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 「アイルランドに行ってみよう!」と思って調べはじめたら、気付くことも多いであろう事実・・・そう、アイルランドは2つの国からなる島。

 

 まずは地図で確認してみましょう。

 

注)この地図は「Ireland relief location map.png」に一部日本語を加えています。

https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Ireland_relief_location_map.png

By Nilfanion [CC BY-SA 3.0 (https://creativecommons.org/licenses/by-sa/3.0)], via Wikimedia Commons

 

 つまり、単純にアイルランドと言うと、首都をダブリン(Dublin)とするアイルランド共和国のことです。

 

 これに対し、アイルランド島の北東部を占めるのが北アイルランド。その首都は ベルファスト(Belfalst)

 

 そしてイギリスの正式名称「グレートブリテンおよび北アイルランド連合王国」にあるように、北アイルランドイギリスです。

 

 ちなみにベルファストには、あの有名なタイタニック号が造船された港があります

ね。

<タイタニック号>

 

 ということで、今回ご紹介するのはイギリスに属する北アイルランドです。

 

 今でこそ、北アイルランドもアイルランド旅行の一部として、当たり前のように 訪れていますが、1998年「ベルファスト合意」に至るまでは、いわゆる“アイルランド紛争”※によって、治安的に北アイルランドの“観光”は難しい状況でした。

 

※アイルランド紛争は、1922年英国からの独立の際に英国に残った北アイルランド内で、英国統治を 望む人々とアイルランドへの併合を望む人々との間で対立した問題。

 

 当時はベルファストも、町の中心から離れ住宅街に入ると、家の外壁に書かれた スローガンなどが目立ち、この国の抱える複雑な問題を感じたものです。

 

 ですので現在、北アイルランドを観光で訪れられるのは、本当に嬉しいことです。

 

 さて、改めて「アイルランドに行ってみよう!」と思った方は、なぜこの国に惹かれたのでしょうか?

 

 その理由は十人十色かと想像されますが、きっと「ケルトに惹かれて」という方もいらっしゃることでしょう。

 

 そんな方のために、北アイルランドにあるとっておきのケルトの史跡をご紹介したいと思います。

 

 それは、上記の地図にも記しましたデヴェニッシュ島(Devenish Island )にあります。その拠点となる町は、首都ベルファスト(Belfast)から 西へ約140kmのエニスキレン(Enniskillen)

 

      

 

 この町は、南の上アーン湖(Upper Lough Erne)と北の下アーン湖(Lower Lough Erne)の中間に位置していて、デヴェニッシュ島があるのは、下アーン湖の方です。

 

 夏の時期のみ島へ渡る船があります。

 

<下アーン湖から眺めるデヴェニッシュ島>

 

 ここで、ケルト(Celt)について少し触れてみたいと思います。

 

 ケルトとは「インド・ヨーロッパ語族」に属するケルト系の言語、人々さらに文化を指し、そのルーツは中央アジアの草原と言われています。

 

 その後、青銅器時代の後期から、鉄器時代にかけて“ハルシュタット文化”

の名で知られるように、中部ヨーロッパに広がったというのが通説です。

 

 ちなみにケルトの名称は、紀元前6世紀頃、西欧に定着した彼らを古代ギリシャ人たちが“ケルトイ”と呼んだことが由来となっています。

 

 そして、ケルトの地として知られるフランス北西部ブルターニュ地方にケルト人がやって来たのもちょうどその頃です。

 

 古代ローマ時代、一部のケルト人たちは、ブリテン島やアイルランドへ渡ったことから“島のケルト”と呼ばれます。

 

 ところが、5世紀頃になると、アングロ・サクソン人などの侵入で、とりわけ

ブリテン島西端のコンウォールなどのケルト人はその土地を追われ、“再び”英仏 海峡を渡ってブルターニュ地方へ。

 

 ブルターニュ地方のケルト人が大陸でありながら“陸のケルト”ではなく、“島のケルト”と呼ばれるのはそのためです。

 

 一方、アイルランドのケルト人たちは、ローマの直接支配を受けることなく、その文化は温存され、史跡もより多く残されていると言えるでしょう。

 

 それでは改めて北アイルランドのデヴェニッシュ島に話を戻しましょう。下アーン湖に浮かぶこの島には、時代の異なる史跡がみられます。

 

<デヴェニッシュ島に残された時代の異なる史跡>

 

 この島の聖地としての歴史は、紀元6世紀に聖モレーズ(St Molaise)が修道院を築いたことから始まります。

 

 というのもこの場所が、アイルランド島西部メイヨー州にある聖山「クロー・パトリック(聖パトリックの山)」への巡礼ルートにあったからです。(上の地図でご覧ください)

 

 現在は、13世紀から15世紀に建てられた3つの教会が廃墟となり残されていますがこの島で最も注目すべきは、高さ30mに及ぶ12世紀建立ラウンドタワー そして15世紀ハイクロスでしょう。

 

 

 高さ30mのラウンドタワーは保存状態もよく、アイルランド島で最も美しいラウンドタワーと言われています。上に登ることもできます。

 

<15世紀のケルト十字「ハイクロス」>

 

<デヴェニッシュ島のハイクロス>

https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Devenish_Island_High_Cross_West_Face_2016_08_28.jpg

Andreas F. Borchert [CC BY-SA 3.0 de (https://creativecommons.org/licenses/by-sa/3.0/de/deed.en), CC BY-SA 4.0  (https://creativecommons.org/licenses/by-sa/4.0) or GFDL (http://www.gnu.org/copyleft/fdl.html)], from Wikimedia Commons

 

 通常のケルト十字「ハイクロス」(下記参照)に見られる円環がここでは見られませんが、デザイン化した十字はとても美しいですね!

 

<円環のついた典型的なハイクロス>

https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Moone_Tall_Cross_East_Face_Head_2013_09_05.jpg

Andreas F. Borchert [CC BY-SA 3.0 de (https://creativecommons.org/licenses/by-sa/3.0/de/deed.en), CC BY-SA 4.0  (https://creativecommons.org/licenses/by-sa/4.0) or GFDL (http://www.gnu.org/copyleft/fdl.html)], from Wikimedia Commons

 

 北アイルランドに残るケルトの史跡デヴェニッシュ島はいかがでしたでしょうか?シルエットを見るだけでも歴史のロマンが感じられますね。

 

 

 北アイルランドを旅する機会がありましたら、是非訪れていただきたい地です。

 

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