フェリンヌのブログへようこそ!
こちらでは『海外のユニークな旅先ばかり』をご紹介しています。
旅をしていると、美しい景色に思わず息を呑んだり、想像もしなかった絶景に言葉を失ったり・・・と“感動”する場面は多いですが、一方で環境問題など“厳しい 現実”を目の当たりにして“考えさせられる”こともあります。
そこで今回は、“尊い水”に出会う旅をご紹介したいと思います。旅の舞台は アラル海(Aral Sea)。
ということで、旅に出かける前に、少しアラル海の事情にふれましょう。
注)この地図は「Aral Sea watershed.png」に一部日本語を加えています。
https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Aral_Sea_watershed.png
By Shannon1 [GFDL (http://www.gnu.org/copyleft/fdl.html) or CC BY-SA 4.0 (https://creativecommons.org/licenses/by-sa/4.0)], from Wikimedia Commons
アラル海とは言っても実際は“湖”。かつては世界で4番目※に大きい内陸湖だったアラル海・・・ところがあることが原因ですっかり干上がってしまいました。
※1位カスピ海(Caspian Sea)ロシア、カザフ、トルクメ、イラン、アゼルバイジャン/2位スペ
リオル湖(Lake Superior)北米/3位ビクトリア湖(Lake Victoria)ケニア、ウガンダ、タンザニ
アは現在も変わらず。
そのあることとは?
上の地図を今一度ご覧いただきますと、アラル海が現在のカザフスタン(Kazakhstan)とウズベキスタン(Uzbekistan)に跨っていることが分かります。
そしてカザフスタンやウズベキスタンと言えば、中央アジアの国々で、1991年のソ連崩壊まで70年以上もソビエト連邦の一部でした。
そのソビエト連邦時代、とりわけ1950年代に行われた農業改革に伴う“灌漑”の犠牲となり、時が経つとともに、すっかり干上がってしまったのです。
具体的には、ソ連が中央アジアで展開していた綿栽培のため、アラル海に流れ入っていた2大河川のアム川(Amu Darya)とシル川(Syr Darya)の流れを変えた ことです。
これにより、およそ30年間で元の面積の1/10にまで縮小してしまったというのですから、その問題はかなり深刻と言えます。
下記の写真は、左が1989年、そして右が2008年です。
これまで、アラル海の悲劇は「20世紀最大の環境破壊」と呼ばれ世界に反響を呼びました。
ちなみに本来のアラル海は67,300㎢。東北地方よりもやや大きい面積でした。
2大河川が流れ入らなくなり、水量が減少したアラル海は、塩分濃度が高まり、 いわゆる塩湖に・・・
そこは“浮遊体験”で観光客に人気の死海(Dead Sea)のごとくなってしまったのです。
すると・・・
淡水魚が住めなくなる → 漁業ができなくなる → 地元の漁師は職を失う
まさに“アラル海の縮小”は、人間がもたらした環境破壊の他の何ものでも ありません。
世界中にこうした例は少なくないものの、その規模から「アラル海の危機」として関心を集めています。
さて、ここで改めてアラル海にかかわる2つの国を見てみましょう。それは中央 アジアのウズベキスタン(Uzbekistan)とカザフスタン(Kazakhstan)。
注)この地図は「Map of Central Asia.png」に一部日本語を加えています。
下記はそれぞれの国の基本情報です。
■正式名称:ウズベキスタン共和国 ■面積:44万7,400平方キロメートル(日本の約1.2倍) ■首都:タシケント(Tashkent)
■人口:3,190万人(2017年国連人口基金)
■民族:ウズベク系(83.8%)、タジク系(4.8%)、カザフ系(2.5%)、
ロシア系(2.3%)、
■言語:ウズベク語(公用語)、ロシア語も広く使用
■宗教:主としてイスラム教スンニ派
■正式名称:カザフスタン共和国
■面積:272万4,900平方キロメートル(日本の7倍、世界第9位、旧ソ連では
ロシアに次ぐ)
■首都:アスタナ
■人口:1,820万人(2017年国連人口基金)
■民族:カザフ系(66.48%)、ロシア系(20.61%)、ウズベク系(3.11%)、
ウイグル系(1.45%)、タタール系(1.15%)、ドイツ系(1.03%)、その他(3.92%)
■言語:カザフ語(国語)、ロシア語(公用語)
■宗教:イスラム教(70.2%)ロシア正教(26.3%)、仏教(0.1%)、無宗教(2.8%)、無回答(0.5%)
特に注目したいのは、面積と人口。2か国を比較すると、同じ中央アジアにあって、カザフスタンがいかに広大で人口密度が低いか良く分かりますね。
しかし、アラル海に関してはその割合から、小アラルがカザフスタンで、大アラルがウズベキスタン。前者は北アラル、後者は南アラルとも呼ばれます。
アラル海その②にて、蘇るアラル海への旅をご案内します。
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