文壇の清志郎ファンと言えば、なんと言っても

角田光代さんが有名です。




エッセー集「これからはあるくのだ」が有名だし、「忌野旅日記」巻末の寄稿文や、その他にも色んなところで角田さんの清志郎愛に接する機会がありました。最近だと、スージー鈴木さんの忌野清志郎講座にゲスト出演されてました。



ところで、自分の書いた小説の中に、RCサクセションを重要な役割で登場させている超有名な作家さんがおります。


重松清さんです


トンビ」や「流星ワゴン」はTVドラマ化もされているので、知ってる方も多いと思います。


3つの作品にRCが重要な役割で登場します。紹介しますと、



 ハレルヤ!」




今は中年となった学生時代にバンドを組んでいた仲間たちの再会の物語です。執筆された時期が2009年から 2011年にかけてだそうで、 どうしても震災について小説中で触れなければとの思いに駆られたとのことでした。 また、 アルバム「夢助」に収録されている「激しい雨」に予言性を感じるとも書かれていました。「清志郎のいる世界といない世界」、「人生のA面とB面」 など、清志郎に絡めてとても印象深い表現も多かったです。

 

 

「あの歌がきこえる」


章ごとのタイトルが私たちの世代にはグッとくる曲のタイトルが使われていて、本編の内容にも少しずつ曲との関係性が含まれています。

 

いつか街で会ったなら

さよなら

案山子

いなせなロコモーション

スターティングオーバー

トランジスタラジオ

 

などなど。

 

主人公の高校生シュウ君の青春物語で、そこに登場する人間たちとのかかわりを通して少しずつ大人に向かっていくという物語です。

物語はシュウ君が早稲田大学に進学し上京していくところで終わりますが、五木寛之さんの「青春の門筑豊編」を思い出しました。

 

何か、うまく言葉では言えない、青春のほろ苦さ

というか、モラトリアム時代特有の、まだ何者でもない者の特権の素晴らしさというか、

危うさというか、未来への期待というか、なんかそういったものを感じさせられる小説です。


「ビフォア・ラン」



重松清さんのデビュー作なのですが、何度もRCサクセションやその曲を引用する文章があります。

 

物語の舞台の年も「あの歌がきこえる」と同じで、主人公が高校三年生の1980です。但し「あの歌がきこえる」や「ハレルヤ!」より悲しく重たいストーリーでした。



これら3作品、重松清さんの

「清志郎3部作」と呼んでも過言ではないと思いますね。



以上です。