『君はオーティスを聴いたか』



2005年の秋、清志郎はNHKの番組でアメリカを旅し、オーティスの足跡をたどります。そしてメンフィスで、スティーブ・クロッパー(MG’Sのギタリスト)と彼のスタジオでオーティスに捧げる曲『オーティスが教えてくれた』を作り上げます。


この曲は、清志郎最後のオリジナルアルバム「夢助」に収録されます。


何となく、この時は既にインタビュー時の声や歌声に変調が現れているようにも感じます。



Booker T & The MG’Sと

Japan Tour



メンフィスでBooker.T & THE MG'S とレコーディングしたアルバム『Memphis』は商業的にも大成功、MG’Sを招聘し、

 “忌野清志郎 with Booker.T & THE MG'S TOUR 1992”を行いました。



このときの武道館公演を収録したアルバム『HAV E MERCY!』もリリース、

昨年2023年は、

『Memphis』とライヴ アルバム『HAVE MERCY!』が初アナログLP化され、その衰えない人気を証明しています。






We all love each other, right?



1967年サンフランシスコで開催された

モンタレー国際ポップフェスティバルの模様を、確か清志郎はNHKで見たと言ってました。


オーティスを語る上でとても重要なフェスティバルなのですが、オーティスのMC(上記英文)に字幕が入っていたそうです。それが、


愛し合ってるかい?


なんですよね。

この言葉、清志郎の代名詞になったと言っても良いと思います。





ガッタガッタ!



清志郎と言えば、ガッタガッタと、歌唱に入れ込むことが多いです。これはオーティス独特の歌唱なのですが、清志郎はとても早い時期から取り入れています。デビューシングルからずっとなんです。


RCサクセションのデビュー曲は、

「宝くじは買わない」です。この曲は詩にRCらしさを少しは感じさせてくれますが、RCの本質とは違う、かなり甘口の曲です。事務所(ホリプロ)の方針でしょう。


しかし、B面こそ、その本領が発揮されています。「どろだらけの海」です。



当時社会問題化していた海洋汚染のヘドロ公害問題がテーマとなっています。


この頃は既にGSなどでは歌詞に英語を入れることが多くなってたと思います。

例えばタイガースの


♪シーサイドバウンド ゴーバウンド


とか、


ブルーコメッツの


♪ブルーブルーブルーブルーブルー 

シャトー

とか。


但し、これらの曲のように簡単な英単語を並べるにとどまっていたと思います。

しかし、どろだらけの海では、


I won’t go to the muddy sea


と、しっかりしたSVOの不定詞を使った未来型短縮否定文というハイレベルな英文を取り入れて、メロディーに乗せています😅😅!


完全にデビュー曲にして洋楽テイストがずば抜けてますね!


話は前後してしまいましたが、この曲で既にガッタを取り入れています。オーティスの死後、わずか2年チョットの時期です。デビューの時からオーティスの影響を受けたソウル系ハードフォーク・バンドだったんですね。


清志郎は、「ガッタガッタ」でリズムをきざむこと、グルーブ感を出すこと、シャウトで魂を解放することをオーティスから吸収したようです。


ステージでのアクションも、オーティスの魂と一体になったかのような迫力がありますね。



Sing Soul Ballad



オーティスの名盤のタイトルです。

清志郎が旅立った後ですが、同じタイトルのコンピレーションアルバムが発売されています。選曲は清志郎本人が生前書き残していました。


↓↓↓↓本人の直筆です。




6/8バラード、コレが肝ですね。3/4のワルツではなく、6/8、これこそがソウルバラードの真髄だと思います。『スローバラード』『ヒッピーに捧ぐ』や『雪どけ』、『オーティスが教えてくれた』などなど、多くの6/8の傑作バラードを清志郎は作っています。勿論、オーティスの影響が大きいと思います。








モンタレーポップフェスティバル



とても嬉しいことに、3月に新作映画として上映されます!あの、オーティスが生涯唯一の全米No1を『Dog of The Bay』で獲得する直前に唯一の黒人ソウルシンガーとして出演し、大喝采の大成功を収めたフェスです。今から超、楽しみです!


このフェスへの出演が、アメリカにおけるオーティスの人気を不動のものにしました。当時恐らくオーティスのステージを見ることができた唯一のフィルムなんじゃないかな。清志郎もこれを見てきっと体に強烈な電流が走ったんじゃないかな。


そういう意味でも清志郎とオーティスの関係を語るうえでも大変重要なフィルムだと思います。





よくぞ愛し愛された!



ほんとに、清志郎のオーティス愛は相当なものだということが、こういう現象面からしっかりと伝わってきます。そして愛される方も愛する方も、よくぞ愛した、よくぞ愛された、と感慨にふけってしまいます。


他にもまだまだこういった事象は沢山あると思います。発見する度に、なんか、ニヤッとしちゃうんでしょうね、これからも。これも推し活の一つでしょうかね(笑)。

以上です。