竹中直人さんと言えば、コミカルな演技の中に、哀愁とか、理不尽な扱いに対する怒りを心の奥に押し込めなから笑いを振り撒くような役回りが多いように思います。


これって、彼のお笑いネタの「怒りながら笑う人」と密接に繋がっているような気もします。


私が好きな、俳優としての出演作は、「シコふんじゃった」とか、「Shall We Dance?」、「スイング・ガールズ」、「秀吉」あたりかな。


竹中さん出演のモビットのCMも好きです。ただこのCM、以前から共演している女優さん、とても感じの良い人だなぁと思ってたのですが,この方、今や大人気実力派女優の小芝風花さんなんですよね〜、やっぱり私の直感、正しかった!😅😅。




さてそんな竹中さん、清志郎とは大の仲良しでした。



清志郎との最初の接点は?



竹中さんって、年齢は清志郎より5つ下です。多摩美術大学出身で、在学中は映像の勉強をしていたようです。その頃からまだ3人でハードフォークをやっていたRCサクセションの大ファンで、ライブにも通っていたようです。


古井戸(仲井戸麗市・加奈崎芳太郎)も好きだったようなので、嗜好が泉谷しげるさんと似ていたかも😅。『ポスターカラー』とか古井戸の曲もライブで歌ったことがあったと記憶しています。


竹中さんの話だと、在学中に清志郎に自分の8㎜映画への出演を依頼したこともあるそうです。これは実際撮影を行なったかは思い出せないのですが。。


その後、竹中さんが監督する映画にも何回か清志郎は関わるようになるのですが、竹中さんが新しい作品を作るたびに 、


「『もしもし、忌野ですが。竹中、何か出番ない か?』と電話で聞いてきてくれるのがすごくうれ しかったんです」


と清志郎との貴重なエピソードを竹中さん、披露してくれています。





清志郎とのコラボの数々



清志郎と竹中さんの交流はとても多いので、ほんの一部をご紹介させ頂きます。


清志郎デビュー30周年記念イベント「Respect!」


では、竹中さん、『危ない2人』を歌っています。

この曲、清志郎からの提供で、竹中さんのアルバム『Siesta?』に収録されていますし、清志郎もセルフカバーしています。


ラブソングが得意の清志郎としても、唯一の不倫をテーマにした曲じゃないかな。



「ナニワサリバンショー」2001


「びんすけひこ」こと竹中さんと「びんむねよ」こと西田尚美さんが乱入して、ステージに上がります。このお二人と清志郎、映画『カタクリ家の幸福』で共演しています。


竹中さん、お得意のシナトラの名曲、

 「Strangers in the night」を歌いました!





「生卵」(清志郎デビュー25周年のタイミングで出版された「忌野清志郎画報」)


に寄せられた竹中さんのエッセイには、3人時代のRCのライブについて、


必死に見えた、必死の3人組だった。彼らは僕にとってのボロボロの天使たちだったのだ。」と書かれています。竹中さんはとりわけハードフォーク時代のRCが忘れられないようです。



2019年『忌野清志郎ロックンロールショーFinal』


にも竹中さん、出演しています。

竹中直人+木暮晋也&高木完として、『僕の好きな先生』をうたってくれました。


清志郎の『忌野清志郎 青山ロックンロールショー』での弔辞も、竹中さん、読み上げてくれましたね。





映画での深い関係



竹中さん監督・主演の映画『119』では、清志郎と加奈崎芳太郎さんで音楽を担当し、日本アカデミー賞の音楽賞を受賞しています。サントラ盤に収録されている清志郎の『満月の夜』、これはジーンと来るE曲です。



実はもう一本、竹中さん監督の映画で、清志郎が音楽を担当するはずだったのに制作中止となってしまった作品がありました。この映画のサントラ盤用に作った曲を収録して発売したのが、清志郎の『Ruffy Tuffy(ラフィータフィー)』です。後にこのタイトルが、バンド名に使われますよね。


『サヨナラCOLOR』


これも竹中さん監督・主演作です。清志郎は、竹中さんの同級生役で出演しています。

テーマ曲のハナレグミが歌う『サヨナラCOLOR』、PVではハナレグミと清志郎が共演していますが、この曲、名曲だし、PVもとても素敵です。








私、竹中さん監督の映画の中では一番好きな作品です。竹中さんの男としてのロマンティシズムが、痛いほど伝わってくる名作ですね。



映画「忌野清志郎 ロックン・ロール・ ショー The FILM ~ #1 入門編〜」 


の試写会イベ ントにも、竹中さんとワタナベイビー (ホフ ディラン)さん、 ゲスト出演してくれました。





竹中さんはとても義理堅い



竹中さん、CDを何枚も出すほどの歌のプロフェショナルでもありますが、やはり音楽イベントで、自作自演の名うてのミュージシャン達の中に混じると、どうしてもその存在感は薄れてしまいがちで、目立ちたがり屋の流石の竹中さんでも、主人公にはなれません。でも、そんなことは100も承知で、清志郎の音楽イベントに何度も出演されているのだと思います。


きっと清志郎と同じステージに立ちたい気持ちからなんだろうけど、もしかしたら、とても義理堅い方で、イベントを盛り上げて少しでも清志郎の役に立ちたい、という気持ちが強かったんじゃないかな。そんな気がしています。


それと、逆に清志郎も竹中さんの影響を大きく受けていたような気がします。特に2000年代、清志郎は、ライブやPVで、笑いを取りに行くことが多くなっていきます。これってRCサクセション時代は、あり得なかったですよね。本人は、常常、世の中におけるユーモアの大切さを説いていました。

以上です。