【作品#0342】お熱いのがお好き(1959) | シネマーグチャンネル

【タイトル】

 

お熱いのがお好き(原題:Some Like It Hot)

【概要】

1959年のアメリカ映画
上映時間は120分

【あらすじ】

マフィアによる殺人現場を目撃したジョーとジェリーは、募集中の女性バンドのメンバーに化けて逃走する。

【スタッフ】

監督/脚本/製作はビリー・ワイルダー
音楽はアドルフ・ドイッチェ
撮影はチャールズ・ラング

【キャスト】

マリリン・モンロー(シュガー)
トニー・カーティス(ジョー/ジョセフィン/ジュニア)
ジャック・レモン(ジェリー/ダフネ)

【感想】

計7度のタッグを組むビリー・ワイルダー監督とジャック・レモンが初めてタッグを組んだ作品。また、ビリー・ワイルダー監督作品には「七年目の浮気(1955)」以来の出演となったマリリン・モンローは、精神的に不安定な状態での撮影であり、多くのトラブルを引き起こしたことでも知られる。アカデミー賞では衣装デザイン賞(白黒)の1部門受賞にとどまったが、ゴールデン・グローブでは、作品賞、男優賞、女優賞の主要3部門を制覇した。

モノクロ映画になることを知ったマリリン・モンローは不満を示したそうだが、マリリン・モンローの魅力はカラーだろうがモノクロだろうが、隠しきれない魅力で溢れている。駅での登場シーンから観客、そしてジョーとジェリーの心を完全に奪うだけの魅力がある。映画「ナイアガラ(1953)」で有名になったモンロー・ウォーク(和製英語らしい)で歩いていると、汽車の煙に驚いてよろめくところなんかも良い。

また女装する2人組のジャック・レモンとトニー・カーティスも良い。カラー作品になれば彼らの女装は違和感が際立ってしまったことだろうからモノクロにして正解だったと思う。男2人が女性の輪に入り、彼女たちと仲を深めていく様子も楽しめる。特にジェリー(ダフネ)がオズグッド・フィールディング3世をダンスでリードしてしまうところは可笑しい。しかも、成りすましを1度ではなく、さらにもう1度やるというのも意外性がある。ただ、ジョーが成りすますジュニアにあまり魅力を感じられないのは惜しいところ。裏を返せばジェリー(ダフネ)の方がすごいという訳でもあるんだが。

脚本として惜しい箇所もいくつかある。シュガーに惚れていたジェリー(ダフネ)がオズグッド・フィールディング3世なるお爺さんとのロマンスを受け入れるところや、シュガーがジョー(ジュニア)にあっさり惚れてしまうところは弱い。また、ギャング集団までフロリダの同じホテルまでやってくるところはもう少し良い筋書きがなかったかなとは思う。

最後にシュガーまでついて来るところは理由付けとしてかなり弱いとは思うが、ラストのオズグッド・フィールディング3世の「完璧な人間なんていないよ(Nobody is perfect)」のセリフが見事な締め言葉になっている。傑作とまではいかないが、成りすまし系のコメディとしては良作。




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【配信関連】

 

 

<Amazon Prime Video>

 

言語

├オリジナル(英語)

 

【ソフト関連】

 

<DVD>

 

言語

├オリジナル(英語)

├日本語吹き替え(テレビ朝日)

  ※日本語吹き替えの欠落箇所はオリジナル音声/日本語字幕で対応(約98分)

映像特典

├トニー・カーティス インタビュー
├バンドの同窓会:共演者たちの思い出
├映画の殿堂:よみがえる名場面
├プレスブック・ギャラリー
├オリジナル劇場 予告編
├ビリー・ワイルダー作品予告編集(6作品)

 

<BD>

 

言語

├オリジナル(英語)

├日本語吹き替え(テレビ朝日)

  ※日本語吹き替えの欠落箇所はオリジナル音声/日本語字幕で対応(約98分)

音声解説

├トニー・カーティス(出演)、ジャック・レモン(出演)、I.A.L.ダイアモンド(脚本)、ローウェル・ガンツ(脚本)、ババルー・マンデル(脚本)による音声解説(日本語字幕未収録

映像特典

├The Making of Some Like It Hot(日本語字幕未収録
├The Legacy of Some Like It Hot(日本語字幕未収録
├“Nostalgic Look Back” Documentary(日本語字幕未収録
├バンドの同窓会:共演者たちの思い出
├映画の殿堂:よみがえる名場面
├オリジナル劇場予告編