小説ドラクエ10-17章(10) | カインの冒険日記

カインの冒険日記

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 パルポスたちは、カミハルムイへと戻った。
「よく来た。」と、ニコロイ王が迎えた。「む?ザーンバルフはどうしたのだ?」
「はい。傷が深く、まだ回復していないので、宿に寝かせてあります。」パルポスが頭を下げて言った。
「そうか・・・。すまなかった。これもわしの愚行の結果なのだと思うと、わしはそなたたちにどうやって償えばよいのか・・・。」ニコロイ王は苦しそうな表情で言う。「もし、わしやこの国でできることがあれば、なんでも協力させてくれ。」
「ありがとうございます、王様。」頭を下げるパルポスも、ニコロイと同じように苦しそうな表情だった。
「しかし、今回のことに、礼を言わせてくれ。ありがとう。感謝する。」王はそう言い、コトル大臣を呼んだ。「あれを持て。」
 コトル大臣が持ってきたのは、サクラ色の勲章。パルポスは、それを受け取り、また一礼した。
「このキーエンブレムを持つ者には、この王都のすべての物を無料にすると伝えてある。必要なものは、すべて整えてもらって構わない。いや、ぜひそうしてくれ。」
 礼を言って、王の間を出ようとして、キサラギがふと振り返って聞いた。
「王様。王様はどうして捨てられた城の調査をしようとお思いになりましたの?」
「うむ。実は、5年前の妃の死が、50年前の事件と関係があるかもしれんという話を聞いたのだ。結局、それはハッキリしなかったが、怪蟲の魔瘴のチカラがわしの妻にも及んだのかもしれん、と今でも思えるのだ。」
「でも、そのようなことを誰が?」と、パルポス。
「あれは確か、旅の歌舞伎芸人だったか。白化粧と隈どりで素顔は見ておらんのだが、なぜ旅の者がそのようなことを知っておったのか、今思えば不思議なものだ。」
「そ、その者の名前は、まさか・・・」
「なんと言ったか・・・そう!ピュージュと名乗っておった。」





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目次
序章:誕生【1】【2】
1章:エテーネの民【1】【2】
2章:旅立ち【1】【2】
3章:ランガーオの戦士【1】【2】【3】
4章:ジュレット【1】【2】
5章:グロリスの雫【1】【2】
6章:赤のエンブレム【1】【2】【3】
7章:港町【1】
8章:嘆きの妖剣士【1】【2】
9章:風の町アズラン【1】【2】
10章:世界樹の約束【1】
11章:ガラクタの城【1】【2】
12章:五人目の男【1】
13章:団長の策謀【1】【2】【3】【4】
14章:娯楽の島【1】【2】【3】【4】【5】【6】【7】
15章:三つの願い【1】【2】【3】【4】【5】【6】【7】【8】【9】【10】
16章:太陽の石【1】【2】【3】【4】【5】【6】【7】【8】【9】【10】【11】【12】【13】
17章:白き者【1】【2】【3】【4】【5】【6】【7】【8】【9】【10】【11】
18章:恵みの歌【1】【2】【3】【4】【5】【6】【7】【8】【9】【10】【11】【12】【13】
19章:錬金術師【1】【2】【3】【4】【5】【6】【7】【8】【9】【10】【11】【12】
20章:時渡りの術者【1】【2】【3】【4】
21章:ふたつ目の太陽【1】【2】【3】【4】【5】【6】【7】【8】【9】【10】【11】【12】
22章:冥府【1】【2】【3】【4】【5】【6】【7】【8】【9】【10】【11】【12】【13】
終章:レンダーシアヘ【1】【2】




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