【作品#0269】Zアイランド(2015) | シネマーグチャンネル

【タイトル】

 

Zアイランド

 

【概要】

 

2015年の日本映画

上映時間は108分

 

【あらすじ】

 

ヤクザ抗争の末、組が解散して気質の生活を送っていた宗形は、弟分の武史に代わって彼の娘である日向の面倒を見ていた。その武史の出所が決まると、日向は父に会いたくないと言って銭荷島へ家出してしまうが、その島は謎の病気が蔓延していた。

 

【スタッフ】

 

監督/脚本は品川ヒロシ

音楽は福田裕彦

撮影は柳田裕男

 

【キャスト】

 

哀川翔(宗形博也)

鈴木砂羽(桜)

鶴見辰吾(武史)

木村祐一(反町)

宮川大輔(吉田)

窪塚洋介(白川)

大悟(内田)

シシド・カフカ(直美)

川島邦裕(ジョー)

山本舞香(日向)

水野絵梨奈(セイラ)

 

【感想】

 

哀川翔の芸能生活30周年を記念した、品川ヒロシの監督4作目。

 

本作はがっつり「ゾンビ映画」である。登場人物にゾンビ映画に詳しい人物を入れておき、そのキャラクターに色々説明させるというところで、監督のゾンビ映画愛を語っているつもりなのだろう。その割には「ゾンビ映画」をやる上で必要なことをかなりすっ飛ばしている。まず、タイトルが「Zアイランド」なのだから、せめて映画の冒頭近くにその島がどれくらいの大きさの島なのか、周囲の島とどれくらい離れており、どんな交通手段があるのか、外部との通信手段はどうなっているのか、こういった基本情報は観客向けに絶対に紹介しておかないといけない。この基本が甘いと「なぜ○○しないの?」といったノイズがどんどん気になってしまう。また、このゾンビをドッキリだと思っているキャラクターがいて、そのキャラクターが現実であることに気付いたとしても、登場人物全員がゾンビから本気で逃げようとしているように見えず、安っぽいドラマのために次々にゾンビに噛まれていく。

 

品川ヒロシ監督はデビュー作の「ドロップ(2008)」から一貫して「テレビ的な笑い」を映画内にそのまま落とし込んでいる。そして本作もその要素は前作に比べるとやや少なめの印象こそあるが、基本は踏襲していると言える。中でも窪塚洋介演じる警官が本島からの援護を要請するために電話するシーン。そこでは「ゾンビ」という言葉を使うとイタズラ電話だと思われてしまうために、「ゾンビ」という言葉を使わずに事情を伝えようとするが、結局「ゾンビ」と言ってしまうというボケを人を変えて3回も繰り返している。2人目に電話を代わった時点で同じボケをすることは目に見えており、いわゆる「天丼」というやつだが、完全に滑っているし、はっきり言ってかなりイライラしてしまった。やはりテレビでやっているお笑いを映画でそのままやったってウケないことに気付いていないようだし、この程度の笑いが面白いものだと思っているのだとしたらそのセンスは絶望的なものだろう。しかも、こういった笑いのためだけの描写も「ゾンビ映画」としての緊張感を大きく削ぐ形となっている。

 

また、アクションがやりたいのは品川ヒロシ監督作品を続けて見ていると伝わってくるのだが、やっていることはほとんど同じでこれ以上のものは期待できないのではないかと思う。流行りのクイック&スロー編集も見飽きているし、特に新鮮味もない。

 

やりたいアクションを生かせる題材として「ゾンビ映画」を選んだくらいにしか製作の動機は見つからない。目新しさもない割には基本をすっ飛ばしている箇所が多いし、タイトルにある「島」である要素を生かした展開もほとんどない。品川ヒロシ監督なりに「ゾンビ映画愛」を語っているのだろうが、前作「サンブンノイチ(2013)」同様、逆に「品川ヒロシ監督の映画愛ってその程度の物なのか」と思わせる皮肉な出来となっている。

 

 

 

取り上げた作品の一覧はこちら

 

 

 

【配信関連】

<Amazon Prime Video>

言語
├オリジナル(日本語)

 

【ソフト関連】

<DVD>

言語
├オリジナル(日本語)

映像特典

├メイキング オブ Zアイランド
├キャンペーン映像集
├「Z DUB」(卍LINE & 般若 & SHINGO☆西成)MV
├ヤバイヤバイ体操~宮川大輔Zゼーット!のお手本ver.~
├特報/予告編

 

<BD>

収録内容
├上記DVDと同様