フェリンヌのブログへようこそ!
こちらでは『海外のユニークな旅先ばかり』をご紹介しています。
スペインで“イスラムの香り”・・・と言えば、多くの人はアンダルシア地方を想像するでしょう。
コルドバのメスキータ(モスク)やグラナダのアルハンブラ宮殿などなど、観光客に魅力的な世界遺産も目白押しですね。
<赤と白、馬蹄形アーチの連続に圧倒されるコルドバのメスキータ>
https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Cordoba_Mezquita.jpg
Jim Gordon / CC BY (https://creativecommons.org/licenses/by/2.0)
<1492年“グラナダ陥落”の象徴アルハンブラ宮殿>
https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Alhambra,_Granada.jpg
Santiagova / CC BY-SA 3.0 ES (https://creativecommons.org/licenses/by-sa/3.0/es/deed.en)
でも、スペイン国内でイスラムの残した文化遺産を多く残す場所はほかにもあります。その一押しとも言うべきところがアラゴン地方(Aragon)です。
的確にいえば、イスラムとキリスト教文化が融合された遺産ですね。 その建築様式からは、スペイン国土で両陣営によって繰り広げられた攻防戦の歴史が一目瞭然です。
さて、そんな魅力的なアラゴン地方ですが、ガイドブックのページ数も少なく、 スペインを初めて訪れる旅行者には除外されてしまいがち・・・
ということで、まずはアラゴン地方の位置を下記の地図で確認しておきましょう。
<スペイン地図>注)一部日本語を加えています。
CC BY-SA 3.0, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=684223
アラゴン地方は、黄色く塗られた3つの県ウエスカ(Huesca)、“サラゴサ(Zaragoza)”、“テルエル(Teruel)”から構成されます。
スペインを旅した人なら、必ず耳にする『レコンキスタ(国土回復運動)』。カスティリャ王国のイザベラ女王とともにイスラム勢力と戦い、勝利したのがアラゴン王国のフェルナンド王です。
彼の生まれたのはサラゴサ県のソス・デル・レイ・カトリコ(Sos del Rey Catolico)↓↓↓
<フェルナンド王の生まれた村 サラゴサ県ソス・デル・レイ・カトリコ>
https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Sos_del_Rey_Cat%C3%B3lico.jpg
Aitziber Eizaguirre / CC BY (https://creativecommons.org/licenses/by/2.0)
アラゴンについて少し触れたところで、今回ご紹介したいのはこの地方でおすすめ“スペインの最も美しい村”※。
※“~の最も美しい村”と言えば、フランスが有名ですね。実はスペインにもあります!『スペインの最も美しい村協会』が設立されたのは2011年。
中でも、イスラムゆかりの村として、その外観はもちろんイスラム都市の メディナを思わせる迷路のような路地、いずれも群を抜いて魅力的なのがアルケサル(Alquezar)です。
ここでひとつ知っておきたいのは、スペインの地名の頭に“Al(アル)”と付く 場合、それはイスラム時代の名残であること。
まさにアルケサルがそうですね!
もともとはアラビア語の砦や宮殿を意味する“Al-Qasr”が語源。それは、スペイン語で砦を表す“Alcázar(アルカサル)”にも同じことがいえます。
では早速、アルケサルへ行ってみましょう。その拠点となるのは、サラゴザ県の 県都、かつアラゴン州の州都でもあるサラゴサ(Zaragoza)。2千年以上の歴史を もつ古い町です。
サラゴサへは、マドリードのアトーチャ駅からスペインの高速鉄道AVEで1時間半弱。
サラゴサへ行ったら、エブロ川沿いに建つ、この町のシンボル『ヌエストラ・セニョーラ・デル・ピラール聖堂(La Catedral-basílica de Nuestra Señora del Pilar』は必ず訪れましょう!
