2020年12月11日、銀座4丁目交差点にあるGINZA PLACE 7Fにオープンした『L'ARGENT(ラルジャン)』。麻布十番『スブリム』でミシュラン1つ星を獲得したエグゼクティブシェフ加藤順一氏と、ミシュラン2つ星を獲得している東麻布『クローニー』のソムリエでありレストランプロデューサーの小澤一貴氏総合監修でスタートし、1 年という短期間でミシュランガイド東京にて1つ星を獲得されました。

 

銀座という立地に相応しく店名に「銀」の意味を持つ『(ラルジャン)』。は、コロナ禍にありながらも料理界での星を獲得し、まさに日本の中心地とも言える銀座から世界に輝きを解き放つような煌びやかなスタートを切りました。

 

 

かつては『ティエリー・マルクス』のあったこの地は、銀座4丁目交差点にあるビル内のレストランということで、正面には和光の時計台がお目見えします。気候の良いシーズンともなればテラスにてゆったりお茶を飲んだりすることもできますし、バーカウンターでプリティーウーマンのように待ち合わせをして、アペリティフの後に食事というドラマティックにスタートするのもいいかもしれません。もちろんおしゃれして。

 

 

こちらがその時計台が見えるバーカカウンター。私もかつてそうだったように、女性はエスコートしてくださる男性に遊びいろはを教えてもらうもの。銀座にはまだそんな粋や文化が残ってるいでしょうか。そういえば「エスコート」という言葉を最近聞かなくなってしまった気がしますが、それは私が歳をとったからかもしれませんね。

 

 

メインダイニングはこんな感じです。落ち着きがあり都会的な雰囲気♪

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席に着くと、グレーのランチョンマットにショープレート、そしてナプキン、メニューというシンプルかつシックなテーブルコーディネイトです。

 

 

中にはシートが2枚入っていて、ラルジャンからのご挨拶とメニュー。今回はランチで伺いましたが、ディナーメニューである「L'argent Special Course  22,000円」をいただきました。ランチは9350円からあり、またアニバーサリーケーキやプレステージシャンパンがオーダーできるスペシャルコースもあり様々なシーンで使えますね。

 

 

まずはポールジローのノンアルコールスパークリンググレープジュース。フランスのコニャックメーカーが作るぶどうジュースです。私も色々なノンアルコールのスパークリンググレープジュースを飲んでいますがこれが一番好きかな。結構入手困難です。

 

 

 

 

菊芋

アミューズグールはギミック的なものから。

菊老芋バージョンをいただいたのは初めてかもしれませんね。

 

 

皮がカリッと香ばしく焼かれた菊芋は中にもトリュフを忍ばせています。

 

 

うすい豆

可愛らしいハートのオキザリスが目を引きます。

 

ポン・デ・リングのようなお豆で作ったんでしょうか。ふわふわのスナックがカップの上部に添えてありました。甘味もあり、スープにつけたりスプーンで砕いてスープに混ぜたりしていただきました。

 

中にはミルクをレンネットで固めたとろとろのチーズの赤ちゃんのような液体とうすい豆のスープが混じり楽しい食感と風合い。お豆の弾ける味わいだったり、上のスナックを加えるとサクッとした軽い食感が加わったりと楽しいスープでした。

 

 

猛者海老

一部地域ではガス海老とも言われている猛者海老をパセリのゼリーでコーティングし、最後に目の前でわさびとパセリのクリームをかけ仕上げていきます。海老の甘味に花山葵とフィンガーライムの酸味やライム皮の香りが加わり爽やかな前菜に。

 

みてみて〜。お花畑みたいで綺麗ですね♡

 

可愛いから上からもご紹介♡

 

 

掛川茶×フォアグラ

固められた状態で登場したのは、加藤シェフのご実家の茶農園から送られてきた一般で市販されていなんいお茶を使ったお料理。上にはピスタチオが添えてあります。

 

 

カットされてくるとピンクのフォアグラに濃いグリーン。ソースも濃厚なお抹茶でした。アンリジローのラタフィアを使ったゼリーの甘さがフォアグラともよく合います。

 

 

パンがとっても可愛らしいじゃないですか。

 

ヨーグルトのクリームと手作りのバターが添えてありました。バターは毎日スタッフのみなさんで手作りしているとか。ついパンに付けすぎちゃいますね。

 

 

虎河豚

目の前でベアルネーゼソースをかけ仕上げてくれました。緑と黄色のコントラストが綺麗。オレンジのロイロムが華やかさを添えています。ハーブの香りのするラベージオイルも添えてあり、爽やかにサラダとしてもいただける仕上がり。

 

サラダかな、、、と思っていただいたところ、

 

