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 今回ご紹介するのはカザフスタンの世界遺産ですが、その前に少し中央アジアに ついて触れたいと思います。

 

 一般的に中央アジアの5か国と言えば、ウズベキスタンタジキスタントルクメニスタンキルギスタン、そしてカザフスタンを指します。そして、これらの国は18世紀から19世紀にかけてトルキスタン(突厥などテュルク人の地)と呼ばれていた 地域の西トルキスタンにあたります。

 

 ちなみに東トルキスタンは、現在の中国にある新疆ウイグル自治区です。新疆ウイグル自治区を旅した方であれば、彼らの顔だちや、生活習慣、そしてイスラム教と いう宗教・文化に、もはや中国にいることを忘れてしまう感覚をもたれたことでしょう。

 

 “中国にあることの違和感”・・・これこそが、今も繰り返される新疆ウイグル自治区の反政府運動につながると言えるでしょう。

 

 さて、中央アジアの5か国は、いずれもイスラム教徒が多くを占める国です。つまり、中央アジアの人々の信仰心は、70年余りにわたって宗教の自由が許されなかったソビエト連邦時代も、失われることは無かったのです。

 

 1991年にソビエト連邦は崩壊。中央アジアの国々はそれぞれが独立国となります。

 

 それまで閉鎖されていたモスクやメドレセ(イスラム教の学校)などの歴史的建築物は修復され、見事に蘇りました。これらが文化遺産として一般に公開されたことで、我々ツーリストも見学できることは嬉しいかぎりです。

 

 一方で、同じくソビエト連邦を構成していたバルト三国などとは独立における状況はやや異なっていたようです。

 

 実際に当時を振り返ると、とりわけ、人生の大半をソビエト連邦で送った人々などにとっては、社会保障が充実していたソビエト連邦でなくなることで、独立後の生活に経済的不安を抱える人々が多く見られたように思います。

 

 とにもかくにも独立を果たした中央アジア5か国。キルギスタン以外で独裁政権が目立っていた4か国ですが(ウズベキスタンではカリモフ大統領が、トルクメニスタンではニヤゾフ大統領がそれぞれ死去)その中でも、ずば抜けた安定感を見せているのがナザルバエフ大統領が政権をにぎるカザフスタンでしょう。

 

 ここで、カザフスタンの基本情報をご覧ください。

 

■正式名称:カザフスタン共和国                       ■面積:272万4,900平方キロメートル(日本の7倍、世界第9位、旧ソ連ではロシアに次ぐ)                                 ■首都:アスタナ                              ■人口:1,820万人(2017年国連人口基金)                  ■民族:カザフ系(66.48%)、ロシア系(20.61%)、ウズベク系(3.11%)、ウイグル系(1.45%)、タタール系(1.15%)、ドイツ系(1.03%)、その他(3.92%)                                 ■言語:カザフ語(国語)、ロシア語(公用語)                ■宗教:イスラム教(70.2%)ロシア正教(26.3%)、仏教(0.1%)、無宗教(2.8%)、無回答(0.5%)

 

 続けて下記の地図をご覧ください。

 

注)この地図は「Kazakhstan political map 2000.jpg」に一部日本語を加えています。

https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Kazakhstan_political_map_2000.jpg

By U.S. Central Intelligence Agency [Public domain], via Wikimedia Commons

 

 地図を見ても、カザフスタンが5か国の中で圧倒的な規模を誇ることが分かります。

 

 そして地図にありますトルケスタン(Turkestan)。ここにカザフスタンの世界遺産第1号であり、かのチムール(ティムール)がサマルカンド(ウズベキスタン) 以外の土地に築いた貴重な建築物があります。

 

 ここでチムールとは・・・

https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Timur_reconstruction03.jpg

By user:shakko [CC BY-SA 3.0 (https://creativecommons.org/licenses/by-sa/3.0)], from Wikimedia Commons

 

 今から遡ること600年余り、中央アジアに一人の偉大な英雄が現れました。その名はチムール・・・遠征に遠征を重ねた彼の支配域は広大なものとなり、名実ともに チムール大帝国を築きます。

 

 チンギスハンによって建国され、後に分裂したモンゴル帝国を制圧、ついには統一したその偉業が、チンギスハンをも超えた存在として今に語り継がれています。

 

 大帝国の中心をサマルカンド(Samarkand)に置き“青の都”の名を不動のものと  したばかりでなく、美しいコバルトブルーを“チムール・ブルー”と呼ばせてしまう ほどの人物です。

 

 前のチンギスハンと比較した言葉に次のようなものがあります。「チンギスハンは破壊し、チムールは建設した」英雄がこの世を去っても、築いた遺産は残されています。

 

 そのほとんどはサマルカンドにて見ることが出来ますが、実はこの美しいチムール・ブルーを輝かせ、威厳に満ちた遺産が、カザフスタン南部トルケスタンの地に あるというのです。

 

 それがホジャ・アフメッド・ヤサウィ廟(Mausoleum Khoja Ahmed Yasawi)  です。

 

<世界遺産ホジャ・アフメッド・ヤサウィ廟>

 

 ホジャ・アフメッド・ヤサウィ廟は、中央アジアに現存する最大級の規模を誇り、その保存状態も良いことから高く評価され、2003年世界遺産に登録されました。

 

 

 チムールの治世“後期“のものとしてサマルカンドを見本に建設された廟の建築技術はかなり洗練されていたものと言われています。

 

https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Khoja_ahmed_Yasavi_dome.jpg

Otebig [GFDL (http://www.gnu.org/copyleft/fdl.html) or CC-BY-SA-3.0 (http://creativecommons.org/licenses/by-sa/3.0/)], via Wikimedia Commons

 

 トルケスタン(Turkestan)の場所は、カザフ第3の都市シムケント(Shymkent)の北西170キロ。現在はひっそりとした田舎町に、突如として現れる廟の存在には驚かされます。

 

 

 12世紀の高名な神秘主義詩人ヤサウィを奉った廟には、その外観そして内部にも チムール時代の集大成ともいえる高度な技術と芸術が伺えます、カザフスタンを訪れたら是非ご覧頂きたい世界遺産です。

 

 さらに、今一度、前の地図をご覧ください。

 

 トルケスタン(Turkestan)の南にあるオトラル(Otrar)そしてその東に位置するタラス(Taraz)は、いずれも世界史における重要な場所です。

 

 まずオトラル(Otrar)ですが、歴史的に“オトラル事件”として知られます。13世紀この地を支配していたホレズム朝に送ったチンギスハンのキャラバン隊450人が殺害されてしまいます。

 

 これに怒りをもったチンギスハンがいよいよ西方へ。つまりチンギスハンの中央 アジア進出のきっかけとなった地なのです。

 

 またタラス(Taraz)は、史上最大!天下分け目の東西対決“タラス河畔の戦い”の 地として知られます。

 

 それは紀元751年。中央アジアの覇権を巡って、東は中国の唐、西はアッバース朝のイスラム勢力がぶつかりあった史上最大とも言うべき合戦です。

 

 軍配はアッバース朝に上がり、唐は勢いを失ってそれ以降西進することはありませんでした。そしてこの勝敗こそ、現在の中央アジアのほとんどがイスラム信仰である由縁といえます。

 

 この時、もし唐が勝利していたら・・・そう考えるだけでも、いかに世界史に影響を与えたものであったか想像に難くありません。

 

 因みにこの時、捕虜となった中国人により中央アジアに高度な製紙法が伝わった ことも事実です。

 

 中央アジアは『シルクロード』としてはもちろん、歴史的に実に興味深い地域ですね。

 

 

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