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スペイン・メキシコ映画。
監督・脚本は、ギレル・モ・デル・トロ
主演の女の子はイバナ・バケロ、義理の父となる大尉にセルジ・ロペス、お母さんはマリベル・ベルドゥ。
公式HP
時は1944年、フランコ政権下にあるスペイン。
オフェリアは身重の母・カルメンとともに、母の再婚相手・ビダル大尉の待つ山奥へと向かうことになる。
そこでは、レジスタンスがゲリラ攻撃を繰り返していた。
新しい父にはなじめそうになく、母は臨月を迎えて具合がすぐれない。
山に着いたその夜、彼女の元に妖精が訪れ、彼女をパンの迷宮へと誘う。
ファンタジーだと思って観に行ったら、度肝を抜かれました。
まず、タイトルが出て右下に、「PG12」
おお??って(笑)
ちゃんとチラシ見ておけばよかったのですが。
ちなみにキャッチは、
だから少女は幻想の国で、永遠の幸せを探した。
です。
映像はきれいでしたし、CGもどことなくアナログ風で、CG嫌いの私でも大丈夫でした。
そして、脚本がすばらしかったです。
どこまでが現実で幻想か境界が巧みに溶けていて、お互いの世界で辻褄は合っている。でも、どのぐらいまで干渉しあっているのかはよくわからない。非常に不安にさせる。
それがまずすごかったし、現実世界で起きている事件にもドキドキさせられっぱなし。
痛み、臭い、水の冷たさ、不快さ、ガサガサ、ざらざら、べちゃべちゃ、なんかそういうものが伝わってくるような、非常にリアルな作品でした。
それは、現実世界はもちろん、オフェリアが迷い込むファンタジーの世界のできごとでも同じです。
最初、『不思議の国のアリス』みたいなものを思い浮かべたのですが、全然違います。
『ハリー・ポッター』や『ロード・オブ・ザ・リング』みたいなファンタジーともまったく違います。
はっきり言って、残酷だし、痛いし、怖いし、悲しいし、苦しいです。
でもすばらしい映画でした。
現実と「おとぎ話」の折り合いをつけないところがすごかった。
だから、この結末がハッピーなのかそうでないのか、人によって全然判断が違うと思います。
私は…どちらかわからないです。
彼女はもしかしたら、母が言うように「現実とおとぎ話は違うんだ」と理解して、「大人」になるべきだったのかもしれない。
あるいは、幻想の国に旅立って、それで幸せになったのかもしれない。
でも、その「幻想の国」ってどこにあるんだろう。
彼女が現実の世界で幸せになれなかったは、誰の、何のせいだろう。
いろんなことを考えさせられます。
で、ラストシーンで私は泣いてしまいました。
ちょっと残酷な描写があるので、苦手な方はお気をつけて。
あと、虫が苦手な方もご注意。
カップルで甘いファンタジーをご覧になりたい方はやめたほうがいいです。
お子様連れもよく考えたほうがいいです。
でもでも、やっぱり観る価値はあると思います。
オフェリア役の子が、独特の雰囲気を持っていてすばらしかったし、パパ大尉も、もうもうもうすごかった。怖くて夢に出てきそうなぐらいすごかった…^^;
それでも「この人にはこの人の理由があるのかな」と思わせるんですよ…。
ほかの役者さんたちも文句なしでした。
(というか私、邦画と一部のハリウッド以外、役者の演技の下手さってよくわからないんですよね/笑)