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 “インカ帝国のルーツ”プレ・インカの遺跡を求めてペルー北部へその①はこちら

 “インカ帝国のルーツ”プレ・インカの遺跡を求めてペルー北部へその②はこちら

 “インカ帝国のルーツ”プレ・インカの遺跡を求めてペルー北部へその③はこちら

 “インカ帝国のルーツ”プレ・インカの遺跡を求めてペルー北部へその④はこちら

 

 その④では、プレ・インカ遺跡の中でもかなりユニークな“チャチャポヤス”文明について、そしてこの文明を代表する天空都市クエラップ遺跡(Kuelap)をご紹介しました。『北のマチュピチュ』とも称されますね。

 

 そこで今回は、同じチャチャポヤス文明の遺跡からカラヒア(Karajíaをご紹介します。さすが“雲上の人々”を名乗るチャチャポヤスの民、カラヒア遺跡は人を寄せ付けないまさに断崖絶壁にあります。

 

 早速行ってみましょう!

 

 まずは、古都チャチャポヤス(Chachapoyas)から北西へ約45キロにある小さな村クルスパタ(Cruzpata)へ山の谷間をゆくドライブです。

 

       

 

 クルスパタ村へ着いたら、オフィスでカラヒアのチケットを購入。

 

<チケット売り場>

 

 ここからは徒歩となります。(馬で行くことも可能)片道約1キロ30分位。

 

<カラヒアへの道>

 

 

 南米旅行では、季節によってサンダルを愛用する人も多いですが、ここはウォーキングシューズが好ましいですね。往路は下りですので、復路の方がやや大変です。

 

 そしていよいよ見えてきました!

 

<崖に立つカラヒア遺跡>

 

 

 遺跡の正体は“石棺”「カラヒアの石棺(Sarcófagos de Karajía)」と呼ばれています。

 

 クローズアップ!

 

 

 さらにクローズアップ!

 

 

 歩いて来た道にある見学ポイントから見上げると、25メートル位の高さに石棺は 立っています。海抜は約2,600m。

 

 まさに“人を寄せ付けない“驚異的な場所にチャチャポヤスの人々はこれらの石棺を設置したんですね。

 

 望遠レンズもしくは、双眼鏡をお忘れなく!

 

 ご覧いただくように、人の形をした石棺は現在6体。2体には頭蓋骨が置かれています。

 

 「カラヒアの石棺」の存在が明らかになったのは1985年。前のクエラップ遺跡でもふれた、ペルーの歴史家であり、考古学者のフェデリコ・カウフマン・ドイグ(Federico Kauffmann Doig)によって発見されました。

 

<ペルーの歴史家であり、考古学者のフェデリコ・カウフマン・ドイグ>

https://commons.wikimedia.org/wiki/File:FEDERICO_KAUFFMAN_DOIG.jpg

CUMAPA [CC BY-SA 4.0 (https://creativecommons.org/licenses/by-sa/4.0)]

 

 石棺の高さは2メートルを超えており。作られたのは1000~1300年頃と推測されています。

 

 それにしても、チャチャポヤスの人々はどのようにこれらの石棺を断崖絶壁に設置したのか!?まだ、その謎は解明されていませんが、おそらくこの場所へ至る“今は無き道”があったのではないかとも考えられます。

 

 ではなぜ、こんな場所に石棺を置く必要があったのでしょうか?!それはやはり 墓の略奪から守る

 

 石棺の中からはミイラが見つかっていますが、それらはチャチャポヤス社会に おける“指導者たち“であるとともに、信仰の対象“であったと考えられています。

 

 おそらく、チャチャポヤスの人々は、この石棺が自然もしくは人間によって破壊されてしまえば、彼らの人生が決定的に終わってしまうと考えたのでしょう。

 

 実は、この石棺が向いている方向は太陽の昇る東・・・

 

 まさに“復活”“死後の人生”を信じたチャチャポヤスの人々の世界観と 言えますね。

 

 さて、この石棺をよくみると、粘土質でできた平らな顔立ち。猛禽類を思わせる 鋭い形の鼻先。顎もずいぶん突き出しています。

 

 頭に置かれた頭蓋骨は、勝利を称え荘厳な印象を与える王冠とも言えますね。

 

 また胸元にはチャチャポヤス文明でよく使われた保護神を象徴する幾何学的模様が見られます。

 

 石棺の中のミイラは、胎児の恰好で座らされ、村ごとに異なるマントを着せられていました。

 

 チャチャポヤス文明の遺跡「カラヒアの石棺」はいかがでしたでしょうか。 

 

 チャチャポヤスの人々が願ったとおり、今も私たちは石棺に近づくことはできません。だからこそ、訪れた際は、チャチャポヤス文明に思いを馳せ、想像力を最大限にふくらませて、歴史ロマンにひたりたいですね!

 

 ちなみに、チャチャポヤス文明の栄えたこの地域には、下記のようにいくつか見どころがありますので、お時間のある方は巡ってみましょう。

 

 

 たとえば、チャチャポヤス遺跡の中でも、かなりアクセスが難しい「レバッシュの空中墳墓(Mausoleos  de Revash)」

 

<レバッシュの空中墳墓>

https://commons.wikimedia.org/wiki/File:RevashAnnexe_(2).jpg

BluesyPete [CC BY-SA 3.0 (https://creativecommons.org/licenses/by-sa/3.0)]

 

 高さ771メートルを誇る世界でも有数の「ゴクタの滝(Catarata de Gocta)」

 

<ゴクタの滝>

https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Gocta.jpg

Elemaki [CC BY 3.0 (https://creativecommons.org/licenses/by/3.0)]

 

 北ペルーのプレ・インカ遺跡その⑥へと続きます。

 

 

 “インカ帝国のルーツ”プレ・インカの遺跡を求めてペルー北部へその④はこちら

 

 

 インカ帝国を知る入門書はこちら

 

 

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