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インドと言えば『インドは世界・州は国』と表現されるように、実に 多彩な民族、そして文化が存在します。

 そこでインドでも日本のガイドブックにほとんど載っていない地域をご紹介します。

 

 

 第1回『モンパ(族)のゴルサムチョルテン祭』…アルナチャル・プラデーシュ州

 

 今回ご紹介する『ゴルサム・チョルテン祭』は、まさに知られざるチベット世界 と言えるでしょう。ラサからほぼ真南へ450km、中印国境わずか12kmに位置す る標高約2,100mゼミタン村(Zemithang)で、巨大目玉“チョルテン”を舞台に行わ れます。周囲は  完全に山に囲まれているため、村に到着するまでこのチョルテン の存在に気付くこ とはありません。

 

                 <ゴルサム村>

 

 ここは、インド北東部アルナチャル・プラデーシュ州に属し、数ある少数民族の 中でも、ダライ・ラマを頂点とするチベット仏教ゲルク派(黄帽派)を信奉する  モン・パ(族)の大地として知られています。

 

 1959年ダライ・ラマ14世が亡命した時、ラサを脱出した一行が選んだ道は標高6,000mを超える雪山を徒歩で行くという最も過酷なものでした。そして何とか国境を越えてインドに入国。その最初の村がゼミタン村だったのです。おそらくこの時も、14世紀建立と言われる巨大な目玉チョルテンは一行を温かく迎えたことでしょう。当時ダライ・ラマが、一夜を過ごされたという小屋が今も残されています。

 

 “ダライ・ラマ14世ゆかりの地”としてのアルナチャル・プラデーシュは、また別 の機会にご紹介させていただくとして話を祭りに戻しましょう。

 

 主役となるモンパは、歴史的に幾度にも渡ってチベットやお隣ブータンから移住 して来たと考えられるチベット系民族ですが、何世紀もの間この山と深い渓谷から なる美しくとも厳しい自然の中で生きています。山の急斜面にも巧みに段々畑を造り、米や野菜を育てて生計を立てている農耕民です。

 

年に一度のチョルテン祭り

 このモンパが年に一度(2月~3月頃)、数日間に渡りゼミタン村に集結して、 チョルテンを周回し法要の儀式に参加します。一体どこから、と思うほどに次から

次へと家族連れのモンパが民族衣装に身を包んでチョルテン目指してやって来ます。

 

<祭りに訪れるモンパたち>

 

 女性の衣装は、色とりどりの刺繍が施された上に、全身ピンク色に統一されて  いるため会場は華やかです。ちょっとユニークなデザインで、よく見てみると、  まず厚手のブラウスを着用し、その上にロング丈の貫頭衣を被っています。そして 冷えを防ぐためなのか、毛布のような素材の四角い布をお尻に当てて、貫頭衣と共

に腰紐で縛ります。仕上げに刺繍で彩られた上着を羽織って出来上がり。

 

 一方、男性は赤い着物のような上着にズボン姿、中には黒地に白の縁取りをした 詰襟の様なデザインで渋くきめています。

 

 

 彼らは親戚や知り合いとの久しぶりの再会も楽しんでいる様子で、笑顔が絶え  ません。

 

 祭りには、モンパの同胞とされる東ブータンのブロクパも2日間徒歩で国境を   越えやって来るので国際的祭りとも言えるでしょう?!因みにこの国境は公式に

はオープンされていません。民族に国境はないのですね。

 

 夕方には伝統的なマスクダンスに続いて、モンパもダンスを披露してくれます。

 

 

 ところで目玉チョルテンは世界に三つあり、あと二つはご存知ネパールとブー  タンにあります。

 

               <ゴルサムチョルテン>

 

 長い間、傷みの激しかったゴルサムチョルテンは、モンパの人々から信望厚き  地元の故T・Gリンポチェ(Tツォナ、Gはガンツェの略)によって修復され蘇っ たそうです。何でもチベットのツォナ僧院のリンポチェが、先代からモンパに転生 したという話です。

 

 ゼミタン村への道のりは、平坦なアッサムからアルナチャルに入ると山また山の 山岳道ですが、その景観は迫力満点で見所も多いです。

 

  <雪を頂くゴリチェンピーク(Gori Chen )6,422m>

 

 

 <標高3,000mのあたりでは、この時期シャクナゲが美しい>

 

 とりわけゼミタン手前94km のタワン(Tawang)には、ポタラ宮とほぼ同時代に  建立され、規模もこれに次ぐという大僧院が町の高台に聳え、400人の僧侶を抱えています。地元モンパに支えられ拡大する僧院は頼もしく、今後ラサに代わるチベットの中心となる勢いすら感じさせます。

 加えてここタワンは、ダライ・ラマ6世の生誕地であることから巡礼者も多いです。

                 <タワン僧院>

 

 モンパの大地で繰り広げられる年に一度のゼミタン村のチョルテン祭り。

チベットファンには是非一度訪れていただきたい知られざるチベット世界です。  

 

 個人的には祭りがなくとも魅力的な地域です。 

 

 また前にも書きましたように、“ダライ・ラマ14世ゆかりの地”としてのアルナチャル・プラデーシュも見どころ満載です。

 

       「ダライ・ラマ亡命ルート」を辿る旅はこちら

 

 さて、ゼミタン村への行程はいくつかありますが、通常インドの首都デリー(Delhi)から、国内線にてアッサム州の州都グワハティ(Guwahati)へ。ここから 車移動です。同州のナメリ(Nameri) またはカジランガ(Kaziranga) に一泊。

         *いずれも国立公園になっています。

 

 翌日、州境のバルクポン(Bhalukpon)を越えてアルナチャル・プラデーシュ州の 西カメン県ボンディラ(Bomdila) へ。標高が2,217mありますので、ここで高度順 応を兼ねて一泊。

 

 翌日、セ・ラ(Sela Pass)という4,170mの峠を越えて、標高約3,400mのタワン(Tawang)へ。ここはタワン僧院が見どころです。

 

 そして、いよいよタワンから約90キロのゼミタン村へ。この村に宿泊施設は無い ので、テント泊をしない限り、タワン泊となるでしょう。

 

 帰路はボンディラもしくは、その手前のディラン(Dirang)泊でもよいでしょう。 

 

 注)アルナチャル・プラデシュ州は入域許可書が必要です。個人旅行の場合は 事前にきちんと確認してください。またゴルサムへの道のりは、途中、標高4,000mを超えるセ・ラ(峠)がありますので高地対策もお忘れなく。道路状況はよくありませんので日程に余裕をもつべきでしょう。

 祭りに関しては、ローカルな民族の祭りのため、スケジュールは極めて流動的ですので予めお含みおき下さい。

 また、写真撮影はその土地のタブーなどもあるため、人物を撮影する時と同じくきちんと許可を得て行いましょう。

 

    『モンパ(族)のゴルサム・チョルテン祭』その①はこちら

 

 

 

 

 アルナチャル・プラデーシュは、ダライ・ラマ14世がチベットから亡命した際、 最初に踏んだインドの地です。           

 

 

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