清志郎ほど海外アーティストとのコラボレーションが多いロックスターはそう多くはないんじゃないかと思います。


それは勿論仕事絡みの企画なのですが、やはり清志郎本人の、そのアーティストに対するリスペクトの強さや熱量が人一倍あり、また清志郎本人の魅力を相手アーティストが十分理解出来るからこそ、企画も推進されていくという構図なんじゃないかな。


❶タワー・オブ・パワー



1970年デビューの重厚なホーンセクションで有名なファンク、R&Bのバンド。ヒューイ・ルイス&ザ・ニュースのバックバンドもやってました。


シングル・マン」のレコーディングに参加しています。ただ、クレジットはされていません。

RCサクセションが、所属事務所であるホリプロから移籍問題で干されている最中、ホリプロが知らない中で多賀英典氏プロデュース、星勝氏アレンジでレコーディングが進められました。経緯は詳しくないのですが、丁度来日している時に上手く引っ張り出されたようです。そんなこと、あるんですね、今だったらありえないような気がします⁈



❷チャック・ベリー



1982年横浜スタジアムで開かれたライブ「This is a day of R&B」でRCサクセションと共演しています。ライブアルバムも発売されていて、チャック・ベリーは「BIO」と「ジョニーBグッド」の2曲が収録されています。83年のRCの武道館では、チャボが ”ダックウォーク”を披露しています。なお、このライブにはサム&デイブのサム・ムーアも出演しています(後述)。



❸ジョニー・サンダース



ニューヨーク・ドールズや、ハートブレーカーズで活躍し、パンクロックに多大な影響を与えたロックンローラーです。

RCサクセション唯一オリコン1位を獲得したアルバムにて反原子力発電所を歌い東芝EMIから発売中止となった問題作「COVERS」のレコーディングに参加しています。「明日なき世界」と、「シークレット・エージェント・マン」の2曲ですが、アルバムの中でもエッジの効いた曲に仕上がっています。




❹トッパー・ヒードン



クラッシュのドラマーで、清志郎初のソロアルバムにしてロンドンでレコーディングされた「LAZOR SHARP」に参加しています。清志郎曰く、「そのドラムプレーはさすが、リズムがビシビシ立っている!」。来日して清志郎とライブを行う予定でしたが、クスリで問題で無理だったそうです。



❺イアン・デューリー&ザ・ブロック・ヘッズ



前述の「RAZOR SHARP」には、イアン・デューリーを除くブロックヘッズのメンバーが参加しています。そのアルバムを引っ提げてブロックヘッズメンバーと清志郎で日本ライブも行っていますし、そのライブ盤も発売されました。


イアン・デューリー&ザ・ブロック・ヘッズの日本公演時には、清志郎はRCメンバーのチャボとG2でゲスト出演しています。また、清志郎はイアン・デューリーとメンバーを自宅に招いたことがあるそうなのですが、なかなか大変だったみたいです😅。



❻スティーブ・クロッパー



オーティス・レディングのバックを務めていたブッカー・T&ザ・MG’sのギタリスト。MG’sとはメンフィスにて清志郎がRC活動停止後の初アルバムとなる「メンフィス」をレコーディング、スティーブ・クロッパーがプロデュースを行った。


その後MG’sとは日本でライブツアーを敢行したり、スティーブが清志郎デビュー30周年記念イベント「Respect!」に出演したり、清志郎の遺作でナッシュビルで録音された「夢助」のプロデュースを行ったり非常に長きに渡り深い関係にありました。

清志郎が旅立った後も、2012年武道館で行われた「忌野清志郎ロックンロールショー」にも出演しています。


因みにMG’sのスティーブと、ドナルド・ダック・ダンは、映画「ブルース・ブラザーズ」に出演しており,映画以降もブルース・ブラザーズ・バンドとしてライブを行っています。





❼サム・ムーア



サム&デイブとは、チャック・ベリーの項で書いた通り、1983年にRCとライブを行っています。また、2006年サム・ムーアが来日、ブルーノート東京でライブを行いましたが、その際療養中だった清志郎が飛び入り出演しています。

2013年武道館で行われた「忌野清志郎ロックンロールショー」にも出演しています。




いかがでしょうか?日本のロック系アーティストで、他にこれほど多くの海外アーティスト、しかも皆、その道の超一流の方々ばかり、とコラボしている人はそうはいないんじゃないかな?そういう意味でも清志郎は類稀な存在だと思います。それと、根底には飽くなきソウル,ブルース、ロックへの深い愛情があればこその結果なんじゃないかな。

以上てす。