【作品#0851】スリーメン&ベビー(1987) | シネマーグチャンネル

【タイトル】

スリーメン&ベビー(原題:Three Men and a Baby)

【概要】

1987年のアメリカ映画
上映時間は102分

【あらすじ】

ピーター、ジャック、マイケルの3人は独身者同士の共同生活を送っていた。そんなある日、マンションの前に赤ちゃんが捨てられており…。

【スタッフ】

監督はレナード・ニモイ
音楽はマーヴィン・ハムリッシュ
撮影はアダム・グリーンバーグ

【キャスト】

トム・セレック(ピーター)
スティーヴ・グッテンバーグ(マイケル)
テッド・ダンソン(ジャック)
ナンシー・トラヴィス(シルヴィア)

【感想】

1,100万ドルの製作費に対して、全世界で2億4千万ドルのヒットを記録し、アメリカではその年最大のヒットとなった(ちなみにウォルト・ディズニー・スタジオの実写作品で売り上げが1億ドルを突破したのは本作が初めて)。ちなみに、ジャックの母親が家を訪ねるシーンで背後に少年が立っており心霊現象ではないかと噂になったが、スタッフが置き忘れた看板であることが判明している。

フランス映画「赤ちゃんに乾杯!(1985)」のリメイク。後に日本で放映された連続ドラマ「人にやさしく(2002)」の元ネタであろうし、アニメーション映画「東京ゴッドファーザーズ(2003)」も人物配置は同じ。遡れば西部劇「三人の名付親(1948)」なんかも思い出す。男3人が赤ちゃん(もしくは子供)を育てるというのはある程度ジャンル化されたものなんだろうか。

建築家のピーター、漫画家のマイケル、俳優のジャックの3人はニューヨークでともに共同生活を送っている。独身の男3人が共同生活というのもあまり現実感がないのだが、アメリカのニューヨークでは割とあることなのだろうか。ただ、トム・セレック、スティーヴ・グッテンバーグ、テッド・ダンソンというトリオは悪くなかった。赤ちゃんに振り回される大人たちはなぜこうも愛おしいのだろうか。

仕事でトルコへ行くジャックから荷物の預かりを頼まれたピーターとマイケルは玄関前に置かれた赤ちゃんに驚愕する。ところがのちに判明するが、預かってほしかった荷物は麻薬であり、ジャックの友人が麻薬の売人であったことがわかる。その麻薬関連の物語がサブストーリーとして展開していくのだが、驚くほどにメインストーリーと関係していない。家の中を荒らされる場面はあっても赤ちゃんのメアリーが危機的な状況に陥るわけでもない。この3人が父性からメアリーを守るという物語にしないと、麻薬関連の話はメアリーがいなくても成立する話である(荷物の勘違いはさておいて)。しかも、ジャックは麻薬売買に図らずも加担していたことになるんだからそこを反省する場面は必要だったと思う。

しかも、映画的には麻薬の売人逮捕のために警察に協力する件が終わると一気にエンディングっぽい雰囲気になる。ところが、ここからメアリーの母親シルヴィアとの話になり、エンディングっぽい雰囲気からまだ映画は20分くらい続くことになる。このあたりの物語の運び方や演出はあまりうまいとは言えない。

さらに、シルヴィアがメアリーを実家に連れて帰るという話になってからの件もややグダグダ。結局、5人で共同生活することが決定して映画は終わるのだが、これに至るドラマはかなり薄い。3人がメアリーと一緒にいたいというのは伝わってくるが、シルヴィアが彼らとの共同生活に同意する理由はあまり見えてこない。このオチにするならシルヴィアを巻き込んだドラマにしないとなぁ。

また、ほかにもピーターの彼女っぽいレベッカ、大家さん、ジャックの母親など、いろんな女性キャラクターも登場するのだが、軒並みストーリーに関係してこない。ただ、ピーターが子守を女性だから知っているだろうと考えてレベッカに頼もうとして知識がないことを理由に断られる場面は良いと思う。

かなり弱点のある作品とはいえ、トリオによる(といってもメインはトム・セレックとスティーヴ・グッテンバーグの二人だが)赤ちゃんを巻き込んだドタバタコメディとしてはそれなりに楽しめる。

【関連作品】


「赤ちゃんに乾杯!(1985)」…オリジナル
「スリーメン&ベビー(1987)」…上記作品のリメイク/シリーズ1作目
スリーメン&リトルレディ(1990)」…シリーズ2作目



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【ソフト関連】

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