しゃばけ/畠中 恵
¥540
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しゃばけ という本を読みました。
すいーっと読めます。

薬種問屋の一人息子、病弱な若だんなの一太郎は、どういうわけだか妖怪に囲まれて暮らしています(その理由は、最後で明らかになります)。ある夜、こっそり出かけての帰り道、若だんなはなにやら人ならぬものに追いかけられ、ようやく振り切ったかと思ったらぶすりとやられた遺体を発見します。その後、一太郎の周りで薬に絡んで物騒な事件が続くようになり…。

「大江戸人情推理帖」だって。

妖怪はたくさん出てきますが全然怖くありません。
推理といえば推理ですが、そもそもファンタジーの世界なので、脳みそがツイストしそうな難しい論理もなく、さらーりと読めます。
江戸が舞台なので「歴史もの」でもあるわけですが、特に歴史の知識はいらないし薀蓄もないしスッキリしています。
主人公の一太郎が寝ている時間がやけに多いしやけに脳内独り言が多いので、ちょっともったり感はありますが、そのなんともいえない退屈な時間もまたいいのかもしれないです。
でも、ラストに近づくにつれてどんどんお話は加速し、最後はちゃんと一太郎も活躍して(笑)終わります。
一太郎が、「俺が解決してやる!」とか意気込んでおらず、はじめから最後までへなちょこなところ(体力的に、です。根性はなかなかのもの)がなんとも可愛らしいです。おぼっちゃんらしい優しい子で、ほんにゃりする。
ただ、妖怪たちがみんなえらい常識人(?)で、そういう意味ではすごくおとなしい話。

まあ、そんなかんじです。

文章もストーリーも、とても丁寧で初々しいです。
続きもたくさん出ているようですが、この『しゃばけ』以外は短編なのだそうです。となると、そっちも読んでみたい気もするかなぁ。長編と短編って全然違うもんね。

まあ、暇で暇で仕方がなく、難しい文章は読みたくないときにでもどうぞ。