察というプロ同士を描いた秀作。
【関連作品】
「ジャッカルの日(1973)」…オリジナル
「ジャッカル(1997)」…リメイク
取り上げた作品の一覧はこちら
【ソフト関連】
<DVD>
言語
├オリジナル(英語/イタリア語/フランス語)
<BD>
言語
├オリジナル(英語/イタリア語/フランス語)
├日本語吹き替え
├日本テレビ
├テレビ朝日
├テレビ東京
封入特典
├復刻ミニポスター
├オリジナルブックレット
【書籍関連】
<ジャッカルの日 上>
形式
├電子
├紙
長さ
├299ページ
出版社
├角川文庫
著者
├フレデリック・フォーサイス
翻訳者
├篠原慎
<ジャッカルの日 下>
形式
├電子
├紙
長さ
├253ページ
出版社
├角川文庫
著者
├フレデリック・フォーサイス
翻訳者
├篠原慎