小説ドラクエ10-4章(2) | カインの冒険日記

カインの冒険日記

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 猫島の猫がみな好戦的というわけではなかった。子猫を届けに来たことを感謝する者もいた。
 島の入り口で、ミュベスという猫魔道に聞いたところによると、この島の主キャット・マンマーの子供のジュニアが行方不明で、マンマーはたいそう心を痛めているということだった。そして、今アディールが抱えている子猫こそが、ジュニアであるに違いないと、ミュベスは言った。
 一方で、ウェディに対して好戦的な猫の一部に、執拗にジュニアを狙ってくる者たちがいた。
「おい!オレたちはジュニアを返しに来てやったんだぞ!」ヒューザが怒鳴るのも聞かず、アディールが抱いているジュニアばかりに襲い掛かる。
「ヒューザ!こいつら変だ!僕たちを狙ってるわけじゃない!子猫を狙っている!」
「くそ!いったん二手に別れるぞ!オレが注意を引くから、おまえは猫とチビを連れて先に行け!」
「わかった!巣で会おう!」
 走り行くアディールをなおも追おうとするベンガルクーンとプリズニャンの前に、ヒューザが立ちはだかる。
「おっと。おまえらの相手はオレだ。竜退治のための技だが、おまえにくれてやるよ。ドラゴンスラッシュ!」
 にゃああ、という断末魔を上げながら、ベンガルクーンが倒れた。ヒューザはプリズニャンのほうに向き直った。ところが、プリズニャンはヒューザのほうを見ていない。視線の先に、ソーミャを捉えていた。
「おいチビ!おまえなんでアディールについて行ってねえ!?」
「あ、あ・・・」ソーミャは尻餅をついたままか細い声を上げるばかりだった。
 プリズニャンが脅えるソーミャに飛びかかった。
「ソーミャ!」ヒューザが両者の間に割って入る。ザクン、という音がして、プリズニャンが横たわったまま砂の上を滑って行き、ボチャンと海に落ちた。
「バカ野郎!」ソーミャに向かって怒鳴った。
「ご、ごめんなさい。ありがとう。」
「ふん。礼はいらん。」
「名前で呼んでくれてありがとう。」
「・・・ふん。」プイッと顔を逸らせた。
「あ、ヒューザ兄ちゃん、腕から血が出てる。さっき助けてくれたときに・・・」
「慣れ慣れしく呼ぶな。それに大した傷じゃねえ。気にするな。」
「えへへ。ヒューザ兄ちゃん、いいヒトなんだね。」
「バカ野郎。何言ってやがる。」
「傷を見せて。ちょっと待ってね。」ソーミャが全身にぐっと力を入れて絞り出すような声で呪文を唱えた。「ホイミ!」ヒューザの腕の出血が止まり、傷が塞がっていった。
「おまえ、僧侶だったのか?」
「ううん。」ソーミャは首を横に振った。「でもちょっとだけ呪文のお勉強をしたの。」そう言いながら、フラッとよろめいた。
「おい、大丈夫か!?」慌ててヒューザが腕で受け止める。
「うん。大丈夫。ちょっと目眩がしただけ。私、僧侶の修行をしたわけじゃないから。難しい呪文を唱えるときはギセイが必要なんだ。」
「・・・バカ野郎。もう使うんじゃねえ。」
「でも。」
「オレはもう傷を負わん。だから、おまえはもう呪文を使うな。」
「優しいんだね、ヒューザ兄ちゃん。」
「ふん。」


