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こちらでは『海外のユニークな旅先ばかり』をご紹介しています。
ブラジルと言えば、世界三大瀑布イグアスや世界三大カーニバルのリオ、世界最大級の湿地帯パンタナール、最近では世界最大の白い砂丘レンソイス・・・といずれも観光地として超有名どころが軒並みですが、今回ご紹介するのは、マイナーながらも味のある景観列車の旅です。その名も『グレート・ブラジル・エクスプレス(Great Brazil Express)』 。
旅の舞台はブラジル南部パラナ州(Parana)です。ブラジル26州の一つで、北は サンパウロ州(Sao Paulo)、南はサンタ・カタリナ州(Santa Catarina)および アルゼンチン、西はマト・グロッソ・ド・スル州(Mato Grosso Do Sul)とパラグアイに接し、東は大西洋に面しています。
注)この地図は「Divisão Política do Brasil.png」に一部日本語を加えています。
File:Divisão Política do Brasil.png
ちなみにアルゼンチンとの国境には世界遺産イグアス国立公園があります。そしてパラナ州の一部を占める湿潤林アラウカリア(Araucaria)は世界でも重要な森林の 一つに数えられています。
そんなパラナ州で密かに運行しているのが『グレート・ブラジル・エクスプレス』です。そのクラシカルな車内のデザインは“ブラジル版オリエント急行”とでも言いましょうか!?
<パラナ州の大地を走るグレート・ブラジル・エクスプレス>
さて、ここでほんの少しブラジルの鉄道についてですが、新幹線の海外進出をはじめ、高速鉄道の受注競争が世界各地で過熱する中、ブラジルもこの波に乗るべく、 リオ~サンパウロ~カンピーナス間を結ぶという具体的な高速鉄道計画が出たものの、2014年FIFAワールドカップに合わせての開業はおろか、2016年リオデジャネイロ五輪にも間に合わず、現在も頓挫した状況が続いています。
かつては鉄道大国であったブラジル。1950年代までが全盛であったと言えるでしょう。その後、自動車産業やトラック産業などの発展により需要が減り、経営危機の 問題から次第にブラジルから鉄道の姿は消えて行きました。
そうした中、往年の鉄道旅行を蘇らせるべく2008年鉄道の専門知識をもつ人間と 鉄道をこよなく愛する人間の、まさに有志たちで夢を実現したのが『グレート・ブラジル急行』だったのです。
コンセプトは“スローかつ優雅な鉄道の旅”。よって高速鉄道とは全く逆の発想です。クラシカルなデザインの車内には、落ち着いた色調のソファやテーブルが設けられています。
“オリエント急行”とは少し言い過ぎですが、ゆったりとソファに腰かけティタイムを楽しみながら、車窓から広大なブラジルの大地を眺める。夕食のあとはBarでカクテルを傾けながらくつろぎのひととき・・・なるほどブラジルの他の列車とは違う レトロな雰囲気が感じられることでしょう。
<車掌さんもフレンドリー>
<やや狭い通路>
<陽気なバーテンダー>
<クラシカルな車内>
<パラナ州の豊かな森林>
<アトラクションに出てくるようなトンネル>
<車両がぎりぎり通れるほどの狭い場所も>
<窓の外に広がるブラジルの青い空>
現在は、週末のみパラナ州の州都クリチバ(Curitiba)から東へ、大西洋に面して 唯一残された熱帯原生林を駆け抜け、歴史ある小さな町モレテス(Morretes)まで 運行しているようです。
一風変わったブラジルの列車の旅・・・列車の旅がお好きな方は、機会がありましたら高速列車では味わえぬ『グレート・ブラジル急行』ならではの魅力を是非ご体験下さい。
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