【タイトル】
スパイ・レジェンド(原題:The November Man)
【概要】
2014年のアメリカ映画
上映時間は108分
【あらすじ】
CIAを引退した元エージェントのピーターは、かつて愛した元同僚ナタリアが命の危機に晒されていると知り、彼女を助けるためにモスクワへ向かうが…。
【スタッフ】
監督はロジャー・ドナルドソン
音楽はマルコ・ベルトラミ
撮影はロマン・ラクールバ
【キャスト】
ピアース・ブロスナン(ピーター・デヴェロー)
ルーク・ブレイシー(デヴィッド・メイソン)
オルガ・キュリレンコ(アリス・フルニエ)
ビル・スミトロヴィッチ(ジョン・ハンリー)
ウィル・パットン(ペリー・ワインスタイン)
【感想】
ビル・グレンジャーの小説「There Are No Spies」の映画化。ピアース・ブロスナンとロジャー・ドナルドソン監督は「ダンテズ・ピーク(1997)」以来のタッグとなった。また、本作は「007」シリーズで4度ジェームズ・ボンドを演じたピアース・ブロスナン、「007/慰めの報酬(2008)」でボンドガールを演じたオルガ・キュリレンコ、「007/カジノ・ロワイヤル(2006)」に出演したラザル・リストフスキーが出演している。
当初はジェームズ・ボンドの暗い側面を描くために当時ジェームズ・ボンドを演じていたダニエル・クレイグをキャスティングしたが、他の映画出演のために土壇場で他のキャストを探すことになった。その後、ショーン・コネリーへアプローチしたが、当時80代で、最後の映画出演から10年以上経過している彼がアクションシーンを演じるのは現実的でないとして廃案となり、その話を聞いたピアース・ブロスナンが名乗り出て彼がキャスティングされることになった。また、本作でアリスを演じたオルガ・キュリレンコは、「007/慰めの報酬(2008)」で演じたカミーユと同じく、かつて家族を殺された過去を持ち、その殺した男へ復讐するという設定がある。
まず冒頭のシークエンスだが、デヴェローの指示をメイソンが従わなかったという事実だけで、メイソンが悪かったという展開になっているが、どうも納得しづらい。本作の着地を考えると、この場面がどっちの主張も受け入れられる(あるいは受け入れられない)のは狙いかもしれないが、どうも中途半端。ここは人間としてはメイソンの方が正しいが、ベテランの経験からデヴェローの判断が結果的には正しかったという風な展開にしてほしかった。
そして、現代のシーンに移行して、デヴェローはかつての恋人を殺されて、その復讐に走るという感じになっていくのだが、シンプルな筋書きのはずなのにアリスを登場させたことで話がごちゃごちゃしている印象がある。登場人物同士を無理やり繋げた結果、行動原理の分からない人物が出てきてしまうのが要因だろう。
また、アクション映画ではあるが、印象に残るアクションシーンはあまり見られず。それから、ラストの黒幕ハンリーやロシアの女殺し屋アレクサをやっつけるところはあまりにもあっけない。伏線こそあったが、アリスのスコップ攻撃でアレクサが一撃でやられるのはもはや笑えてくる。最低でもここは映画的に盛り上がる見せ場を作るべきだったと思う。
会話シーンでも手持ちカメラを使うことで「ボーンシリーズ」っぽい雰囲気を出そうとしている箇所もあるが、その手法は決して一貫していない。原作小説はあるのだが、せっかくジェームズ・ボンドを演じてきたピアース・ブロスナンが主演なのに、それを生かすでもない中途半端な仕上がりになってしまった。
取り上げた作品の一覧はこちら
【予告編】
【配信関連】
<Amazon Prime Video>
言語
├オリジナル(英語/ロシア語)
<Amazon Prime Video>
言語
├日本語吹き替え
【ソフト関連】
<BD>
言語
├オリジナル(英語/ロシア語)
├日本語吹き替え
映像特典
├メイキング・オブ・「スパイ・レジェンド」
├帰ってきたスパイ
├ベオグラードでの撮影
├劇場予告編