2007年の「読んだ本」
というのをむかし書きました。
昨年は忘れていたのですが、今年は思い出したので書いてみます。
■今年いちばん読んで損をした気がする本■
陽気なギャングが地球を回す (祥伝社文庫)

陽気なギャングの日常と襲撃 (祥伝社文庫)
(伊坂 幸太郎)
このシリーズ、面白いような気もするのですが、好きになれませんでした。
伊坂幸太郎の本が好きだったら毎日楽しいだろうなぁといつも思います。
そういう意味で「損をした気がする」と言ったら、ちょっとこじつけが過ぎるかしら。
■今年いちばん長かった本■
オリンピックの身代金
(奥田 英朗)
面白かったですが、「終わらないでー」というよりも「けっこう長いなぁ」という印象でした。
中井英夫全集〈1〉虚無への供物 (創元ライブラリ)

こちらは、日本三大奇書のひとつ。
長かったこととヘンだったことは覚えていますが、ストーリーはほとんど覚えていない。
■今年いちばんミーハーで買った本■
心霊探偵八雲〈1〉赤い瞳は知っている (角川文庫)

2巻以降面白くなりそうなシリーズです。
追いかけるつもりは特にありません。
■今年いちばん食前にも食後にも読みたくない本■
ゾティーク幻妖怪異譚 (創元推理文庫)
(C.A.スミス)
拷問が痛そうで……。
おぞましくて怖いのですが、最終的な印象は「美(頽廃美)」という不思議な世界。
■今年いちばんたくさん殺人が起こった本■
子供たちは森に消えた (ハヤカワ文庫NF)
(ロバート・カレン)
ロシアで起こった事件を追ったノンフィクション。本当に怖い。
↓こちらは、この事件をもとに書かれたミステリ。私は未読ですが、面白いらしい。
チャイルド44 上巻 (新潮文庫)

チャイルド44 下巻 (新潮文庫)
(トム・ロブ スミス)
■今年いちばん「本が読めるってステキ!」と思った本■
華氏451度 (ハヤカワ文庫SF)
(レイ・ブラッドベリ)
本を持つこと、読むことが禁じられている世界のお話。
主人公は焚書の専門家だけれど、つい本のページを開きそのステキさを知ってしまったからさあたいへん。
「本禁止」の理由は、自分でじっくり考えたり思想を持ったりしてはいけない(争いの元だから)みたいな理由だったと思うのですが、そのまま思考停止時代への警鐘。
■今年いちばん「いまさら」と思いながら読んですごくよかった本(長)■
ベルサイユのばら 全5巻
(池田理代子)
実はこの年になるまでまともに読んだことのなかったベルばら。
中学校のとき歴史の先生がくだらない授業のかわりにこの漫画を薦めてくれていたら、私の人生は変わっていたに違いない。
オスカルはもちろんステキですが、アンドレの耐える男っぷりに滝涙(笑)
ちくしょうアンドレ、いい男だ。
あと、この歳になったから思うことですが、ルイ16世もなかなかいい味を出してます。
奥さん(マリー=アントワネット)を愛しながらもコンプレックスのためにそれをうまく表現することができず、妻が女性としての幸せ(=フェルゼンとの恋)を望むことをどうして責められるでしょうか、とひそかに涙する姿に思わずもらい泣き(笑)
■今年いちばん2時間ドラマだった本■
赤い指 (講談社文庫)
(東野圭吾)
この人の本、売れるよね。好きじゃないけど。
これまで何冊か読んでみて、やっぱり面白いといえば面白いのですが、どれもこれもなんとなく納得いかないんだよなぁ。
■今年いちばん続きが気になる本■
金子一馬画集 I

金子一馬画集 II

金子一馬画集 III

全10巻のはずだが、発刊が遅れに遅れていて心配。
■今年いちばんジャケ買いして中を読んでいない本■
- 伊豆の踊子 (集英社文庫)/川端 康成
いや、だってほら、中身そのものはもうずいぶん前に読んだしさ。
……すみません、白状します。
ジャケ買いというか、ジャケットを買いました。
集英社に踊らされたのは私です。
■今年いちばんジャケ買いして失敗した本■
- あなたにもできる悪いこと (講談社文庫)/平 安寿子
この表紙(女の子は「おじちゃん……」と言っている)とタイトルが面白そうで買ったのですが、内容(というか登場人物)はあんまり好きじゃありませんでした。
詐欺師たちのお話で、決して面白くなくはないのだけれど、登場する誰も好きになれなかった。
ストーリー自体も、伊良部シリーズのオチの弱い版みたいな感じ。
カバーをデザインした方に深い尊敬(と軽い憎しみ)を覚えました。
■今年いちばんタイトルに引かれて買ってアタリだった本■
BG、あるいは死せるカイニス (創元推理文庫)
(石持 浅海)
こちらは逆にタイトルで「?」と思って買い、読んでみて面白かった本。
生まれるときは全員女性で、「すぐれた」女性が男性化して子孫を残していく、という世界で起きる殺人事件。
最後に「BG」の意味もちゃんとわかるのでご心配なく。
■今年いちばん開くまでに時間がかかった本■
グッドラック―戦闘妖精・雪風 (ハヤカワ文庫JA)
(神林 長平)
春ごろに買ったような気がします。
開くまでに時間がかかったというか、まだ開いていません。
■今年いちばん「もっと勉強しておけばよかった」と思った本■
修道女フィデルマの叡智 修道女フィデルマ短編集 (創元推理文庫)
(ピーター・トレメイン)
このシリーズは中世アイルランドの弁護士・フィデルマが主人公のミステリ。
時代考証もしっかりしているみたいだし、ミステリとしても面白いし、お気に入り。
もっと歴史の勉強しておけばよかったなー。
……今からでもしなさいってハナシですね。
■今年いちばんスタイリッシュだった(気がする)本■
トーキョー・プリズン (角川文庫)
(柳 広司)
この人の文章ってかっこよくて好きです。
■今年いちばん山男には惚れないぞと思った本■
岳 (1) (ビッグコミックス)
~岳 10 (ビッグコミックス)
(石塚真一)
借りて読んだ漫画。
この作品を好きな方はとても真面目だと思う。
絵柄が浦沢直樹に似ている。
ちなみに私は冬山には絶対行きたくない。
■今年いちばん「読みましたって!」と主張してその実読んでいなかった本■
慟哭 (創元推理文庫)
(貫井徳郎)
私が読んでいたのは、同じ作者の神のふたつの貌 (文春文庫)
でした。
後になってそのことに気づき、貸してもらって読みました。
『慟哭』のほうが面白かったです。
最後まで仕掛けに気づかなかった。
■今年いちばん「もっと私を呼んで!」と思った(?)本■
妖女サイベルの呼び声 (ハヤカワ文庫 FT 1)
(P.A.マキリップ)
マキリップに出会ったのは今年だと思うのですが、とても緻密なファンタジーを書く作家です。
緻密といっても、設定が複雑で疲れるということはありません(と思う)。
私は大好き。
■今年いちばん世界なんてくだらない(笑)と思った本■
銀河ヒッチハイク・ガイド (河出文庫)
(ダグラス・アダムズ)
感想は前に書きました。→ここだよ
もっともっと読んだ気がするのですが、もういい加減書いた気がするので今年はこのあたりで。
来年はもう少しレビューを書いて、きちんとまとめてみようかな。
映画もばらばらになっているし……。