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 コソボその②その③では、世界遺産『中世建造物群』やオスマントルコ時代の 雰囲気が感じられるプリズレン(Prizren)、伝統家屋も多く残るジャコヴァ(Gjakovë)、さらに涼しげな渓流に心癒されるルコヴァ峡谷(Rugova)など、 コソボ観光見どころをご案内しました。

 

 そこで今回は、さらにコソボを深く知るべく、ややマニアックな遺跡そしてあのマザー・テレサ運命をも変えた地などをご紹介したいと思います。

 

 えっ?コソボとマザー・テレサにどんな関係があるの?この後お分かりいただけます・・・

 

 まずはコソボその①の歴史解説でも触れました1389年“コソボの戦い”の地です。首都プリシュティナ(Pristina)から北西へ約8km。

 

 地元ではガジメスタンの碑(Gazimestan Monument)と呼ばれています。

 

       

 

 この戦いは、コソボのみならず、バルカン半島にとって重要な戦いとして、深く 歴史に刻まれています。

 

 1389年セルビア軍ラザール王vsオスマントルコ軍ムラート王の戦いは、オスマントルコに軍配があがりました。これにより、7世紀以降セルビア人含むスラブ系が支配していたバルカンの“トルコ化”がはじまったのです。

 

 歴史に“もしも”は禁物でしょうが、もしセルビア軍が勝利していたら、バルカン半島の今は全く違ったものになっていたでしょう。

 

<首都プリシュティナの北西約8km“コソボの戦い”の地>

 

<“コソボの戦い”記念碑(Gazimestan Monument)>

 

<“コソボの戦い”で勝利したオスマントルコ王ムラートⅠ世の廟>

 

 続いて訪れるのは、首都プリシュティナから南東へ約40㎞にあるノヴォベルダ

(Novobërdë)です。

 

      

 

 ここは古代から中世を通して鉱物資源に恵まれた場所として知られていました。 14世紀セルビア王国時代ステファン・ミルティン王によって築かれた城砦が 遺跡として残されています。

 

ノヴォベルダの城砦跡

 

 また、首都プリシュティナからコソボ北部の町ミトロヴィツァ(Mitrovicë方面へ北西約30kmにヴシュトリ(Vushtrri)という町があります。

 

       

 

 もともと古代イリリア人(またはイリリア人)によって築かれた町です。

  イリリア人(またはイリュリア人)はトラキア人、ダキア人とともにバルカン最古の民族

 

 その後1世紀にはローマ、続いてビザンチン帝国、そしてオスマントルコの支配を受けます。

 

 現在、ヴシュトリの町の西郊外に、14世紀から15世紀にかけて建設された 石橋が保存されています。

 

 これはコソボ最古の橋としても知られています。橋の長さは135m、幅は6m。かつて流れていたシトゥニツァ川(Sitnica)は現在その流れを変え、水無しの橋となっています。

 

<ヴシュトリ(Vushtrri)にあるコソボ最古の石橋>

 

 ちなみに、前に触れたコソボ北部の町ミトロヴィツァ(Mitrovicëは、コソボで最も古い町の一つですが、1998年から1999年のコソボ紛争において壊滅的な被害を受けました。

 

       

 

 またこの時以降、イバル川(Ibar)に架かる橋を隔て、町の南部はアルバニア系住民、北部はセルビア系住民といった形で住み分けがされています。

 

 セルビア国境に近いコソボ北部は、他の地域に比べまだ民族間の緊張感もある為、訪れる際には状況の確認が必要でしょう。

 

<コソボ北部の町ミトロヴィツァのイバル川(Ibar)

 

 次に、首都プリシュティナから南へ約70km、マケドニア国境にほど近いレトニツァ(Letnicë)は、コソボにおいて少数民族であるクロアチア人が住んでいる地域です。

       

 

 1999年コソボ紛争の後、多くのクロアチア人は本国クロアチアへと移り住み ましたが、一部のクロアチア人はコソボにて暮らしています。

 

 クロアチア人信者が多いレトニツァには下記のようにカトリック教会があります。

 

<レトニツァにあるカトリック教会

 

 ここは、マザー・テレサが幼少の頃、現在のマケドニアの首都スコピエ(Skopje)から両親とともによく訪れていた教会です。

 

 スコピエから北へ、レトニツァまでは約70km。

 

      

 

 そして、彼女がマザー・テレサとしての道“を歩むきっかけとなった「神の啓示」を受けたのがレトニツァの教会だったのです。

 

 かくして彼女はインドのコルカタ(カルカッタ)へ向かい、貧者の救済にその生涯をかけます。

 

 レトニツァはまさにマザー・テレサ運命変えた地・・・

 

 マザー・テレサ自身も「思考を変えなさい~」のフレーズに始まる“運命を変える“

名言を残していますね。

 

 さて、マザー・テレサと言えば、現在のマケドニアの首都スコピエ生まれ(1910年8月26日)ですが、当時そこは、レトニツァ同様にオスマントルコ帝国コソボでした!

 

 さらに両親はアルバニア系ながら熱心なカトリック教徒であったということです。

 

 ここで注目される3つの国名マケドニアコソボアルバニア

 

 つまりマザー・テレサはこのいずれの国にとっても「我が国」マザー・テレサと言われ得る大切な人物なのです。

 

 最後に、首都プリシュティナでおすすめの博物館が民俗学博物館(Ethnological Museum)です。オスマントルコ時代の家屋や調度品などがご覧いただけます。

 

<プリシュティナにある民俗学博物館(Ethnological Museum)>

https://commons.wikimedia.org/wiki/File%3AKompleks_Banimi_Emin_Gjiku_Muzeu_Etnologjik.jpg

By Ardian Lumi (Own work) [CC BY-SA 4.0 (https://creativecommons.org/licenses/by-sa/4.0)], via Wikimedia Commons

 

 いかがでしたでしょうか。バルカンの歴史を知ってこそ、コソボ観光はより充実したものになるでしょう。

 

 次のコソボその⑤では、コソボからの日帰り旅行、アルバニア北部アルプスをご紹介します。

        コソボ共和国その③の記事はこちらへ。

        コソボ共和国その①の記事はこちらへ。

 

 

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