【作品#0352】女王蜂(1978) | シネマーグチャンネル

【タイトル】

 

女王蜂


【概要】

1978年の日本映画
上映時間は139分

【あらすじ】

大道寺家の時計台で殺された男が発見された。遺体を発見した智子はその場にいた多門連太郎と遭遇するが、自分が犯人ではないと言って立ち去ってしまう。

【スタッフ】

監督は市川崑
音楽は田辺信一
撮影は長谷川清

【キャスト】

石坂浩二(金田一耕助)
仲代達矢(大道寺銀造)
岸恵子(神尾秀子)
高峰三枝子(東小路隆子)
司葉子(蔦代)
中井貴恵(大道寺智子)
加藤武(等々力警部)

【感想】

市川崑監督、石坂浩二主演による横溝正史原作の金田一シリーズ劇場版第4作。好評を受け、前作「獄門島(1977)」から半年後に公開された。

本作は「犬神家の一族(1976)」の高峰三枝子、「悪魔の手毬唄(1977)」の岸恵子、「獄門島(1977)」の司葉子というキャストを引っ張り出してきたのだ。これに仲代達矢というビッグネームまで共演。これにより、登場人物としては彼らと同列に当たるキャラクターを演じた中井貴恵(佐田啓二の娘で、中井貴一の姉)が見事に存在感がない。彼ら彼女らと肩を並べるのはやや荷が重かったかもしれないが、それでも印象あるキャラクターとして描くのが監督の仕事だろう。メインキャラクターの子供たちの影が薄いのは「犬神家の一族(1976)」「悪魔の手毬唄(1977)」と同様であり、その問題は解消されていないようだ。

まだ前作までは作品から醸し出されていたおどろおどろしい雰囲気はすっかり影を潜め、〇用サスペンス劇場でも見ているかのような推理サスペンス映画に様変わりしている印象である。さらに、今までのシリーズでも金田一が事件のあった土地を離れて情報を集めて事件の真相を明らかにする展開ばかりであったが、本作は加藤武演じる等々力まで京都にやって来ることになり、事件のあった土地をあまりにも離れる展開が多いのも違うような感じもする。

過去の犯人役を総動員し、名脇役たちも軒並み出演しているが、彼らの魅力頼みのごとく話自体がつまらなく、肝心の主演女優がこれほどまでに存在感がないと可哀そうに思えてくる。シリーズの魅力が右肩下がりなのに歯止めをかけることはできなかったと言えよう。

 

【関連作品】

犬神家の一族(1976)」…市川崑監督、石坂浩二主演による金田一耕助シリーズ第1作
悪魔の手毬唄(1977)」…市川崑監督、石坂浩二主演による金田一耕助シリーズ第2作
獄門島(1977)」…市川崑監督、石坂浩二主演による金田一耕助シリーズ第3作
「女王蜂(1978)」…市川崑監督、石坂浩二主演による金田一耕助シリーズ第4作
病院坂の首縊りの家(1979)」…市川崑監督、石坂浩二主演による金田一耕助シリーズ第5作
犬神家の一族(2006)」…市川崑監督、石坂浩二主演による金田一耕助シリーズ第1作のリメイク



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形式

├電子

著者

├横溝正史

出版社

├角川文庫

長さ

├441ページ