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 第4回『イドゥ・ミシュミ族のレー祭』番外編その①では、アルナチャル・プラデーシュ州の入り口となるアッサム州に住むアッサム族番外編その②では、アッサム州のディブルガール(Dibrugarh)から、アルナチャル・プラデーシュ州で最も古い町、東シアン県(East Siang)パシガート(Pasighat)に向かう途中のナリ村(Nari)に住むガロン族(Gallong)、そして番外編その③では、パシガート手前 ミレン村(Miren)アディ・ミニョン族(Adi-Mignon)さらに番外編その④ではロヒト県(Lohit)に住むピンクの民族衣装が印象的なミジュ・ミシュミ族(Miju-Mishmi)、およびナムサイ県(Namsai)に住むタイ系のカムティ族(Khamti)を  ご紹介しました。

 

 いよいよ番外編も最終回です。今回も“インドの異国”アルナチャル・プラデーシュ州に暮らす知られざる少数民族たちが続々と登場します。

 

 まずは、カムティ族と同じくナムサイ県(Namsai)に住むチャクマ族(Chakma)をご紹介したいと思います。

 

<機織りをするチャクマ族の女性>

 

 実は、チャクマ族はバングラデシュからの避難民としてアルナチャル・プラデーシュ州に暮らしています。

 

 下記の地図をご覧ください。

 

注)この地図は「Chittagong-map.PNG」に一部日本語を加えています。

https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Chittagong-map.PNG

By Zayiaf62089 (talk) (Uploads) [Public domain], from Wikimedia Commons

 

 元来、チャクマ族はバングラデシュ南東部に広がるチッタゴン丘陵地帯(Chittagong)に住んでいます。しかし彼らは、その地理的な理由もあってこれまで歴史に翻弄されて来ました。

 

 1947年8月14日イギリス支配にあったインドは、パキスタンとの分離独立を果たします。なぜパキスタンが分離されたかと言えば、大きな理由としてヒンドゥ教と イスラム教という宗教・文化の違いが挙げられるでしょう。

 

 そして、このときチャクマ族の居住地帯であったチッタゴンはどうなったかと言えば“彼らの意に反して”イスラム教のパキスタン領となってしまいます。彼らは“どちらかと言えば”イスラム教よりはヒンドゥ教の方に近いと考えていたからです。

 

 そのパキスタンは、独立後も大きな問題を抱えます。なぜならインドを挟んで西側のイスラム教信者が多い西パキスタンと、東側の仏教徒が多く占める東パキスタンは共存し難く、かくして1971年3月26日東パキスタンはバングラデシュとして独立したのです。

 

 東パキスタンにあったチャクマ族の居住地チッタゴンは、バングラデシュ領となります。しかし、ここでも彼らは受け入れがたい状況に追い込まれ、現在もチッタゴンとして分離独立を望む反政府運動が続いています。

 

 こうした背景から、安住の地を求める一部のチャクマ族は、アルナチャル・プラデーシュ州へと逃れて来たのです。

 

<チャクマ族の家の中>

 

<水たばこを手にするチャクマ族の男性>

 

 アルナチャル・プラデーシュ州に逃れて来たチャクマ族の人々が、穏やかな日々を送れるよう祈るばかりです。

 

 さて、場所は変わって下記の地図14チャンラン県(Changlang)へとやってまいりました。

 

注)この地図は「India Arunachal Pradesh districts English.PNG」に一部日本語を加えています。

又、2012年以降、kurung Kumey県からKra Daadi、Tirap県からLongding、Lohit県からNamsai,

West Siang県 及び East Siang県からSiangがそれぞれ県として独立しています。

https://commons.wikimedia.org/wiki/File%3AIndia_Arunachal_Pradesh_districts_English.PNG

By Сергій Зінченко (Own work) [CC BY-SA 4.0 (https://creativecommons.org/licenses/by-sa/4.0)], via Wikimedia Commons

 

<タギン族(Tagin)の人々>

 

