レベッカ、とても思い入れの強い、大、大好きなバンドです。


1985年の4月、マドンナの「マテリアル・ガール」にそっくりと言われながら、「Love is Cash」がスマッシュヒット、レベッカ、良いね!と言う空気が醸成され、高まる一方の期待の中、待望の4枚目にして初のフルアルバム「Maybe Tomorrow」が1985年11月発売されました。




今更言うまでもないのですが、ミリオンを獲得した80年代を代表する、大衆化された日本ロックの傑作中の傑作でした。


レベッカはシンセの土橋安騎夫を中心とした音楽性の高い本格派のロックバンドですが、何といっても稀有な女性ボーカリストNokkoの存在無くしては語れないでしょう。


小さい体にもかかわらずものすごくパワフルでパンチがあるのだけど女の子らしさのあるボーカルスタイルがとにかく魅力的でした。なんて言うんだろ、松田聖子っぽいけどテンション高い語頭、語尾のしゃくる感じ?声が裏返る感じ?とか、「ヘッヘッ、ウォーウォー」などのロックっぽい言葉の入れ方のカッコよさもありました。


そして、なんと言っても多くの共感を集めたのはその「歌詞」なんじゃないかな?


Nokkoの歌詞のイメージは、

都会の片隅に暮らしながらも、夢に向かって現状から這いあがろうとひたむきに生きている女性像

だと私は思います。


歌の主人公は、自分のことを野良猫に例えたりしてますが、その主人公とNokkoが一体化しているように思えて、そこが聞くものに強い説得力を持って伝わったんじゃないかな。


さて、「Maybe Tomorrow 」と同じ月に発売されたのがRCサクセションの「Heart Ace」です。


このアルバムは、PARCOのCMに使われた先行シングル「すべてはAlright(Ya Baby)」が含まれていますが、このCMの演出を巡って不信感をあらわにするメンバーが出たり、またバンドとしての方向性に不協和音が出始めた頃でした。成功したが故の反作用が顕在化しはじめたのかもしれません。


そのアルバムに収録されているが「僕とあの娘」です。この曲は3人時代のRCの曲ですがアルバム初収録でした。


『僕とあの娘』

作詞・作曲: 忌野清志郎


あの娘はズベ公で 

ぼくは身なし子さ 

とっても似合いの

ふたりじゃないか 


あの娘は悪者で 

ぼくは嘘つきさ 

とっても似合いの

ふたりじゃないか 


白い目で見られるのなんか 

もう慣れちまったよ

だから本気でだから本気で 

あたためあっているんだぜ 


あの娘は泣き虫で 

ぼくは弱虫さ 

とっても似合いの

ふたりじゃないか 


白い目で見られるのなんか 

もう慣れちまったよ 

だから本気でだから本気で 

あたためあっているんだぜ 


汚れた心しか あげられないと 

あの娘は泣いていた 

きれいじゃないか



ズベ公』って言葉、ヤンキー、いやいや、スケバンより更に古さを感じさせますが😅、

素行の悪い女の子の意ですよね。


この曲に出てくる『あの娘(こ)』にピッタリの『娘(むすめ)』が、レベッカの曲に登場します。



『Moon』

作詞:Nokko  作曲:土橋安騎夫


昔ママがまだ若くて 

小さなあたしを抱いてた 

月がもっと遠くにあった頃 

工場は黒い煙をはきだして 

町は激しくこの娘が

大きくなるのを祈ってた 


娘は13になって 

盗みの味覚えて 

黒いリストに名前を残した 

MOON あなたは知ってるの 

MOON あなたは何もかも 

初めて歩いた日のことも 



月曜日が嫌いと言って 

心のすべてを 

閉ざしてしまった娘は 

初めての恋におちた日 

想い出ひとつも持たずに

家を飛び出して 戻らなくなった 


こわしてしまうのは

一瞬でできるから 

大切に生きてと彼女は泣いた 

あなたは知ってるの 

MOON あなたは何もかも 

初めてキスした日のことも





これは、Nokko自身のことなのかどうかはわかりませんが、一連のNokkoの歌の主人公の女子が背負ってた背景ってここにあるような気がします。


そして、この2つの曲に登場する女性って、なんか、私の中ではとても重なるんです。レベッカへの想いの強さって、こういうところからもきてるような気がします。



清志郎も、「ガ・ガ・ガ・ガ・ガ」と言う曲では、オイルに汚れたツラで一日中働き、高速道路下をねぐらとする野良犬に自分を例えたりしていますが、この曲も根底は地べたを這いずりながらも夢を追い続けている若者像を歌ってるのだと思います。


ただ、清志郎は生まれてこの方、人に使われたことがないと公言していますので😅、曲の主人公は清志郎本人ではないと思われます😅。




そしてNokkoは、「スーパーガール」に成長します。「それなりってなんなのよ!」と、気を吐いていましたが、その後もソロ活動や結婚、出産、バンドの再開など大活躍を続けています。今も私と同じ静岡県民で、熱海市在住のようですね。





清志郎も、その後もずっと世間に抗い続けたり、家族を持ったり、パパの歌を歌ったり、Love&Peaceを叫んだり、無期限の長期出張に出かけてしまいましたが、私たちを今も楽しませ続けてくれています。

以上です。