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『私の旅づくりへの思い』こちら

 

      バルカン半島については以下の記事をご覧ください

 

 バルカンで絶対訪れたい国コソボ!そこは“バルカンのエルサレム“はこちら

 

 サラエボだけじゃないボスニア・ヘルツェゴビナの魅力その①はこちら

 

 その①では、ボスニア・ヘルツェゴビナ空の玄関となる首都サラエボ(Sarajevo)をご紹介しましたが、今回は観光においては“陸の玄関“と言っても過言でないくらいに近年、日本からの観光客も増え、知名度が上がっている町モスタル(Mostar)をご案内したいと思います。

 

 なぜ、日本からの観光客が増えているのか?それはモスタルのロケーションにあります。下記の地図をご覧ください。

 

      

 

 そうです。モスタルはクロアチア観光のハイライトともいえる中世都市ドブロヴニク(Dubrovnik)から車で約130km。日本の旅行会社の多くがクロアチアツアーに モスタル観光を組んでいるのです。

 

 ここで今一度、下記の地図をご覧いただくと、クロアチアのアドリア海岸がほんの一部とぎれ、そこはボスニア・ヘルツェゴビナ領になっていますね。その距離20㎞!ボスニア・ヘルツェゴビナの貴重な海岸と言えます。

 

 

 バルカン半島において、ボスニア・ヘルツェゴビナを観光で訪れる人はまだまだ 少ないでしょう。そんな中、世界遺産もあるモスタルはこの国を垣間見る絶好のチャンスと言えます。

 

 日帰り観光も可能ですが、その場合は少し残念な気がします。理由はこのあと・・

 

 さて、モスタル(Mostar)とはどんな町でしょうか。

 

 時代は紀元前1000年頃に遡ります。当時バルカン半島には先住民イリリア人が定住しており、このモスタルの地にも彼らの集落がありました。

 

※バルカンの先住民は大きく3つ。イリリア人(アルバニア人の祖先)、ダキア人(ルーマニア人の祖先)、トラキア人(ブルガリア人の祖先)

 

 その後、7世紀頃バルカンにスラブ人が侵入。12世紀にはスラブ人が初のセルビア王国を築きます。この辺りの歴史については、下記、コソボのブログにて分かりやすく説明していますので是非ご覧ください。

 

   https://ameblo.jp/le-tourisme-durable/entry-12362381259.html

 

 それから時は過ぎ、14世紀のこと。バルカンの歴史を大きく変えることとなる1389年「コソボの戦い」でセルビアに勝ったオスマントルコがバルカンを占領。

 

<バルカンの歴史を変えた1389年「コソボの戦い」セルビアvsオルマントルコ>

https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Battle_of_Kosovo,_Adam_Stefanovi%C4%87,_1870.jpg

Adam Stefanović [Public domain]

 

 現在のボスニア・ヘルツェゴビナの南部ヘルツェゴビナが完全にオスマントルコの支配下に置かれたのは1482年です。

 

 これ以前のモスタルは、19の家屋とネレトバ川に架かる吊り橋があったに過ぎない小さな村でした。そしてこの橋を見守る人が“Mostari”と呼ばれていたことから、 その後「モスタル」と呼ばれるようになったようです。

 

 モスタルはオスマントルコの占領下になると、その統治上、交通の要として発展。とりわけ1566年オスマントルコが新しい石橋を築いてからは、その周辺が多くの 職人たちの集まる町の中心となりました。

 

 その場所は、現在もモスタルの中で当時の雰囲気が残る旧市街“Carjija”として観光客でにぎわっています。

 

 その後、16~17世紀にもモスタルには多くのイスラム建築が建てられました。

 

 さらに、アドリア海沿岸の貿易ルートが整備され、ドブロヴニクとの交易も盛んに行われました。

 

 しかし、19世紀後半にオスマントルコは衰退しはじめ、モスタルを含むボスニア・ヘルツェゴビナはオーストリア・ハンガリー帝国の支配下となります。。。

 

 というわけで、モスタルで是非訪れたいのは何より旧市街。そしてネレトバ川(Neretva)に架かる「石橋(Stari Most意味は古い橋)」です。

 

 この橋は実は、1993年ボスニア・ヘルツェゴビナ紛争中に破壊され、その後、 再建されたものです。

 

 まずはこのシンボルとなる“石橋”を遠望しましょう。

 

<モスタルのシンボル世界遺産の石橋“スタリ・モスト(意味は古い橋)”

 

 この橋が破壊されたとき、モスタルの住民たちの心は悲しみに暮れたと言います。確かにネレトバ川に架かる石橋の風景は実に印象的です。

 

 ちなみに、モスタルを流れるネレトバ川は、少し郊外に出るとこのように自然に 囲まれ、川下りなども楽しめます。

 

<モスタルの町を流れるネレトバ川>

 

 そして、こちらが旧市街。今も様々な職人たちの店が建ち並び、オスマントルコ 時代の繁栄が思い浮かべられます。

 

<石畳が残るモスタルの旧市街>

 

 ぶらぶら散策するには心地よい雰囲気です。そして夜になると・・・

 

<夜のモスタル旧市街>

 

 外灯の光で石畳が輝いていますね。そして石橋はこんな感じ・・・

 

<ライトアップされたスタリ・モスト>

 

 もう少し近く、旧市街の通りとともに・・・

 

<旧市街の通りとスタリ・モスト>

 

 さらにクローズアップ・・・

 

 

 このライトアップは是非とも見たいところです。ということで、前に“日帰り観光では残念・・・”の意味がお分かりいただけましたでしょうか。

 

 折角なので橋の上も歩きましょう。

 

 

 モスタル旧市街世界遺産の石橋“スタリ・モスト”を歩きながら、バルカン半島でイスラム文化を色濃く残したオスマントルコに思いを馳せてみてはいかがでしょうか。

 

 ボスニア・ヘルツェゴビナの旅はその③へ続きます。

 

サラエボだけじゃないボスニア・ヘルツェゴビナの魅力その①はこちら

 

 

 

 複雑なバルカンの歴史は、一度読みだすとのめりこんでしまいます!

 

 

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       よろしければ「旅づくりへの思い」もご覧ください。

 

 

 本日も『世界を深く知る旅』ブログをお読みいただきありがとうございました。

 

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