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テーマ:[世界の民族・祭典]にて最初に取り上げるのはインド北東部です。
「インド北東部ユニークな民族の祭典」として全7回シリーズをお届けします。 このシリーズをお読みいただければ、当地域にいかに多彩な民族文化が存在する かがお分かりいただけるでしょう。
本題に入る前に、インド北東部と言っても、おそらく一般的なインドのイメージ からは想像もつかない地域かと思いますので、まずはどんな場所かをご案内したい と思います。
“インドは世界、州は国”と言われるように、インドでは州ごとに民族、言語が異 なると言っても過言ではありません。そこで、早速インドの地図を眺めてみましょう。
注)当地図は「India states and union territories map svg」に日本語を補足しています。 https://commons.wikimedia.org/wiki/File%3AIndia_states_and_union_territories_map.svg By w:user:Planemad [CC BY-SA 3.0 (https://creativecommons.org/licenses/by-sa/3.0)], via Wikimedia Commons
北はブータンとチベット、東はミャンマー、西から南にかけてバングラデシュと 接する地域があります。よく見ると、そこはブータンとバングラデシュに挟まれた 幅20kmほどの“シリグリ回廊”(西ベンガル州内)でインド本土とかろうじてつな がっていることが分かります。ここが今回ご紹介するインド北東部です。
インドの他の地域と比較してみると、かなり狭い地域にもかかわらず8つの州に 分かれています。つまりそれだけ多種多様な民族文化が存在しているといえるでし ょう。
例えばインドの大部分を占めるデカン高原にある州は、いずれも面積が広く、中 には1州ですでに北東部8州全体の面積を優に超える州もあります。
ところでインド北東部8州とは・・・(上記地図でご確認ください)
シッキム、アッサム、アルナチャル・プラデーシュ、メガラヤ、トリプラ、ミゾラム、ナガランド、マニプールです。
まるで陸の孤島のような北東部には、インドにありながら“非インド系”の様々な 少数民族たちが住んでいます。そして文化的、宗教的にも今なお民族固有の習慣を 残しているところも少なくありません。
“非インド的”である理由には、もともとこの地域の民族の多くが、隣接するミャ ンマーやタイ、又チベットや雲南省から移り住んで来たという歴史的な背景があり ます。
しかし宗教的には、アッサムやトリプラ、マニプールのように、早くにヒンドゥ 教を受け入れた州もあるなど、民族的にはモンゴロイド系でありながら、宗教的に は現在のインドで最も多いヒンドゥ教という、2つの文化圏が混在するユニークな 州もあります。
さて、第1回に登場するのは、8州のうち最も北に位置するアルナチャル・プラ
デーシュ州(Arunachal Pradesh)です。
州の名前であるアルナチャル・プラデーシュには、サンスクリット語で「日出ず る地」という意味があります。南はアッサム州、東はミャンマー、北は中国、そし て西はブータンに接し、位置的には中印の国境紛争地帯(マクマフォン・ライン) においてインドが実効支配している領域に設置された州です。
ちなみに中国政府は、アルナチャル・プラデーシュを自国領と主張しており、“蔵南 地区”と呼んでいます。
歴史を遡ることイギリス統治時代、ここはNEFA(北東辺境区)と呼ばれ、開発 するほどの価値も無く、原始的な生活を営む辺境の少数民族に対し強制的に統治し ようとはせず、かなりの自治を許していたようです。
それでは、ここでアルナチャル・プラデーシュ州の地図をみてみましょう。
注)この地図は「India Arunachal Pradesh districts English.PNG」に一部日本語を加えています。
又、2012年以降、kurung Kumey県からKra Daadi、Tirap県からLongding、Lohit県からNamsai,
West Siang県 及び East Siang県からSiangがそれぞれ県として独立しています。
https://commons.wikimedia.org/wiki/File%3AIndia_Arunachal_Pradesh_districts_English.PNG
By Сергій Зінченко (Own work) [CC BY-SA 4.0 (https://creativecommons.org/licenses/by-sa/4.0)], via Wikimedia Commons
アルナチャル・プラデーシュ州の州都はイタナガル(Itanagar)です。アディ、 アカ、アパタニ、ニシ、ミジ、ガロン、ノクテ、ワンチョ、タギン、ヒルミリ、ミシュミ、ミジュ、モンパ、タンサ、カムティ、シェルクペンなど、主要な民族だけでも25以上の異なる民族が住んでいます。
地図上1のタワン県(Tawang) にゼミタン村はあります。
『ゴルサム・チョルテン祭』の主役はモンパ(族)
主にタワン県に住みチベット仏教を信仰する民族です。
次のブログで祭りの様子をご覧ください。
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アルナチャル・プラデーシュは、ダライ・ラマ14世がチベットから亡命した際、 最初に踏んだインドの地です。
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