ちょっと前にテレビでやっていた『タイムマシン』を見ました。

タイムマシン 特別版

¥980 Amazon.co.jp

すごいんですよ! そのすごさが値段に表れてるよね。

一言で言うと、


恋人を殺された科学者がタイムマシンを発明して、過去を修正しようとするお話。


…のはずなのに、なぜか未来に行くんです。

事故じゃなく、「過去を修正するには未来に行くしかない!」と主人公は考えるんです。


なんで?


恋人を亡くす前の過去に戻ってなんとか彼女の死を妨げようとするのはわかります。

実際そうするのですが、どうやっても(といっても2回ほど)彼女は死んでしまうんです。

そこで主人公は考える。

「未来に行く必要がある」


そんなこと考えるか? 科学者だろ? タイムマシン作るような天才だぜ?

いや、そりゃね。彼女が亡くなるシーンばかり延々続けるわけにはいかないですよ。
だったらはじめから動機付けを変えるほうがいいと思うんです。

純粋に未来に行ってみたかった、でいいじゃないですか? そのほうが納得できますよ。

で、未来に飛んでからはまったく別の話になり、主人公は恋人のことなどすっかり忘れてしまうようです。

ああ、なるほど。


時間が慰めてくれたんだ(違)



80万年後の未来には、エロイ族(なんかしらんがわずかながら英語を話す)とモーロック族(地下に住んでいて、エロイ族を食べる)がいて、なんかしらんがその争いに巻き込まれる。


なんやかんやの後、結局タイムマシンは壊れて、主人公は80万年後に残るというお話。

なんかもう、すごい。


始まった瞬間「あ」という雰囲気を漂わせていたのがすごい。

タイムマシンも一瞬で完成。

というか、タイムマシンを完成させる動機付けのはずの恋人の死が、彼の心の中からあっさり消えるのには唖然でした(笑) いらなかったと思う…。


でも、ストーリーはともかくとして、タイムマシンのデザインはかわいらしかったし、19世紀末の主人公が未来(つまり現在)のニューヨークに降り立つところなんかは面白かった。

それから、未来の図書館(?)みたいなところにいる、電子映像の黒人のお兄ちゃんなんかも面白かったなぁ。最後はそのお兄ちゃんがお花畑で子どもたちに話をしていたりして。



ちゃんと原作があります。

モーロックのおじいちゃんと主人公が話をするところあたり、ちょっとイデオロギー臭がして。


ちなみに、映画冒頭の恋人のくだりは、原作にはないのだそうです。


表紙はノベライズっぽいですが、れっきとした古典SFです。
読んでいませんが、映画より面白いことは保証します(笑)

タイムマシン (角川文庫)/H.G. ウェルズ

¥500 Amazon.co.jp