 いつの間にかはぐれたと思っていたソーミャが、ヒューザと一緒にやってきたので、アディールはほっと一安心した。3人と1匹は巨猫の巣の扉を開く。
 中から声が聞こえてきた。
「キャット・リベリオよ。まだジュニアは見つからぬのかえ。」巨大な雌の猫。この島の主、キャット・マンマーなのだとすぐにわかった。マンマーは手に持ったネズミ型のパイプから煙を出している。
「申し訳ありませんニャ。」リベリオと呼ばれた巨猫が頭を下げた。右目に眼帯を巻き、巨大な体に見合った長刀を背中にかついでいる。
 状況はすぐに飲み込めた。ジュニアを見失ったキャット・マンマーが、部下のリベリオに捜索を任せていた、というところだろう。決してジュニアを捨てたわけではないことがわかり、安心したソーミャがジュニアを抱いて「あの。」と進み出た。
「誰ニャ?」キャット・リベリオが振り返った。
「おお!ジュニアではないか!よくぞ帰ってきてくれた。」巨猫の主マンマーがアディールたちに目を向けた。「そなたたちが連れてきてくれたのだな?」
「な、なぜ生きているのニャ!」突然リベリオが叫んだ。そして、ハッとしたように口元を手で覆った。
「どういうことかえ、リベリオ?」マンマーが険しい目つきでリベリオを睨んだ。
「こ、これは、その、マンマー様・・・なにかの間違いニャ。いや、間違ってないのニャ。無事でよかったのニャ。」狼狽したリベリオは、何を言っているのかわからない。
「そういうことかい。」ヒューザがリベリオを指差す。「こいつはな、そのジュニアを殺そうとしてたんだ。」
「ニャ、ニャにを根拠に!」
「島にいたおまえの部下を締め上げたら吐いたんだよ。」
「く、くそー!あいつら!」
「というのはウソだけどな。シッポを出しやがったな、ブタネコ!」
「なに!騙したニャ!ぐぬぬぬ。ジュニアを葬り、気落ちしたマンマー様を葬れば次のボスは俺様なのニャ。邪魔するニャ!」
「リベリオ。そなたはなんということを!」マンマーが怒号を上げた。
「マンマー様・・・仕方ないニャ。こうなったら、この場でまとめて始末してくれるニャ。お前たち!」リベリオが手を振り上げると、猫魔道とプリズニャンがリベリオに並んだ。
「なんじゃと!?わらわの周りにこんなにも裏切り者がいたとは。」
「そんなこともわからず、ジュニアジュニアと。おめでたいのニャ。まずはバンダナ、お前から始末してやるニャ!」リベリオはヒューザに向けて鞘から力強く刀を引き抜いた。刀の風圧が、風の刃を作った。
 ヒューザは素早く大剣を構えたが、しかし、風の刃が向かったのはジュニアの方だった。一瞬の後、風に貫かれたジュニアの体が跳ね上がり、そして地面に落ちた。ジュニアはパクパクと口を開けたが、もう鳴き声を上げることもできなかった。
「ジュニア!」「ジュニアちゃん!」マンマーとソーミャが同時に叫んだ。
「おっと、そっちに行ったかニャ。抜刀太刀風、今ひとつ狙いが定まらないのだが、どうせ殺すつもりだったのニャ。好都合ニャ。」口元がニヤリとつり上がり、独眼がギラリと光る。
「リベリオっ!おまえは自分のしたことがわかっているのかっ!!」アディールは思わず叫んでいた。
「今度はお前かニャ?」リベリオがアディールにギラリと眼光を向けた。
「ソーミャがどんなにジュニアのことを想っていたか、おまえにわかるか!!」アディールはソーミャをチラリと見た。焦点が定まらない目、蒼白な顔でジュニアの前に膝をついていた。
 ソーミャが、街人に隠れて、危険を顧みず街の外でジュニアをかくまっていたことをアディールは知っている。アディールがはじめてソーミャと会ったとき、ソーミャは必死に子猫を守ろうとした。ソーミャは、自分が母親であるかのようにジュニアを大切にしていた。それを知っているアディールは、この独眼の悪描を決して許すことはできない。
 アディールは無言のまま素早くリベリオの懐に踏み込み、右のわき腹を斬り上げた。手応えがあった。ニャギャ、と苦しい声を上げながら、リベリオが懐のアディールに長刀を振り下ろす。しかし、その刀の長さを活かせない接近戦。アディールは簡単にかいくぐり、素早く背後に回り、今度は背中を斬り下ろす。リベリオはまたうめき声を上げたが、すぐに腰を回転させ、拳の裏でアディールを殴ろうとした。アディールは、それよりも速い動きで後ろにステップしてリベリオの間合いの外まで離れる。
「ぐぐ!すばしっこい奴ニャ!しかし、この距離ならこっちのほうが有利ニャ!これがかわせるかニャ!抜刀さみだれ斬り!」
 リベリオは素早く長刀を振り回し、アディールに何度も斬りかかった。しかし、斬られたわき腹のせいで、力がうまく入らない。すべての刀撃が、アディールの盾に防がれてしまう。アディールはさみだれの斬り終わりを狙ってまた懐に飛び込み、横薙ぎにシーブスナイフを振り抜き、そしてまた間合いの外に下がった。
「ニャ!なんだニャ!眠いニャ!寝ちゃダメだニャ!でも眠いニャ!」
「今のはスリープダガー。そして、これがトドメのヒュプノスハント。」冷たく言って、アディールは短剣を振り下ろした。致命傷だった。リベリオはもう立ち上がらなかった。
 アディールがハッとしてヒューザの方に目を向けた。ヒューザの前には猫魔道とプリズニャンが転がっていた。向こうもちょうど敵を振り払ったようだった。しかし、気になるのはむしろヒューザよりもソーミャ。周りのことが何も見えないかのように、ただただ動かないジュニアだけを見ている。
「大丈夫だからね、ジュニアちゃん。今助けるからね。」ソーミャが言うのが聞こえた。アディールにはその言葉が意味することを理解できてはいなかった。だから、ジュニアを失ったショックでソーミャが混乱しているのだと思った。その言葉が混乱から発するものでないことがわかったのは、ヒューザが「やめろソーミャ!」と叫んだときだった。
「その猫はもう助からない!だからやめるんだ!」ヒューザの声は怒鳴るとも叫ぶともつかないものだった。こんなに取り乱したヒューザは見たことがない。「ホイミのギセイとはわけが違うんだ!」
「神様、私の両手を捧げます。だから、ジュニアちゃんを助けて。ザオ!」
 ソーミャがそう言うと、優しい光がジュニアを包んだ。ぴくり、と子猫の前足が動く。ずっと閉じたままだった目が開く。みゃあ、と声を上げた。「よかった。」と、ソーミャが笑った。
「ソーミャ!」ヒューザがそこに駆け寄った。「手は!手はどうなった!?動くのか!?」ヒューザの顔は、ソーミャとは違って悲痛な形相をしている。
「ヒューザ兄ちゃん。う・・・ん、はは、動かないや。」ソーミャの両腕は力なくだらりとぶら下がっていた。それでもソーミャは笑顔だった。
「バカ野郎!」ヒューザは両手でソーミャの肩を掴んだ。そしてぐっと自分の方に引き寄せ、その小さな体を両腕で包んだ。「バカ野郎。・・・バカ野郎・・・」
 アディールは、最も涙と縁遠そうな男の涙を見た。胸が締め付けられる思いだった。
「すまぬ。」と、キャット・マンマーが歩み寄って頭を下げた。「わらわの馬鹿な部下のせいで。ジュニアを連れてきてくれたというのに、なんと謝ればよいのか・・・」
「謝らないで。」しかしソーミャは笑顔だった。「私嬉しいんだよ。ジュニアちゃんと一緒にいれて。私も親がいなくて、ジュニアちゃんを見つけたときにこの子も親に捨てられたんだと思った。だから私がジュニアちゃんの親代わりになるんだって思って、そしたら両手がなくなるぐらい何ともないって思った。でも、本当のお母さんがいるってわかって、お母さんもジュニアちゃんのことが大事だったってわかって、私嬉しいんだよ。」
「恥じ入るばかりじゃ。そなたのほうがジュニアの本当の母親のようじゃ。何を置いてもわらわが自分でジュニアを探しに行くべきじゃった。そなた、ここで一緒に暮らさぬか?ジュニアもそのほうが喜ぶと思うのじゃ。」
「ううん。」ソーミャは首を振った。「私帰るよ。そして、ヒューザ兄ちゃんみたいに強くなったら、今度はひとりで来るの。大きくなったジュニアちゃんに会いに来るの。」
「しかし、そなたの手はもう・・・」
「そうじゃないの。心が強くならなきゃって思ったの。私の親は私を捨てたんだとずっと思ってた。だから両親のことを思い出すのが嫌だったの。でも、今、子供を捨てる親なんていないんだって思った。だから、私も本当の親を探さなきゃなの。そしたら、またジュニアちゃんに会いに来る。」
「わかったぞえ。そなたが来るのを待っている。それから、後ろのふたり。」
 アディールとヒューザがびくりとした。
「このたびはいろいろな迷惑をかけた。巨猫族は代々ウェディと共存することを望んでおる。わらわもそうでありたいと願っておる。もちろん、今度ジュレットの人々を脅かすようなことは決してせぬように、わらわが責任を持つ。そして、縁あれば、今度はわらわのほうが強力させていただきたい。」
 みゃあみゃあ。ジュニアもその言葉に賛同するような声を上げた。