ヨーロッパ最大と言われるピラール広場(Plaza del Pilar)で圧倒的な存在感を 放っています。
“ピラール(Pilar)”とはスペイン語で“柱”。歴史は紀元40年頃に遡ります。キリストの12使徒のひとり聖ヤコブの前に、柱の上に立った聖母マリアが出現したとの こと。。。当時の小さなお堂は現在、壮大な建物になっています。
<サラゴサのシンボル『ヌエストラ・セニョーラ・デル・ピラール聖堂』>
そして、サラゴサ県の県都サラゴサから北へ、ウエスカ県のアルケサル村までは車で約1時間半。
https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Basilica_del_Pilar_ZaragozaAragon(Spain).jpg
Willtron / CC BY-SA (https://creativecommons.org/licenses/by-sa/3.0)
ただし、この村へ向かう時には是非『ソブレ・アルケサル展望台(Mirador Sobre Alquezar )』に立ち寄って、アルケサル村を遠望しましょう。
<アルケサル村>
クローズアップ・・・
↑丘の上から弧を描く城壁が今なお健在です。その名の由来どおり、9世紀には 高台にアラブの砦がありました。これを11世紀キリスト教徒が奪回。村の名前は そのまま残されたのです。
まずここで、アルケサル村のパノラマを楽しみ、そのあと向かうのは、村の高台にあるソンリッサ・デル・ヴィエント展望台(Mirador Sonrisa del Viento)。その名も“風の微笑”・・・
無料パーキングもあるので便利ですね。 展望台からは、ベロ川渓谷(Rio Vero)の絶景が望めますよ!
こうしてアルケサルの迷路のような村の散策スタート!ランチも含めゆっくり 時間をとりたいですね。
展望台の辺りはアラブ地区と呼ばれ、ヌエバ通り(Calle Nueva)には観光案内所(Oficina de Turismo)がありますので、是非訪れましょう。
アルケサルは、ヨーロッパの中世の村ファンがワクワクするフォトジェニックな 風景であふれていますが、見逃せない観光スポットは押さえておきましょう。
まずは、観光案内所からもほど近い17~18世紀建立のサン・ミゲル教区教会(Iglesia Parroquial de San Miguel)
<サン・ミゲル教区教会>
https://commons.wikimedia.org/wiki/File:WLM14ES_-_22082004_142640_E_0246_-_.jpg
Turol Jones, un artista de cojones from Villanueva del Cascajal, República Independiente de Mi Casa / CC BY (https://creativecommons.org/licenses/by/2.0)
そして、マヨール広場(Plaza Mayor)。目印は下記の建物です。アーケードが続き中世の雰囲気そのものです。
<アーケードが続き中世の雰囲気漂うマヨール広場>
そしていよいよ、アルケサル観光の目玉ともいえるサンタ・マリア参事会教会(Colegiata Santa Maria la Mayor)へ。
9世紀アルケサル村の一番高い場所にあったイスラムの砦は、11世紀アラゴン王 サンチョⅠ世による村の奪回後、キリスト教の教会が建立されました。
ご覧のように、砦の上に横たわっているかのよう・・・
<9世紀イスラムが築いた砦の上に、キリスト教徒によって建てられたサンタ・マリア参事会教会>
<サンタ・マリア参事会教会のロマネスク回廊>
José Luis Filpo Cabana / CC BY (https://creativecommons.org/licenses/by/3.0)
さらに壁にはフレスコ画が描かれています。
<回廊に描かれたフレスコ画>
José Luis Filpo Cabana / CC BY-SA (https://creativecommons.org/licenses/by-sa/4.0)
村を見下ろすテラスからの眺望は・・・
ベロ川も見えますね!
広大なアラゴンの大地を眺めていると、レコンキスタ時代のイメージが益々ふくらんできますよ。
さて、アルケサルを訪れたら、足を延ばしたいのがアインサ村(Ainsa)。
村は、シンカ川とアラ川の合流する丘の上に位置しています。村の散策は、マヨール広場(Plaza Mayor)からスタートしましょう。
<アインサ村のマヨール広場へ>
広場はアーケードに囲まれていますが、よく見ると、一つとして同じ形のアーチはありません・・・お見逃しなく!