中にはトラフグのフライが入っていました。サクサクの食感とふぐのもっちり感。なるほど、このフライにはベアルネーゼは必須ですね。

 

 

発酵マッシュルーム

加藤シェフがスプリム時代から作っているスペシャリテです。マッシュルームを3週間ほど発酵させ、ブイヨンとクリームを加えたスープを最後に注いでいきます。

 

上にはフレッシュマッシュルームのスライス。

 

中にはポーチドエッグが入っています。味がしっかりしているので卵を割ってスープやマッシュルームと合わせていただく楽しいスープは、マッシュルームの風味を堪能できる他ではいただけないスペシャルなスープ。スペシャリテとは言っても以前よも若干ポーションも小さくなり、「スペシャリテだぞ、どうだ〜」という感じではなく、料理の流れにしっかり組み込まれたスタイルになっていていました。

 

 

白甘鯛

お魚はとろけるようにポワレされた萩の白甘鯛。色合いや盛り付けもエレガントですセリのソースとレモンのジュレで爽やかにいただきました。

 

 

蝦夷鹿

蝦夷鹿はパイ包みで登場しました。スブリム時代の加藤シェフはお肉を塊で焼いたりグリルが多かったので、これが登場した時に「キレイ、ステラマリスのお料理だ〜」と心の中で呟きながら、そうそう加藤さんのお師匠さんの一人は吉野シェフ〜とムッシュのお顔が頭の中に思い浮かんでいたのでした。しかしながらこういうクラッシックなお料理を見た目も美しく仕上げてくるのは、銀座をかなり意識しているということ。コンサバにすることだけが銀座仕様ではなく、しっかり美味しいものを食べ込んだゲストも意識した構成になっていることを感じながらいただきました。

 

 

キレイにカットされた蝦夷鹿のパイ包はトリュフの香りをまとい、登場しました。

ソースは、王道のポワブラードとこれまた正統派。美味しく頂いたのはいうまでもありません。添えてあったシブレットなどにのブーケも可愛いですね。

 

 

初恋ぐりん

店内がブルーグレーを使ったりテーブルの上にグレーを使っているシックな感じなので、りんごもこんなグリーンのものがとてもしっくりきていいですね。氷の上に置かれた希少な「はつ恋ぐりん」という酸味の強いりんごは、凍らせてシャーベットに。

 

中にはオゼイユのグラニテとエルダーフラワーのムース、そしてりんごのピュレ。りんごも凍っているので、少しシャーベットのように食べられました。爽やかなアヴァンデセールは先ほどの鹿に続き、少し森の中を思わせる演出でした。

 

 

薔薇

熊本にあるハーブ&ローズさんのオーガニックのバラの花びらを液体窒素でパリパリに瞬間冷凍したバラの花をつぶし、目の前でばらの花びらが舞うデザート。阿蘇山の火山灰をイメージし、炭のパウダーでアイスクリームをコーティングしています。

 

 

こちらもスブリム時代から引き継ぐメニューですが、加藤シェフがスブリム時代に考えに考えられ、当時「素敵なデザートができました」とご連絡をくださるほど、自信を持ってお薦されるまさにエレガンスを感じさせるデザートです。是非バラの高貴な香りと、目の前に広がる阿蘇のテロワールを感じるデザートでした。

 

 

最後はお茶と共にミニャルディーズを。テラスは目の前に和光の時計台が見える素晴らしいロケーションです。銀座の街が私のものになったかのような錯覚をしてしまいそう!時計もあるし、まさにシンデレラのような時間ですね!

 

下を見ると、銀座がミニチュアみたいです。和光の時計台といい銀座4丁目交差点の景色といいこの光景が感じられるだけで価値があると思いませんか?

 

有田焼きの器を開いて見ると可愛い小菓子。どれも丁寧に作ってあります。

 

コーヒーでいただきました。

 

 

スブリムへは何度かお伺いしていますが、加藤シェフはしっかり頭の中で方程式で美味しい計算をされている方なんですが、北欧で学んだ技術と洗練を駆使したスブリムでのお料理はスブリム時代からのファンのために残しつつ、銀座という街を支点心にしながらもコンサバな料理に舵を振るのではなく、クラッシックを取り入れながらも、今を感じるエレガントなお料理を堪能させていただきました。銀座というこの立地、店内の雰囲気、そして料理とサービスといった点で、満足度の高いお店ではないかと思います。銀座のいいとこどりといいますか、今の銀座を感じたい方にお薦めのお店です。

 

 

 

L'ARGENT(ラルジャン)

東京都中央区銀座5-8-1 GINZA PLACE 7F

03-6280-6234

月曜定休

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ラルジャンモダンフレンチ / 銀座駅東銀座駅銀座一丁目駅
夜総合点-