- さて、言わずと知れた天空の城。
- 先週あたりにテレビでしていた気がする(観たけれど、それがいつだったのかすでに記憶がない…)。
粗筋は、もういいかなぁ。
まとめるのがうまくないので申し訳ない…。
一言(?)で言うと、
「パズウゥゥゥー!」
「シータアァァァ!」
です。
…ウソです。ごめんなさい。
私は実は、これまで見た宮崎作品の中ではこの『ラピュタ』がいちばん好きです。
『コナン』も好きですが、構造は同じです。
これ、もう20年も前の作品なんですね…。
このたびで多分4,5回目だと思いますが、何度見てもいいものはいいなぁ。
まず、全編通して「空を飛ぶ」ということへの素直な憧れが溢れていて、空の描写が本当にきれい。
パズーたちは入れ物のような乗り物に乗るのではなく、いつも風に触れているからか、空が広がりを持っている気がする。
「ラピュタ」は高度に発達した文明を持つ人々が作ったいわば天空都市なのですが、人間はすでにおらず、人工の自然(矛盾していますが)の中で、ロボットと動物達が暮らしている。
その置き去りにされたロボットが、昔人間にあった自然を慈しむ心をそのまま残している。
そんな現代文明への警鐘とも取れる部分もあるし、実際にムスカや軍の人間の身勝手さと対照的ですが、そういったカタいことはこのへんでやめよう。
で、パズーとシータです。
パズーは、まっすぐで、何も恐れないし、こうだと思ったらすぐ行動する。
その根底にあるのは、純粋さなのかな、と思います。
だから、嫌味がないんだろうね。
ある意味空想上の生き物ですが、それだけに大人になってから見るとノスタルジーを感じるのかもしれない。
それに、パズーのそういった溌溂さは、何にも頼らない、彼の体の強さから来ているのではないかと思います。
彼は道具に使われることなく、使っている。
人間の少年のエネルギーで溢れていて、その腕や足でよじ登ったり走ったり、受け止めたり、そういうアクションのひとつひとつがとても力強い。現実にありえなくたって問題ない。
シータの方は、すぐさらわれるヒロインの典型ですが(笑)、賢くて優しくて強くて、なにせ可愛い。
彼女は「とらわれのお姫様」でなく、自分からも行動するし、銃を手にしたムスカにも毅然と立ち向かう。
彼女の言葉の力にははっとします。
でもまあ、結局はパズーが助けに来てくれるから、いいよね…(笑)
このたび改めて見て「すごいなぁ」と思ったのは、彼らの間にはどこにも恋愛関係をにおわせるものがないことです。
あったっていいのでしょうし、お互いがお互いを好きなのはよくわかるのですが、「パズーはシータでなくてもそうしたんだろうな」と思わせるところがすごいです。
ちょっと大げさですし、「ジェンダーだ!」とお思いになる方もいらっしゃるかもしれませんが、「男の子ってのはこういうものなんだよ」って。もしかしたら、「こうしてしまうものなんだよ」かもしれない。(だったらいいな、という私の願望かもしれない。)
それだから個人的な物語ではなく、もっと万人に訴えかけることができす作品になっているのかもしれない。
とにもかくにも、ドキドキの冒険譚であり、理屈抜きで面白いです。
どこか憎めない海賊達もいい味出してます。
ムスカの壊れっぷりも(笑)
あ、いつか私が「ラピュタが好き」とある友達に言ったら、彼女は「シータのおさげが撃ち落とされるのは監督の趣味で、監督はああいう髪型の女の子フェチに違いない」と実に的確(?)な分析を披露してくれました。
ご覧になっていない方は、ぜひどうぞ。
主題歌の「君をのせて」は、いつ聞いても涙が出そうになる。