‐シリーズ・「韓国人」の日本人観　その２(固陋な国民意識)‐

日本人は「罪意識のない国民である」

いま韓国人は、日本に対して民族的正論と、反共的連帯論━この二つの姿勢をもっている。

前者は日本帝国の朝鮮侵略と残忍な統治に対する憎悪と断罪であり、さらに加えて敗戦後の日本が示した傲慢姿勢に対する、根深い民族感情である。この点に関する限り南北の区別はなく、三十八度線もない。

対日正論の後には、解放後、三つの山がある。

まず、いうまでもなく解放後、三六年もウッ積した憤怒の爆発であり、その次は一九五一年「韓日会談」開始のとき例の日本側の「久保田発言」で再燃した。

※『久保田発言』について

‐シリーズ　日韓会談反対闘争の展開とその歴史的役割　その２(朝鮮戦争時の日本国内の動き)‐

第三次会談において、「韓」国側が日本にたいして日本の対「韓」請求権の主張の撤回を求め「日本側で対韓請求権を固執するならば、韓国は３６年間にわたる日本の支配による損害に対して賠償請求権を持ち出す」と述べた。これに反論して、日本側の首席代表久保田貫一郎が、「韓国側には対日賠償請求権はない。もし韓国側が３６年間の損害をうんぬんするのなら、日本側としても日本が韓国経済力を培養した事実を指摘せざるを得ない」と述べたことが、韓国側を刺激して紛争の因となった。

『アジア・アフリカ講座　日本と朝鮮』第三巻　勁草書房　２０２頁より

※参考記事

‐シリーズ　こうして「在日」は生まれた　その５(財産請求権の問題)‐

そして第三番目に「韓日基本条約」における日本政府の態度、そして今日、韓国に乗り込んだ日本人のさまざまな態度に対して、民族的基本的正論が台頭しつつある。

‐韓国に進出した日本の独占企業の話　その１(加速するアメリカへの依存)‐

‐韓国に進出した日本の独占企業の話　その２(「韓国」を創造したアメリカ)‐

‐韓国に進出した日本の独占企業の話　その３(植民地支配の「お詫び」ではなく軍事支配の経済援助)‐

‐韓国に進出した日本の独占企業の話　その４(見て驚く「一流企業」の数々)‐

‐韓国に進出した日本の独占企業の話　その５(その「進出方法」と「形態」について)‐

‐韓国に進出した日本の独占企業の話　その６(『韓国経済開発五ヵ年計画』を支えた日本企業)‐

‐韓国に進出した日本の独占企業の話　その７(所謂「親韓派」と呼ばれる人々の正体)‐

‐韓国に進出した日本の独占企業の話　その８(日本との利権づくりに奔走した韓国の「親日派」)‐

‐韓国に進出した日本の独占企業の話　その９(日系大企業の韓国進出における調査報告)‐

‐韓国に進出した日本の独占企業の話　最終回(日米独占資本の「相違」と平和国家の欺瞞)‐

したがって、この民族的正論は、日本側に謝罪的な表明と歴史観が是正されないかぎり半永久的に持続すると見てよい。

いま現に、かつての罪な加害者が大きな顔で韓国に入り、高慢な態度で振舞うかぎり「日韓親善」なんてコッケイであり虚偽であり、一時の政権同士の取引現象であると断言してよい。

中央大学教授の韓培浩<ハン・ぺホ>は述べている。

「ある米人宣教師が“日本国民は罪意識のない百姓”と評したが、われわれは、この言葉を再吟味しなければならない。韓日会談のときの日本為政者の発言をはじめ、全般に日本国民の韓国観は、いまだ過去の侵略者としての習性をぬぐい去っていない。国際的道義もなければ罪意識を全く忘れた鉄面皮である」

「今日の日本国民は、かれらが韓国<朝鮮半島>や満州や中国でおかした非人道的な罪悪に対して、一片の後悔もない。ただ、かれらは第二次大戦で連合軍に敗れたのを“恥ずかしく”感じるだけだ。そして“勝てば官軍、敗ければ賊軍”という彼らに共通する表現が、それを裏付けている。これらの思考方式と根性に培われた日本人・・・・・・かれらの頭の中にある“韓国”は、どこまでも彼らが四〇年近くも思いどおりに収奪した前植民地“朝鮮”と見るのをわれわれは肝に銘じなくてはならない」

「日本政府は“アジアの平和”をよく口にするが、そういう意図があるならば何をさておいても過去に犯した罪悪に対する悔悟から始めるべきである。しかし、かれらはアジア諸国との関係において、近視眼的な実利獲得にのみ汲々としており、ヨリ洗練された手法によって搾取根性をそのままに発揮しているのが今日の日本である」

それから日本政府は韓日条約後に“相互親善”をうたっているが、それを本気で考えているならば、まず手近な問題として在日韓国人<朝鮮人>に対する差別主義をやめなければならない。

そして彼らが潜在的にもっている「植民地としての韓国<朝鮮>」という高慢にして誤った、ひとりよがりを一掃しなくてはならない、と指摘する。

※<>は筆者註

『日朝関係の視角　歴史の確認と発見』　金一勉著　ダイヤモンド社　９５～９７頁より

・「嫌な話」は　いつでも耳をふさぐ

日本人はよく、「どれだけ謝罪すればいいんだ」という言葉を口にしますが、実際のところ、それが『まったくできていない』のが現実です。

韓国に対しても、教育がないがしろにされたゆえに、国民の底辺部にくすぶる「無知」と「露悪」が渦巻き、北朝鮮との国交未締結、今に続く、朝鮮学校や幼稚園に対する「無償化除外」措置を筆頭にする、在日コリアンへの差別的迫害。そのような政策を推し進める政権に対する「無批判」と「暗黙の同意」。これだけ見ても、確信犯なのがバレバレである。