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こちらでは『海外のユニークな旅先ばかり』をご紹介しています。
“コソボ観光をする前”に是非知っておきたい!複雑なバルカンの歴史に ついては、コソボその①をご参照ください。
コソボを知ってはじめてバルカンの歴史、民俗、宗教が見えてくるとも言えるで しょう。
ちなみに、民族と宗教のるつぼ“バルカンの火薬庫”と呼ばれた旧ユーゴスラビアが解体され、指導者チトーの母国セルビアから次々と独立国が生まれますが、その経緯はおおまかに以下の通りです。
1991年:クロアチア、スロベニア、ボスニア・ヘルツェゴビナ、マケドニアが 独立
*つまり、この段階ではモンテネグロは独立せず、セルビアと共に 新ユーゴスラヴィア連邦を形成。コソボはまだセルビア領です。
2003年:セルビアとモンテネグロは連邦を解体し、セルビア・モンテネグロ国家
連合となります。
2006年:最後までセルビアと共にしていたモンテネグロが独立 *モンテネグロは、前の4カ国に比べ独立が遅いものの、通貨はいち早くユーロ
を使用。これには独立前の1999年ドイツマルク導入という背景があります。
2002年ドイツマルクの廃止とともに自動的にユーロに。
2008年2月17日:コソボが独立 セルビア国内で一民族にすぎなかったアルバニア人は、悲願叶って“国民”
となったのです。
*コソボは1999年のコソボ紛争後、国連管理下でドイツマルクを導入した経緯
から、モンテネグロ同様に2002年自動的にユーロに。
それでは、コソボ観光の見どころとして、まず貴重な世界遺産(危機遺産にも登録)『中世建造物群』をご紹介したいと思います。それらは下記の4つです。
□グラチャニツァ修道院(Gračanica Monastery) □デチャニ修道院(Dečani Monastery) □ペーチ総主教修道院(Patriarchate of Peć Monastery) ※アルバニア語ではペヤ(Pejë)
□リェヴィシャの生神女教会(Church of the Virgin of Leviša)
イスラム教のアルバニア人が92%を占めるコソボで、唯一の世界遺産がセルビア 正教の『中世建造物群』というのは、やや皮肉な感じがしないでもありませんね。
しかし、国旗に記された6つの星のように、新国家コソボは“異なる民族が 共存すること”を宣言しています。
よってこれらは“民族や宗教を超えた“コソボの文化遺産として重要なのです。
また、バルカンは“ビザンチン芸術の宝庫”といえる地域ですが、とりわけコソボに関しては、これまでセルビア内で長いあいだ紛争地帯であったにもかかわらず、奇跡的に戦火をまぬがれた教会や修道院群、何よりその内部に見事なフレスコ画が保存されています。
フレスコ画は、基本的に撮影が禁じられている場合が多いのでご注意下さい。
ここで、コソボの地図をご覧ください。
注)この地図は「Kosovo-map.gif 」に一部日本語を加えています。https://commons.wikimedia.org/wiki/File%3AKosovo-map.gif
By Central Intellegence Agency (Kosovo) [Public domain], via Wikimedia Commons
1つ目のグラチャニツァ修道院(Gračanica Monastery)は、首都プリシュティナ(Pristina)から南へ約10kmのところにあります。
1999年NATOのセルビアへの空爆の際に、コソボのセルビア人のほとんどが ここへ逃げて来たとのこともあって、この辺りは今もセルビア人が多く住む地域と なっています。
<グラチャニツァ修道院(Gračanica Monastery)>
1321年セルビア王ステファン・ミルティンにより建設された修道院です。内部には14世紀オリジナルのフレスコ画に加え、16世紀に描かれたものも色鮮やかに保存されています。
https://commons.wikimedia.org/wiki/File%3AInterieri_i_Manastirit_t%C3%AB_Gra%C3%A7anic%C3%ABs.jpg
By Ardianlumi (Own work) [CC BY-SA 4.0 (https://creativecommons.org/licenses/by-sa/4.0)], via Wikimedia Commons
2つ目のペーチ総主教修道院(Patriarchate of Peć Monastery)は、コソボ 西部ペーチ(Peć)※近郊のルコヴァ峡谷(Rugova)入り口に位置しています。
※アルバニア語ではペヤ(Pejë)
首都プリシュティナからは西へ約90km。
セルビア総主教座がおかれているとともに、霊廟にもなっています。13世紀 から14世紀にかけて建立された3つの教会内部には時代ごとのフレスコがご覧いただけます。
<風光明媚なルコヴァ峡谷(Rugova)>
コソボは実は自然の宝庫!山や谷、肥沃な土地に恵まれています。
<現在も修道女が暮らすペーチ総主教修道院(Patriarchate of Peć Monastery)>
3つ目のデチャニ修道院(Dečani Monastery)は、ペヤ(Pejë)から南へ約12㎞、プロクレティエ山(Prokletije)の裾野に位置しています。
1327年から1335年にかけて、セルビア王ステファン・デチャンスキーのために建設されました。
<デチャニ修道院(Dečani Monastery)>
https://commons.wikimedia.org/wiki/File%3AVisoki_De%C4%8Dani%2C_exterior_view%2C_Julian_Nitzsche.jpg
By Julian Nitzsche (Own work) [GFDL (http://www.gnu.org/copyleft/fdl.html) or CC BY-SA 4.0-3.0-2.5-2.0-1.0 (https://creativecommons.org/licenses/by-sa/4.0-3.0-2.5-2.0-1.0)], via Wikimedia Commons
デチャニ修道院のフレスコ画には、実に1000人を超える人物が描かれ、中に入ると全面に描かれたフレスコ画に圧倒されます。実際、その芸術性も高く評価されています。
以上、グラチャニツァ修道院(Gračanica Monastery)、ペーチ総主教修道院(Patriarchate of Peć Monastery)そしてデチャニ修道院(Dečani Monastery)は、とにかくフレスコが見事ですので、是非コソボ観光の際には訪れてください。
続くコソボ共和国その③にて、4つ目のリェヴィシャの生神女教会(Church of the Virgin of Leviša)及び、教会のあるコソボ南部の町プリズレン(Prizren)を ご紹介しますが、プリズレンとデチャニ修道院の間には、ジャコヴァ(Gjakovë)という町があり、ここは木造家屋も建ち並ぶ古き街並が見られますので是非お時間が ありましたら寄って見て下さい。
<アルバニア人の多く住むジャコヴァの町>
コソボ共和国その③にてリェヴィシャの生神女教会、歴史的な町プリズレンを ご紹介します。
コソボ共和国その①はこちらへ
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