そして、アインサ村で必見なのが、上の写真にも写っている12世紀建立のサンタ・マリア教区教会(Iglesia parroquial de Santa Maria)の鐘楼です。是非、登ってみましょう。
<サンタ・マリア教区教会の鐘楼>
鐘楼の上からはご覧のような絶景が広がります。
鐘楼から見下ろすマヨール広場・・・
河川に恵まれるアインサ村・・・
鐘楼からの景色を楽しんだあとは、マヨール広場のカフェでゆったりしたり、気ままに路地散策もいいですね。
ということで、アルケサルとアインサ、アラゴン地方の美しい2つの村をご紹介しました。
ヨーロッパ最大かつ最古!のアラブの城 千百年の歴史ゴルマス城はこちらへ
ロマネスクファンは必見!7世紀の秘蔵プレ・ロマネスクはこちらへ
古くて壊れかけた家ばかりなのにカメラを向けたくなる村カラタニャソルはこちらへ
イニエスタの故郷アルバセテってどんなところ?スペインの絶景はこちらへ
写真撮影に失敗しない完璧なロケーション!“アルバセテの宝石“ホルケラはこちらへ
パラドールとしておすすめアラルコン城はこちらへ
本場で食べたい!”ハモン・イベリコの故郷ハブーコ村の記事はこちらへ
ユニークなフラメンコ巡礼!スペイン最大の巡礼地エル・ロシーオこちらへ
山歩きが好きな方におすすめ!スペインの名峰“ピコス・デ・エウロパ”はこちらへ
離島マニア必見!アウター・ヘブリディーズ諸島はこちらへ
“北アイルランド”で訪れるべきはここ!デヴェニッシュ島はこちらへ
ベルギーではなく、フランスのディナン!素敵なコロンバージュの町はこちらへ
一度は観たい!世界無形文化遺産『人間の塔』カタルーニャ魂さく裂!はこちらへ
スコピエに行ったら必ず訪れたい!圧巻の鍾乳洞 マトゥカ峡谷はこちらへ
“運が良ければ行ける!世界遺産”アイルランドのスケリッグ・マイケル島はこちらへ
クロアチアを再訪するならここ!『黄金の谷』スラヴォニア地方の記事はこちらへ
バルカンで絶対訪れたい国コソボ!そこは“バルカンのエルサレム“はこちらへ
“カタリ派“の歴史を知って訪れたいオクシタニー地方はこちらへ
ベルギーファン必見!中世のミニチュア都市ベギナージュはこちらへ
VWファンにはたまらない!スイスの湖畔にワーゲンバスが大集合はこちらへ
オレロン島“日本人観光客のいない”フランスの島でヴァカンス!はこちらへ
イエールがなぜ“コート・ダジュール”の名称発祥の地であるのか?はこちらへ
【バルカン半島】サラエボだけじゃないボスニア・ヘルツェゴビナの魅力はこちらへ
『フランスで住みやすい街』ナンバー1のアヌシーへ行ったら必ず見たい絶景こちらへ
フランシュ・コンテ地方で必ず訪れたい!世界遺産シタデルはこちらへ
フランシュ・コンテ地方でチャレンジしたい究極のスポーツとは?!はこちらへ
チーズではなくて“モンブラン山群を一望”!モン・ドー(モン・ドール)はこちらへ
フランシュ・コンテ地方のハイキングにおすすめ!サン・ポワン湖はこちらへ
フランスで体験したい!パラグライダーのベストスポット“モン・プペ”はこちらへ
フランシュ・コンテ地方のおすすめ世界遺産サラン・レ・バンはこちらへ
人生をも変える!“寝そべり自転車(リカンベント)はこちらへ
パラモーター世界チャンピオンと大空を舞うはこちらへ
“インカ帝国のルーツ”プレ・インカの遺跡を求めてペルー北部へはこちらへ
