【タイトル】
悪魔の手毬唄(1977)
【概要】
1977年の日本映画
上映時間は143分
【あらすじ】
20年前の事件の真相を明らかにしたい磯川警部はかつてともに仕事をした金田一耕助を岡山まで呼び寄せ、真相究明に動き出す。
【スタッフ】
監督は市川崑
音楽は村井邦彦
撮影は長谷川清
【キャスト】
石坂浩二(金田一耕助)
岸恵子(青池リカ)
若山富三郎(磯川警部)
中村伸郎(多々良放庵)
仁科明子(別所千惠)
辰巳柳太郎(仁礼嘉平)
加藤武(立花)
大滝秀治(権堂)
【感想】
前年「犬神家の一族(1976)」のヒットを受けて製作されたシリーズ第2作。スタッフや主演と一部キャストは続投した。
まず、前作に増して登場人物が多い。顔も名前も知られた有名どころは序盤の手っ取り早い登場人物紹介である程度頭に入るが、メインどころの子供たちまでは頭に入りきらない。彼らが被害者となる以上、もう少し丁寧で印象に残る紹介が必要であったと感じる。
同じ作家の映画化だからしょうがないかもしれないが、歪な人物背景、誰かに成りすますというトリック、手間のかかるやり口など、前年の「犬神家の一族(1976)」の二番煎じ感は否めない。そして、今作も前作同様に金田一耕助が現場から離れたどこかで入手した情報が真相解明のキーとなっている。ただ、ロケ地が違うだけあって、前作とは違う田舎の閉塞感は変わらず表現できていたと感じる。
ラストはリカが入水自殺してしまうわけだが、彼女が容疑者と分かった以上、彼女を1人放ったらかしにして警官みんなが出て行くのはちょっと都合が良すぎる。彼女が1人になってしまう自然な筋書きが必要だった。
にしても若山富三郎が素晴らしかった。任侠ものや時代劇を得意としてきた彼が長年女性を想う男を演じるとは意外性がある。リカが容疑者の可能性があると金田一耕助が言うだけで取り乱すのは、彼女が犯人であることを示しているようなものでそこは演技として良くてもミステリーとして失敗であると感じた(その前からリカが怪しいのは間違いないのだが)。
同じ原作者、監督、主演ということでシリーズならではのお約束も見られ、前作が好きな人には楽しめる要素もたくさんある。ただ、逆に同じような話を繰り返している印象は否めず、前作並みの上映時間もやや長く感じられた。
【関連作品】
「犬神家の一族(1976)」…市川崑監督、石坂浩二主演による金田一耕助シリーズ第1作
「悪魔の手毬唄(1977)」…市川崑監督、石坂浩二主演による金田一耕助シリーズ第2作
「獄門島(1977)」…市川崑監督、石坂浩二主演による金田一耕助シリーズ第3作
「女王蜂(1978)」…市川崑監督、石坂浩二主演による金田一耕助シリーズ第4作
「病院坂の首縊りの家(1979)」…市川崑監督、石坂浩二主演による金田一耕助シリーズ第5作
「犬神家の一族(2006)」…市川崑監督、石坂浩二主演による金田一耕助シリーズ第1作のリメイク
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【書籍関連】
<原作「悪魔の手毬唄」>
形式
├紙/電子
著者
├横溝正史
出版社
├角川文庫
長さ
├480ページ