フェリンヌのブログへようこそ!
こちらでは『海外のユニークな旅先ばかり』をご紹介しています。
今回ご紹介すますのはブータン。と言っても一般的に訪れるティンプーやパロなどの西部ではなく東ブータンです。
1971年に国連へ加盟するまで、長く鎖国が続いていたこともあって、かつては“ヒマラヤ神秘の王国”などと称されていたブータン。
今やすっかり観光が進み、日本人観光客も増えてまいりました。
とりわけ2011年11月に第5代ジグミ・ケサル・ナムギャル・ワンチュク国王とジェツェン・ペマ王妃が公式訪問して以来、更に加速化したとも言えるでしょう。
そこで、今回はブータンの中でもまだ日本人観光客の少ない東ブータンをご紹介 します。
というのも、東ブータンはブータン王家発祥の地でありながら、首都ティンプー(Thimphu)からも遠く、まだまだ素朴な生活が残っていること、そしてブータンの工芸として重要な“織りの里”でもあるからです。
<織物をする女性たち>
さて、東ブータンをご案内させていただく前に、少しブータンという国について ふれさせていただきます。
この国の魅力のひとつとして、世界幸福度ランキング※(2018年度)では97位(因みに日本は54位)ながら、なぜかよく聞かれる“幸福の国ブータン”というイメージです。
※国連156か国を対象にその幸福度を調査するもので2012年から行われています。
その指標となるのは以下の6つ。人口あたりのGDP、社会的支援、健康寿命、 人生選択の自由度、性の平等性そして社会や企業の腐敗の少なさです。
こればかりは、実際に訪れてブータン人を観察していただく他にないかもしれません。
とはいえ、ブータンが目指す国づくりの課題は注目すべきでしょう。
具体的には 4つあります。①環境の保護と持続的な利用②文化の保護と振興③健全な経済発展と開発④良き統治・・・
なるほど国民の幸福や充足感を重んじる考えが伺えます。そして前国王ジグミ・シンゲ・ワンチュクが打ち出した『GNH (国民総幸福)』にも裏付けられています。
さらに国民をも驚かせた「国王による民主化」でしょう。
1953年すでに3代目国王ジグミ・ドルジ・ウォンチュックが国民議会を設立。
1998年4代目国王ジグミ・シンゲ・ワンチュクは権力を閣僚へ移行。
2008年にはブータン憲法が施工され、同年ブータンで初の総選挙が行われました。
国王自らが時間をかけて、長期的に安定した国づくりのため、君主支配から議会制民主主義へと進化させたのです。
1907年人々から押される形でウゲン・ウォンチュクが初代国王となってから100年の歴史をもつ絶対王政は立憲君主制に移行しました。
2006年12月には4代目国王が51歳の若さで生前退位、国王の座を皇太子(当時26歳)に譲りました。
というわけで、王家も何かと注目されるブータン。
ここでブータンの基本情報を見て見ましょう。
ちなみに言語についてですが、ブータンでは初等教育から英語を取り入れいているため、旅行で訪れた際は英語が通じます。
また宗教については、この後、東ブータンの見どころをご紹介させていただく際にふれたいと思います。
続いて、ブータンの位置を下記地図にてご覧ください。
注)この地図は「Bhutan CIA WFB 2010 map.png」に一部日本語を加えています。
https://commons.wikimedia.org/wiki/File%3ABhutan_CIA_WFB_2010_map.png
By United States Central Intelligence Agency [Public domain], via Wikimedia Commons
ご覧のように、北はチベット(中国)、南はインドと国境を接しており、標高で 言えば7,000m級のヒマラヤから200~300mの熱帯へと一気に下るイメージです。
つまり、ブータンはヒマラヤの雪解け水が流れる斜面に位置していると言えるで しょう。
これは乾燥したチベットと異なりブータンの豊かな森林を保つ重要な自然環境です。
<緑豊かなブータンの自然>
ちなみに北から南へとブータンを縦断した大量の水は、インドのブラマプトラ(Brahmaputra)※に流れ入り、そこからガンジス川(Ganges)へ。
さらにバングラデシュに入り込みます。バングラデシュは平坦な地形のため、よく水害被害に悩まされています。
※大河ブラマプトラ:西チベットの聖山カイラス(Kailash)標高6,638mに源流を もつヤル・ツァンポ(Yarlung Tsangpo)が、広大なチベットを東へと流れ、その東端にあるナムチェバルワ山(Namcha Barwa)標高7,782mを迂回すると、突然、南へと方向を変えてインド北東部のアルナチャル・プラーデシュ州に入ります。アルナチャル・プラーデシュ州では、名前変わってシアン川(Siang)と呼ばれ、さらに南下を続けた川はインドのアッサム州へ流れ入りここで名前がブラマプトラとなります。その後、ガンジス(Ganges)に合流してベンガル湾へ。全長は2,900kmです。
<チベットを流れるヤル・ツァンポ川がその東端で突然、南へ流れを変え、インドの大河ブラマプトラとなる>
https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Yarlung_Tsangpo_map.png
By Background layer attributed to DEMIS Mapserver, map created by Shannon1 [GFDL (http://www.gnu.org/copyleft/fdl.html) or CC BY-SA 4.0-3.0-2.5-2.0-1.0 (https://creativecommons.org/licenses/by-sa/4.0-3.0-2.5-2.0-1.0)], via Wikimedia Commons
さて、ブータンを訪れるにあたり、空の玄関となっているのは、首都ティンプ(Thimphu)から西へ51kmにあるパロ(Paro)。
そして陸路による国境が開かれているのは、ブータン南部インドとの国境のみで 現在は2か所。プンツォリン(Phuentsholing)およびサムドゥプジョンカル(SamdrupJongkhar)です。
よって現在、東ブータンへ直接アクセスするには、後者のサムドゥプジョンカル(SamdrupJongkhar)を利用することとなります。
下記、ブータンの地図をご覧ください。
注)この地図は「Bhutan districts english.png」に一部日本語を加えています。
https://commons.wikimedia.org/wiki/File%3ABhutan_districts_english.png
By No machine-readable author provided. Golbez assumed (based on copyright claims). [GFDL (http://www.gnu.org/copyleft/fdl.html), CC-BY-SA-3.0 (http://creativecommons.org/licenses/by-sa/3.0/) or CC BY 2.5 (http://creativecommons.org/licenses/by/2.5)], via Wikimedia Commons
ブータンには20の県がありますが、これを大きく首都ティンプー(Thimphu)や 空の玄関パロ(Paro)がある西部、国王の戴冠式が行われるトンサ(Trongsa)を 中心とする中部、そして“織りの里”ルンツェ(Lhuntse)がある東部、という具合に3つに分けることができます。
そして、ルンツェから東の地方を東ブータンと呼んでいます。
引き続き、東ブータンその②にて見どころをご紹介します。
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東ブータンのお隣は北東インドのアルナチャル・プラデーシュ。そこに住むモンパ族は、東ブータンに住む少数民族ブロクパと同胞です。インド・ブータン国境に生きる民族を紹介するディープな一冊!↓
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