「そうだったか。ありがとう、これで街の者も安心できる。」町長の家に戻ると、ボーレンは安心した様子だった。そして「これはキーエンブレムと言ってな、この街の信頼の証だ。受け取ってくれ。」と言って青い勲章をアディールに差し出した。
 はじめて来たとき、アディールはこの街の信頼を得ようと思っていた。そのほうが、他の町に行ったときにも、信用されやすいと思ったからだった。しかし、今、その信頼の証を差し出されているのに、アディールはそれを喜んで受け取ることができない。アディールは「あの」と切り出した。「ソーミャのことなのですが。」
「わかっている。」ボーレンは頷いた。「ソーミャは教会で預かることにしたよ。本来ならあの子にもエンブレムをあげるべきところだ。この街のために両腕を失ったようなものだ。私たちは全力であの子を支えていこうと思う。」
「それを聞いて安心しました。」アディールは胸を撫で下ろした。
「だからこれを受け取ってくれ、アディール君。」今度は受け取った。「これから君はどうするのかね?」
「仲間を集めようと思います。」
「ほう。そうかそうか。ヒューザ君とは別の旅のようだし、ひとり旅はなにかと不便だろう。街の酒場に行ってみなさい。冒険者たちが集まっているよ。」
「ありがとう、町長さん。」アディールは一礼してから、ボーレンの家を離れた。


