『ドン・ジョヴァンニ 天才劇作家とモーツァルトの出会い』を見てきました。
監督:カルロス・サウラ
出演:ロレンツォ・バルドゥッチ(ロレンツォ)、リノ・グワンチャーレ(モーツァルト)、トビアス・モレッティ(カサノヴァ)、
神父でありながらリベルタン(とんでもない放蕩者)のロレンツォ(詩人、劇作家)がモーツァルトと出会い、オペラ『ドン・ジョヴァンニ』を作り上げるまでのドラマ。
あたりまえといえばあたりまえですが、オペラには音楽だけではなく、ストーリーと歌詞(セリフ)も必要です。
『ドン・ジョヴァンニ』のストーリー部分を担当したのが、この映画の主人公・ロレンツォ・ダ・ポンテ。
聖職者でありながら秘密結社に入り、カサノヴァを師と仰ぎ、教会からは認めてもらえないような「冒涜的な」詩作を続けたために、ロレンツォはヴェネツィアを追放され、ウィーンに渡ります。
ウィーンでモーツァルト(変人)と出会い、『フィガロの結婚』を成功させ、次の作品として『ドン・ジョヴァンニ』を選びますが、ドン・ジョヴァンニ(=ドン・ファンと同じ人)はすでに何度も劇化されている新鮮味のない題材。
それをいかにしてセンセーショナルな作品としていくか。
ロレンツォ自身の恋愛と重ねられて劇作は進んでいきます。
わたしはこういう目に見て綺麗だな、と思えるものはそれだけで好きなのですが、ストーリー自体は普通だし、ドン・ジョヴァンニがおもしろいのはモーツァルトとロレンツォのお手柄なので、映画自体がおもしろかったかどうかというと、微妙なところ。
ラストのオチは、私は結構納得できました。
落ち着いた人は長生きして、モーツァルトは早死にして。そんなものなのかな、と。
セットが書割のところもあって、それはそれで良いのかもしれませんが、図書館には本を並べてほしかった。
幻想と現実とが混じりあうようなところも、手法としてはたいして新しいとも思えず。
なんかこう、舞台っぽいんだよね。
まぁそれはそれで良いのかもしれませんが。
ロレンツォ役のロレンツォさんの雰囲気は、退廃的でとてもよかったです。
カサノヴァ役も良かったし、モーツァルトも歯並びが悪いですがエキセントリックな感じでよかったです。
フェラレーゼの眉毛とか(笑)もいいかんじ。
役者はよかったと思うのですが、セリフも歌も浮いてしまっているかんじで、吹き替え(口パク)かなと思ってしまいました。
画面はきれいだし、歌もすてき、ドン・ジョヴァンニを実際に見た方はどう思われるのかわかりませんが、私はそこそこ楽しめました。
どちらかというと退屈な映画なので、眠いときに行くと寝ちゃうと思います。
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