忌野清志郎は、女性アーチストとのコラボレーションって、あまり多くない印象がありますが、さすがKING OF ROCK、ライブでの共演は意外とありますね。

 

ラプソディー」などでも共演しているお馴染みの日本のジャニスジョプリンにて盟友、金子マリさん、2000年代に野音をはじめ色んなライブで一緒にやっていたLeyonaさん、小室哲哉の手を離れ途方に暮れてたところでタッグを組んだ篠原涼子さん、他にもCHARAさんやロリータ18号もいましたね。

 

しかし、清志郎とのコラボレーションで、圧倒的な存在感を示した女性アーティストと言えば、この方以外には考えられません、そうです、矢野顕子さん、アッコちゃんです!

 

矢野顕子さんと清志郎といえば、矢野さん作詞作曲の「ひとつだけ」の共演がとても印象深いです。なんででしょう、聞くとウルウルしてしまいます。。素晴らしい共演です。

 

 

 

この名曲「ひとつだけ」、もともとは1980年に発売された矢野さんのアルバム「ごはんが出来たよ」に収録されているのですが、1982年5月5日、ビックリハウス主宰「糸井重里プレゼンツ ヘンタイよいこ白昼堂々秘密の大集会」と題するライブ・イベントで「へんたいよい子バンド」(忌野清志郎、仲井戸麗市、坂本龍一、矢野顕子、どんべ、鈴木さえ子)がライブを行い、清志郎が「ひとつだけ」を歌ったのが、清志郎と矢野顕子と「ひとつだけ」の事のなれそめでした。

 

 

 

その後、2000年代に入り、歴史的な名演が続きます。これらによって、「ひとつだけ」における共演は、矢野さんと清志郎二人の代表作にして最高傑作として知られるようになります。2002年7月27日フジロックフェスティバル、同じく2002年8月16日ライジングサンロックフェスティバル、2006年2月25日新ナニワサリバンショーでの各共演が代表的かな。私は特にフジロックのものが好きですね。

 

 

フジロック版

 

ライジングサン版

 

 

新ナニワサリバンショー版

 

 

 

そして、2006年には矢野顕子さんのセルフカバーアルバム「はじめてのやのあきこ」で、矢野さんと清志郎による演奏が初めてレコーディングされました。このテイクは、その後2013年に発売されたアルバム「矢野顕子 忌野清志郎を歌う」にも収録されています。

 

 

 

そして、2012年にはこのデュエットにインスパイアされて製作された映画「しあわせのパン」(原田知世、大泉洋主演)が公開されています。

 

 

詩を紹介します。

 

「ひとつだけ」

作詞・作曲 矢野顕子

 

欲しいものはたくさんあるの

きらめく星くずの指輪

世界中の花 集めつくる

オーデコロン

寄せる波で組み立てた椅子

 

けれども今気がついたこと

とっても大切なこと

欲しいものはただひとつだけ

あなたの心の 白い ひらく錠

 

離れている時でも わたしのこと

忘れないでいてほしいの

ねぇおねがい

 

すぐに呼びだしてほしいの

悲しい気分の時も

わたしのこと

ねぇおねがい

 

 

楽しいことはほかにもある

満月の下のパーティー

テニスコートを駆けまわる

選びぬいたもの

集めつくる 中華料理

 

けれども今気がついたこと

とっても大切なこと

一番楽しいことはあなたの口から

あなたの夢きくこと oh...

 

離れている時でもわたしの こと

忘れないでいてほしいの

ねぇ おねがい

 

La la la... la la la... 

ねぇ おねがい ねえ おねがい

 

 

なんて愛情深い言葉が綴られている詩じゃないでしょうか。それを清志郎のハイトーンと矢野顕子さんの愛情あふれるボーカルが、優しく詩を包み込んで聞くものに届けてくれる、そんな感じです。また、矢野さんのピアノ、清志郎のハープがいいんですよ。ホント、感動するし、勇気づけられますね。まるで、この二人で歌うことを前提にして生まれてきた曲のように思います。

以上です。

 

 

PS このブログを書いている最中、坂本龍一さんの訃報を聞きました。

心からご冥福をお祈りいたします