やっぱり遠い!ブラジルの世界遺産“フェルナンド・ジ・ノローニャ”はこちらへ
日本の夏に“ベストシーズン”を迎える南米の秘境はどこ?はこちらへ
【ベネズエラ】野生動物ウォッチングはゆったり5連泊!オリノコ大湿原はこちらへ
南米チリの秘境・絶景「マーブル・カテドラル」を目指し北パタゴニアへはこちらへ
秘境アマゾンなら“ボリビア”!ピンクイルカに出会う旅はこちらへ
これからブレイク間違いなし!ブラジルの秘境シャパーダ・ジアマンチーナはこちら
日本のお城まで存在する!パラグアイってどんな国?はこちらへ
観光で訪れる時代が再来!ハイチはこちらへ
今、南米に行くなら迷わずコロンビア!「黄金郷の国」はこちらへ
日本人観光客のいないカリブの島サン・アンドレス島へ!はこちらへ
南米のお祭りなら!メデジン年に一度のフラワーフェスティバルはこちらへ
秘境ファン必見!“虹色の川”カニョ・クリスタレス神秘の川はこちらへ
“幻のニカラグア運河”をクルーズ!淡水ザメの棲むニカラグア湖はこちらへ
秘境ダリエン!ジャングルに住むウーナン族はこちらへ
乾季におすすめ!ウユニ塩湖はこちらへ
マヤ文明を極めるなら“中米のポンペイ”はこちらへ
鉄道ファンへ!ブラジルのオリエント急行?!はこちらへ
“知られざるアルゼンチンの絶景“はこちらへ
マダガスカルに今行くなら!乾季だけ陸路が可能な世界遺産ツィンギーはこちらへ
ウサギではなく、国のアンゴラ!アフリカ第2の滝カランドゥーラ大瀑布はこちらへ
アフリカに初めて旅する方おすすめ!西アフリカの島国カーボ・ヴェルデはこちらへ
“動かない鳥”ハシビロコウを見にウガンダへ行こう!はこちらへ
こんなに違う!茶畑の景観 ダージリンとアッサムはこちらへ
「ダライ・ラマ亡命ルート」を辿る旅はこちらへ
インダス文明の真の担い手は誰か?!歴史の闇に葬られたトリプラ王国はこちらへ
今ブータンに行くなら東ブータンはこちらへ
環境問題を考える究極の旅!アラル海 水が蘇ったのはウズベク?カザフ?こちらへ
カザフスタンで必ず訪れたい世界遺産はこちらへ
インドを極める旅!第1回『モンパ(族)のゴルサム・チョルテン祭』はこちらへ
インドを極める旅!第2回『アパタニ族のドリー祭』はこちらへ
インドを極める旅!第3回『ワンチョ族のオリア祭』はこちらへ
インドを極める旅!第4回『イドゥ・ミシュミ族のレー祭』はこちらへ
インドを極める旅!第5回『ナガ族のホーンビル・フェスティバル』はこちらへ
インドを極める旅!第6回『ミゾ族のチャプチャル・クット祭』はこちらへ
インドを極める旅!第7回『カシ族のノンクレム祭』はこちらへ
“目を守るため”ならぬ“身を守るため”のサングラス!固定概念を捨てるはこちらへ
“語学習得”は旅を充実させることはもちろん旅づくりの可能性も広げるはこちらへ
フランシュ・コンテは冬の美しさも実は魅力です。雪景色が“癒し“そして”パワー“をも与えてくれます。“ヒーリング”効果ありのフランシュ・コンテ地方写真集ですので、是非のぞいてみてください!
雪景色に癒されるフランスの田舎: コンテチーズのふるさと フランシュ・コンテ地方 真の美しさに...
Amazon |
|
よろしければ「旅づくりへの思い」もご覧ください。
本日も『世界を深く知る旅』ブログをお読みいただきありがとうございました。