お久しぶりです。


本当は、アキバの事件のことをずっと書こう書こうと思っていたのですが、書けそうになるまで待っていると月が変わりそうなので、先日見てきた映画のお話から書きます。


折りしも、昨日日曜日の新聞に、


女子高生17人 「みんなで妊娠」


という記事が1面に載っていました。この見出し、ショッキングですよね。

これはアメリカのニュースです。

マサチューセッツ州にある高校で、女子生徒のグループが、「みんなで妊娠、出産、子育てしよう」という協定を結んで、実際に17人が妊娠したそうです。


すごい話ですよね…。

そこで少し「JUNO」も引き合いに出されていました。

ブリトニー・スピアーズの妹さんが17歳で出産したり、「JUNO」のような映画が話題になったりしたことが、「協定」を結んだ女子高生たちに影響しているのではないかと指摘する団体もあるのだそうです。


そういう映画だったのかしら? と思いましたが…。


で、JUNOです。


JUNO ジュノ (ソフトバンク文庫 コ 3-1)/ディアブロ・コディ
¥650
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監督:ジェイソン・ライトマン

脚本:ディアブロ・コーディ

出演:エレン・ペイジ、マイケル・セラ、ジェニファー・ガーナー、ジェイソン・ベイトマン、アリソン・ジャニー、J・K・シモンズ


ジュノは16歳の女の子。高校1年生の秋、同級生ポーリーとの興味本位の初体験で妊娠してしまう。

中絶しようと中絶クリニックに向かうが、クリニックの前で同級生が中絶反対運動をしていた。

「胎児にも爪がある」と言う彼女の言葉に、ジュノは中絶を断念、産むことに決める。

産まれてくる子を最高の里親に預けようとタウン誌を探し、マークとヴァネッサの夫婦を見つけ、養子縁組の契約を交わす。

美人だが神経質なヴァネッサに対し、マークとはパンクロックやホラー映画のことで話が合い、ジュノは契約成立後も何度かマークを訪れる。ジュノはやがて、理想的に思えた夫婦の間にすれ違いがあることを発見することになる。

季節はめぐり、おなかはどんどん大きくなって、とうとう出産の日を迎えたジュノの決断は…。


JUNO
これは、前田珈琲でもらったクッキー。かわいいでしょ。
チョコじゃなくて、砂糖。懐かしいお味。けっこうおなかいっぱいになります。


とってもかわいい映画でした。

「十代の女の子が妊娠した」というお話だと、どうしても重苦しいものを思い浮かべがちですが、全編を通してかわいいので、「つらいなぁ」とか「みていられない」と思う場面はほとんどありませんでした。


かといって、重いテーマをおちゃらけ半分で扱っているのではありません。

中絶をやめたからいい映画だったのでもありません。みんな、十代で子ども産もうぜって話でもありません。

ジュノが、いつも家族や友人や、恋人に支えられているのだ、というこれまでなんとも思っていなかったことに気づいていくから、「見てよかったな」と思ったのだと思います。


若くて危なっかしいけれど、頭がよく、自立心があり、魅力的。

70年代のパンクが好きという、ちょっと変わった高校生なのですが、泣いたり笑ったり、不安になったり喜んだり、感情が大きく揺れるところはいたって普通の女の子。

エレン・ペイジが十代の子の強がりや不安、勇気、年のせいの率直さや浅慮といったものを、見事に演じていました。

そして、ジュノの家族と友だちの愛の深さにも感動です。

妊娠を告げられたとき、お父さんもお母さんも、ショックを受けながらも「おまえってやつは!」とか「おろせ!」なんて手を上げたりしないのです。これは、お国柄なのでしょうか…。


ジュノは妊娠がわかった直後、家族に言うより先におなかの子の「父」であるポーリーに伝えに行くのですが、別に責任取れなんて言わない。中絶するから安心して、というようなことを言います。

そのときポーリーは、


きみがそう決めたのなら。


みたいなことを言うんですね。

ものすごいリアルだなぁと思いました。

(男性は、そのときのジュノの反応を、よくご覧になってほしいと思います。)


やっぱり、「俺、学校辞めて働く!」なんて言いませんよね。


というわけで、「恋空」を見るよりはこちらを見るほうがいいのじゃないかしらと思ったのでした(笑


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