<シンポ族(Singpho)の女性たち>

 

 シンポ族は、ミャンマーに住むカチン族の準種族で、もともと居住地であったミャンマー北部からアルナチャル・プラデーシュ州に移住して来たと考えられています。

 

 元来、狩猟や採集で生活を立てていたシンポ族ですが、現在は農業が主な収入源になっています。また鍛冶屋としても長けていて、それは彼らの民族衣装にも伺えます。

 

<タンサ族(Tangsa)の人々>

 

 チベット=ビルマ語族のタンサ族(Tangsa)が中国南西部からミャンマーを通ってアルナチャル・プラデーシュ州に移住して来たのは13世紀のことです。

 

 彼らは、稲作のほか農業で生計を立てていますが、ショウガやトウガラシ、ウコン、キャベツ、ホウレンソウに加えオレンジやレモンなどの果物も栽培しています。

 

 続いて、リス族(Lisu)です。

 

<リス族の男性>

 

<手には弓矢>

 

 

<リス族の女性>

 

<リス族の男女>

 

 チベット=ビルマ語族のリス族は、中越国境からアルナチャル・プラデーシュ州に移民して来た民族ですが、現在も中国南西部、ミャンマー、そしてタイにも住んでいます。

 

 そして最後は、アルナチャル・プラデーシュ州にある“チベット難民キャンプ”

出会ったチベット族(Tibetan)をご紹介します。

 

<チベット難民キャンプ>

 

<マニ車を手にするチベット族の女性>

 

 チベット仏教ゲルク派の最高峰であるダライ・ラマ14世の安住の地は、インド北西部ヒマチャル・プラデーシュ州(Himachal Pradesh)ダラムサラ(Dharamshara)ですが、1959年チベットから亡命を果たした際、そのルートとして選んだのはアルナチャル・プラデーシュ州でした。

 

 当時、妥当とされたネパールルートではなく、あえて6,000mの峠越えを強いられる過酷な道を選んだことで、ダライ・ラマ一行を追う中国軍の予想を見事に裏切ったのです。

 

 こうした経緯もあって、ダライ・ラマ14世は、幾度となくこのアルナチャル・プラデーシュ州を訪問しています。“チベット難民キャンプ“のチベット族も、この地で 得意とするハンディクラフトなどの商売をしながら静かに暮らしています。

 

 ダライ・ラマ亡命ルート“としてのアルナチャル・プラデーシュ州は、また別の 機会にご案内させていただきます。

 

 アルナチャル・プラデーシュ州の民族たちはいかがでしたでしょうか。インドの 一般的なイメージからは想像もつかない世界がこのアルナチャル・プラデーシュ州には満ち溢れています。

 

 機会がありましたら是非、訪れてみてください。

 

注)アルナチャル・プラデシュ州は入域許可書が必要です。個人旅行の場合は事前にきちんと確認してください。祭りに関しては、ローカルな民族の祭りのため、 スケジュールは極めて流動的ですので予めお含みおき下さい。          又、写真撮影の際は、その土地のタブーなども考慮して、人物の撮影と同じく、きちんと許可を得て行いましょう。

 

 

      第4回『イドゥ・ミシュミ族のレー祭』番外編その④はこちらへ 

      第4回『イドゥ・ミシュミ族のレー祭』番外編その③はこちら

      第4回『イドゥ・ミシュミ族のレー祭』番外編その②はこちら

      第4回『イドゥ・ミシュミ族のレー祭』番外編その①はこちら

      第4回『イドゥ・ミシュミ族のレー祭』その③はこちら

      第4回『イドゥ・ミシュミ族のレー祭』その②はこちら

      第4回『イドゥ・ミシュミ族のレー祭』その①はこちら

 

 

 

 アルナチャル・プラデーシュは、ダライ・ラマ14世がチベットから亡命した際、 最初に踏んだインドの地です。

 

       

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 本日も『世界を深く知る旅』ブログをお読みいただきありがとうございました。

 

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