カインの冒険日記 -63ページ目

カインの冒険日記

ページをめくれば、そこには物語がある。

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 互いに決め手を欠く戦いの中で、睨み合いが続いた。そんな中で。
「ベリアル殿。」と小声でガラトア。
「どうした?参謀。」と低音のベリアルの声。
「何故戦況がこう着するのかおわかりですかな?」
「なに?何が言いたいのだ?」
「もし相手の行動が一手前にわかればどうですかな?」
「相手の行動が先んじてわかるというのか!?」
「いえ、わかるのではありません。こちらがそうさせるのです。」
「というと?」
「あのキサラギという僧侶。非常に理に叶った動きをしている。」
「そうよ。だからわしらはその回復術を前に突破できずにいる。」
「しかし、理に叶っているということこそが、まさに行動を読みやすく、そしてこちらの思う通りの行動をさせやすくなるのです。」
「それは・・・そうかもしれんが、しかしどうやって行動を特定する?」
「ベリアル殿にはまだ奥の手、ヘルファイアがありますな。」
「うむ。しかし、ヘルファイアはブレス攻撃。おそらく、あの僧侶の小娘のフバーハによって抑え込まれてしまうことだろう。」
「そうです。では、そのときには小娘にはフバーハができないようにしておけばよいのです。今から私がマホトーンをかけます。」
「しかし、さっきから見ていると、あの小娘にはマホトーンが効かないのではないか?」
「そのとおりです。どうやら、呪文の封印から身を守るように錬金された服を着ているようですね。しかし、私がマホトーンをするのは小娘ではありません。それとは逆、いま私たちの背後に位置するあの長身の男。パルポスのほうです。」
「しかし、それではフバーハを使わせないことにはならんのではないか?」
「いえ。もし、パルポスの呪文が封じられたとしたら、あの小娘はいったいどう動くと思いますか?」
「それは・・・わかったぞ!パルポスにマホリーをするということだな!封じられた呪文を戻さなければ、パルポスのマホカンタが使えないことになる。マホカンタを失えば、お前のメラガイアーの餌食になる!」
「と、奴らは考えるでしょう。しかし、そう思って泡を食ってマホリーを唱えたところで、実際に来るのはメラガイアーではなく」
「ヘルファイアというわけか。」グフフ、とベリアルは笑った。

 かくして、ガラトアの手筈どおりの結果となり、アディールたちは一同地獄の炎ヘルファイアに身を焼かれる。そして、それと連結するように、ガラトアのメラガイアーがキサラギを襲った。
「キ・・・キサラギさ・・・マホカン・・・」
「遅い!」ガラトアがパルポスを渇すると同時に、キサラギが燃え上がる。叫び声も聞こえないほどに。
「キサラギ!!」自分もヘルファイアに焦がされた体で、キサラギのもとへと走り寄るアディール。「大丈夫だ。まだ息がある。」と、急いでベホイミを唱えるアディールの隣りに、ドドルも走り込んで来てホイミを唱える。
「あり・・・がとう。」とやっと立ち上がるキサラギ。「でも、今の攻撃・・・こちらの行動が読まれていましたわね・・・」
「そのとおり。」と低音の声を発するのは巨体のベリアル。「だが、それがわかったとしても、どうすることもできまい。マホリーの代わりにフバーハを使ったところで、今度はメラガイアーを防ぐことはできんのだからな。」
 確かに。アディールはまた考えを巡らせる。この戦いの中で、向こう側はひとつの戦法を見出してしまった。でも、僕たちはまだ向こうの穴を見つけてはいない。しかし・・・もう一度同じことをさせるわけにはいかない。
「アディール・・・おいら・・・」ドドルがアディールに視線を向ける。
「わかったよ、ドドル。やらないよりはいい。」




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目次
序章:誕生【1】【2】
1章:エテーネの民【1】【2】
2章:旅立ち【1】【2】
3章:ランガーオの戦士【1】【2】【3】
4章:ジュレット【1】【2】
5章:グロリスの雫【1】【2】
6章:赤のエンブレム【1】【2】【3】
7章:港町【1】
8章:嘆きの妖剣士【1】【2】
9章:風の町アズラン【1】【2】
10章:世界樹の約束【1】
11章:ガラクタの城【1】【2】
12章:五人目の男【1】
13章:団長の策謀【1】【2】【3】【4】
14章:娯楽の島【1】【2】【3】【4】【5】【6】【7】
15章:三つの願い【1】【2】【3】【4】【5】【6】【7】【8】【9】【10】
16章:太陽の石【1】【2】【3】【4】【5】【6】【7】【8】【9】【10】【11】【12】【13】
17章:白き者【1】【2】【3】【4】【5】【6】【7】【8】【9】【10】【11】
18章:恵みの歌【1】【2】【3】【4】【5】【6】【7】【8】【9】【10】【11】【12】【13】
19章:錬金術師【1】【2】【3】【4】【5】【6】【7】【8】【9】【10】【11】【12】
20章:時渡りの術者【1】【2】【3】【4】
21章:ふたつ目の太陽【1】【2】【3】【4】【5】【6】【7】【8】【9】【10】【11】【12】
22章:冥府【1】【2】【3】【4】【5】【6】【7】【8】【9】【10】【11】【12】【13】
終章:レンダーシアヘ【1】【2】




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