久しぶりに本のレビューなど。


ところで、今日から10月なのですが、10月の一番乗りをやしちに取られてしまいました。

それにしてもさすが人口無能、なかなかというか全然賢くなりませんね。

やしちのそんなところがキュ・ウ・ト。


さて。

またやってしまいました。

ときどきやっちゃうのですが、「秘技!シリーズ物を途中から読んじゃった」です。


いかにも「前作読んでね」みたいな思わせぶりなところがあって(笑)、気になってしまいました。

……が、話自体はこの1冊で完成していますのでご心配なく。


今回読んだのは『毒蛇の園』(どくじゃのその)。

今注目のミステリ作家らしいジャック・カーリイ作。

「サイコ+本格ミステリ」は帯のアオリです。

毒蛇の園 (文春文庫)/ジャック カーリイ
¥900
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主人公は刑事さん。一人称(ときどき三人称)小説です。

とにかくすごい残酷な殺人事件が発生、その捜査を担当することになる主人公カーソン・ライダーと相棒のハリー・ノーチラス。捜査を進めるうちにあっちで死にこっちで死に。そんなうちにカーソンくんは恋人のディー・ディーに男の影(超大金持ち)を発見。ところが、その超大金持ちの一家に関する秘密が一連の事件と関係していることがわかってくる。


タイトルからして時代物に近いのかな、と思ってネットで注文したのですが、ばりばり現代が舞台。

サイコな小説はやっぱりアメリカがいちばん強烈なのじゃないかと思いました。

映画やテレビで見る雰囲気そのままの、リアルな感じでした。


筋運びはすばらしいです。たくさんの要素がすーっとひとつに集まってきて、最後にはきれいに収まります。

2人の刑事が地道な捜査を続けていくのですが、カーソンの私生活や内面の描写が織り込まれており、退屈なし。カーソンの私生活自体が事件に絡んでくることもあって、展開は常にスリリングで、すごく緻密。


キャラクターひとりひとりもとてもいいし、いつもどこか皮肉な語り口もかっこいい。

最後に謎は解けてうまく収まるのですが、人間関係、家族、社会の問題が解決されるわけではなく、それもまたリアルです。


まあ、サイコな話なので、ややグロな描写もあります。私はぞっとなった。

でも、そこに免疫があればかなり楽しめると思います。


ところで、カーソンくんは30代はじめぐらいの若い刑事さんで、恋愛の要素もきちんとあって、それが原因でいろいろ悩んだり投げやりになったりして、そういうのが生臭くていいんだとも思うのですが、「女なしではおれんのか?」と思わんでもないです(笑

アメリカのお話を読んだり見たりして思うことがあるのですが、「男と女がいたら絶対恋をしないといけない」っていう強迫観念でもあるのかしら。


で、結論。アメリカ怖い。いろんな意味で。



↓シリーズ2作目。読んでみたい気もしますが、タイトルがすでにサイコ。

デス・コレクターズ (文春文庫)/ジャック カーリイ
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そういえば、この表紙見たことある。怖くてやめた。ジャケやめ(笑)

こちらが1作目。

百番目の男 (文春文庫)/ジャック カーリイ
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