小説ドラクエ10-19章(3) | カインの冒険日記

カインの冒険日記

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 次の朝。
 リリーネが目覚めたときには、すでにリリオルは起きていて、朝食の準備をしていた。リリーネに気付いて「おはよう。」と笑顔を見せた。
 リリーネはその笑顔にドキリとした。少女の目から見ても魅力を感じるほどに、リリオルは端整な顔立ちをしている。ベッドに伏せているときにはわからなかったが、リリーネよりもずっと長身で、小柄なイッショウよりもまたスラッと背が高い。とてもイッショウの娘とは思えないほど端麗な容姿。長い髪はサラッと美しく、昨日まで高熱で寝込んでいたとは思えないほど艶やかな白肌をしている。
「あら?」リリーネを見てリリオルが言う。「ちょっと顔が赤いみたい。私の熱がうつっちゃったのかしら?」
「あ。ううん。そうじゃないの。」リリオルが額に手を当てようとするのをバタバタと手を振って遮る。
「そう?だったらよかったわ。朝ごはん、できてるの。余り物で作ったから、そんなにいいものじゃないんだけど。」
 リリオルがそう言って差し出したのは、ナスビとレッドベリーの炒め物。昨日イッショウが狩ったナスビナーラがこれか、とリリーネはブルッと身震いをしたが、ひと口食べてみると、その酸味と甘みと苦みの絶妙な融合に舌を巻く。
「おいしい!!」と言ってあっという間に平らげるリリーネに「よかった、口に合って。」と笑顔を見せて喜んだ。
「そうそう。」リリオルは、話題を変えるように切り出す。「リリーネってエテーネの人なの?」
「あ!うん、そうなの。それで、リリオルさんが何か知ってるって聞いて。」と、リリーネ。
「ちょっと待ってね。」と言ってリリオルは机の引き出しを開き「これを拾ったの。」と1枚の筒状の紙を出す。「近くの浜辺で拾ったボトルレター。瓶の中に、この手紙が入ってたの。」
 リリーネは、その筒状の手紙を受け取って、広げて読んだ。「これって、ラブレターなのかな。このエテーネの村で一番幸せなカップルになろうねって書いてある。」
「きっとそうね。どこにあるかはわからないけど、ボトルが流れ着くぐらいだもの。きっと近くにあるんだと思うわ。」リリオルは笑顔で言う。「ねえ、それまでうちで一緒に暮らしましょうよ。ここで暮らしながら、そのエテーネの村を探すといいわ。」
「おいおい、リリオル。」話に割って入ったのはイッショウ。「こんな宿なしを住まわせてやるこたぁねえだろ。」
「そんなこと言わずに。ね、お父さん。」
 リリオルの笑顔に「しょうがねぇ。」とイッショウは簡単に折れた。
「ありがとう!リリオルさん!イッショウさん!」とリリーネは喜んで順に頭を下げる。
「だって、私の命の恩人なんだもの。これぐらいはさせてほしいの。ね、いいでしょ、お父さん。」
「ま、納得はいかねぇが。」というイッショウの顔はすでに納得している。「だが、住む家が決まれば、もう宿なしじゃねぇな。よし、お前は今からイソーローだ。」と、イッショウはリリーネをバシッと指差して言った。





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目次
序章:誕生【1】【2】
1章:エテーネの民【1】【2】
2章:旅立ち【1】【2】
3章:ランガーオの戦士【1】【2】【3】
4章:ジュレット【1】【2】
5章:グロリスの雫【1】【2】
6章:赤のエンブレム【1】【2】【3】
7章:港町【1】
8章:嘆きの妖剣士【1】【2】
9章:風の町アズラン【1】【2】
10章:世界樹の約束【1】
11章:ガラクタの城【1】【2】
12章:五人目の男【1】
13章:団長の策謀【1】【2】【3】【4】
14章:娯楽の島【1】【2】【3】【4】【5】【6】【7】
15章:三つの願い【1】【2】【3】【4】【5】【6】【7】【8】【9】【10】
16章:太陽の石【1】【2】【3】【4】【5】【6】【7】【8】【9】【10】【11】【12】【13】
17章:白き者【1】【2】【3】【4】【5】【6】【7】【8】【9】【10】【11】
18章:恵みの歌【1】【2】【3】【4】【5】【6】【7】【8】【9】【10】【11】【12】【13】
19章:錬金術師【1】【2】【3】【4】【5】【6】【7】【8】【9】【10】【11】【12】
20章:時渡りの術者【1】【2】【3】【4】
21章:ふたつ目の太陽【1】【2】【3】【4】【5】【6】【7】【8】【9】【10】【11】【12】
22章:冥府【1】【2】【3】【4】【5】【6】【7】【8】【9】【10】【11】【12】【13】
終章:レンダーシアヘ【1】【2】



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