 アディールは酒場に行く前に教会に立ち寄った。ソーミャに会うために来たのだが、教会の前にはヒューザが立っていた。
「ヒューザ?」
「よう、アディール。」
「どうしたんだ、こんなところで?」
「オレはこの街に残ろうと思う。」
 そうヒューザが言ったときに、教会からソーミャが小走りで出てきた。
「ヒューザ兄ちゃん!」手でバランスが取れなくて、階段につまずいたりしている。
「おい、気をつけろよ。転んだら起き上がれねーだろが。」ヒューザはぶっきらぼうに言い、アディールに顔を向けて「あいつには手が必要だ。」と、目でソーミャを指した。
 アディールはソーミャに寄った。膝をついて、両手でソーミャの肩を軽く二度叩く。「また会いにくるよ。」
「うん。ありがとう、アディールお兄ちゃん。」と笑顔で頷き、ソーミャはまた教会の中に戻った。ヒューザもそれについて教会に入ろうとし、振り向いて右手の人差し指と中指を立てて自分の額に当てる。
「じゃあな。」2本の指をアディールのほうに下ろしながら言った。
 アディールも同じように、2本指で手を振った。


 酒場に入ったアディールは、カウンターで発泡酒を受け取り、空いている丸テーブルの椅子に腰を下ろした。グラスに口をつけ、半分ほど喉の奥に注ぎ込む。周りを見ると、冒険者たちで賑わっている。エルフもいればプクリポもいる。戦士もいれば魔法使いもいる。多種族混合の街ジュレットの中でも、最も混合度の高い場所である。ウェディの街なのに、ウェディよりもオーガの人数のほうが多いようにさえ見えた。奥のカウンターには長蛇の列ができていて、カウンターの中の係員が忙しなく動いている。冒険者紹介所のようだった。長い行列の後ろに並ぶのも億劫だと思い、列が短くなるのを待ちながら、グラスの残り半分にちびちびと口をつける。どんな仲間がいいだろう、とアディールは想像する。旅芸人であるアディールは、少しは戦えるし少しは魔法が使える。少しは回復できるし少しは芸ができる。これといって埋める穴がない半面、際立った強みもない。ヒューザのような戦士と組めば戦いが楽になるだろうし、小回りの利く盗賊などと組めば長い旅にも耐えられるだろう。
 気が付けば、グラスが空になっていた。もう一杯頼むつもりで、席を立とうとしたとき、ドン、と別のグラスがアディールの前に置かれた。
「あんた、ひとりかい?」体躯の良いオーガだった。ワインで染めたように赤い頭髪がアディールの目を引いた。
「そうだけど、これは?」アディールは、オーガが置いたグラスを軽く掴んで言った。
「グレンビール。俺のおごりだ。」オーガの目は、炎のように赤かった。
「え?でも。」アディールが困惑気味に言うと、赤目赤髪のオーガはそれを手で制して「まあ聞いてくれよ。」と、アディールの横の椅子に座った。
 オーガはアディールの目を見て言った。
「俺はザーンバルフ。オーグリードから来た。」



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目次
序章:誕生【1】【2】
1章:エテーネの民【1】【2】
2章:旅立ち【1】【2】
3章:ランガーオの戦士【1】【2】【3】
4章:ジュレット【1】【2】
5章:グロリスの雫【1】【2】
6章:赤のエンブレム【1】【2】【3】
7章:港町【1】
8章:嘆きの妖剣士【1】【2】
9章:風の町アズラン【1】【2】
10章:世界樹の約束【1】
11章:ガラクタの城【1】【2】
12章:五人目の男【1】
13章:団長の策謀【1】【2】【3】【4】
14章:娯楽の島【1】【2】【3】【4】【5】【6】【7】
15章:三つの願い【1】【2】【3】【4】【5】【6】【7】【8】【9】【10】
16章:太陽の石【1】【2】【3】【4】【5】【6】【7】【8】【9】【10】【11】【12】【13】
17章:白き者【1】【2】【3】【4】【5】【6】【7】【8】【9】【10】【11】
18章:恵みの歌【1】【2】【3】【4】【5】【6】【7】【8】【9】【10】【11】【12】【13】
19章:錬金術師【1】【2】【3】【4】【5】【6】【7】【8】【9】【10】【11】【12】
20章:時渡りの術者【1】【2】【3】【4】
21章:ふたつ目の太陽【1】【2】【3】【4】【5】【6】【7】【8】【9】【10】【11】【12】
22章:冥府【1】【2】【3】【4】【5】【6】【7】【8】【9】【10】【11】【12】【13】
終章:レンダーシアヘ【1】【2】



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