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オバマ米大統領の退任演説は「異例」だった
ニューズウィーク日本版ウェブ編集部
Jonathan Ernst-REUTERS

<1月10日のオバマの退任演説は大きな注目を集めたが、実はきわめて「異例」のスピーチだった。歴史上、あのような形で最後の演説を行った大統領はいない>

 第44代アメリカ大統領のバラク・オバマが10日夜、大統領として最後の演説を地元シカゴのコンベンションセンターで行った。さながらロックコンサートのような熱気の中、約1時間にわたった演説は大いに注目された。ワシントン・ポストは演説の最中から原稿を書き起こし、注釈をつけて続々と サイトに掲載していった。

 オバマは医療保険制度改革(オバマケア)や雇用創出など、2期8年の任期中の成果を訴える一方、民主主義などアメリカの価値観を守っていく必要性に多くの時間を割いた。妻ミシェルと2人の娘らへの感謝を述べた終盤には涙も見せた。途中、割れんばかりの拍手が何度も沸き起こり、「もう4年!」といった声が聴衆から相次いだほどだ(オバマはそれに対し「それはできない」と答えた)。

【参考記事】 オバマ大統領が最後の演説、米国の価値の低下阻止訴える

 一方、米ニューズウィークは 「不完全ながら卓越したオバマの退任演説」、CNNは 「オバマ、退任演説で楽観主義と警告を示す」、USAトゥデーは 「分析:希望を持ち続ける? オバマが自身の大統領職務を擁護」、ニューヨーク・タイムズは 「オバマ、別れを告げながら、国の結束に対する脅威を警告」などと論評。米メディアは現場の熱狂に比べ、おおむねバランスの取れた取り上げ方をしていたようだ。

 ただ、オバマの退任演説は、実はきわめて「異例」のスピーチだった。その内容ではなく、こうした形で演説を行ったことが、である。

 退任する大統領が最後の演説を行うこと自体は珍しくないが、通常はホワイトハウスで行われる。グランドバレー州立大学(ミシガン州)のグリーブス・ホイットニー教授によれば、過去にそれ以外の形式で退任演説を行った大統領は9人だけだとUSAトゥデーは報じる。それも、書簡やテレビ演説だ。

 一方、 フォーブスによれば、オバマ以前に国民向けの退任演説を行った大統領は12人。そのうち首都ワシントン以外では1人、米陸軍士官学校で行ったジョージ・ブッシュだけだ。いずれにせよ、地元で聴衆を集めて、選挙集会のような形式で退任演説を行った大統領はいない。

 退任演説が行われる前には、ウォールストリート・ジャーナルが演説について「退任する大統領としては異例」と形容したことに対し、オンラインマガジンのサロン・ドットコムが「ドナルド・トランプのすでに異常な大統領職務を正常に見せようとする驚くべき曲解」と 批判するなど、この演説をめぐってちょっとした論争も起きていた。

 では、なぜオバマはこうした演説を行ったのか。退任演説で直接的な批判こそしなかったものの、移民排斥など、オバマとは正反対ともいえるトランプの主張に対する危機感が念頭にあったのは間違いないだろう。

 実際、トランプの側近の1人、ケリーアン・コンウェイは演説前、 USAトゥデーにこう語っていた。「(オバマが)やったことの大半は次期大統領の任期中、もしかしたら最初の1カ月間で消え去ってしまうことをわかっているだろうから、(退任演説を)やるのは彼にとって素晴らしい考えだと思う」

 11日、トランプは大統領選に勝利してから初となる記者会見を開く。20日には第45代米大統領就任だ。確かにオバマの「レガシー」は消し去られてしまうのかもしれないが、だからといって「最後の抵抗」と片付けるのは早計だろう。

 オバマはまだ55歳。大統領としては最後の演説だったが、いまだ明かされていない今後の活動への最初の1歩なのかもしれない。

ニューズウィーク日本版ウェブ編集部
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オバマケア撤廃決議案提出 米新議会が開会

3日、米ワシントンで新議会が開会、下院議長に共和党のライアン氏が再選され祝福する同党議員ら(UPI=共同)
 【ワシントン共同】米国で共和党が多数を占める新議会が3日(日本時間4日)開会した。エンジ上院予算委員長(共和党)は、オバマ大統領が主要実績と位置付ける医療保険制度改革(オバマケア)の撤廃に向けた決議案を提出し、声明で「壊れた医療保険制度を修復するための最初の一歩だ」と宣言した。

 昨年11月の大統領選と同時実施された連邦議会選を受け、共和党は上下両院で多数派を維持。20日には共和党のトランプ政権が発足し、政権と議会のねじれ状態が解消する。共和党はオバマケアを手始めに、オバマ政権の政策を次々と覆すことを狙っており、民主党は全力で抵抗する構えだ。

以上引用

さて、アメリカの医療制度はどうなるんだろうか?
そして、日本に対しての影響は?
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2017年に世界がもっと関心を持つべき、3つの人道危機
Michael Bowers

2016年、世界は悲惨な状況をいくつか適切に認識できなかった。

2016年に別れを告げ、2017年を迎えた今、私たちはさまざまな人道危機を目撃している。血まみれで怪我をした一般市民が、シリアのアレッポから退避している。罪のない家族たちが、安全な避難経路がない中、で市街戦が繰り広げられているイラクのモスルで何とか生き残ろうともがいている。難民たちが、地中海を渡ろうとする危険な航海の途中で、溺死し続けている。悲しいことに、こうした例は、2016年に地球上で数多く起こった壊滅的な危機の、ほんの一部にすぎない。

2016年には、約6500万人の難民(第二次世界大戦以降で最多だ)が、主として戦争・社会不安・暴力的反乱のために故郷を追われた。年々増え続ける現状を受け、国連は2017年に向けて記録的な人道支援を要請した。世界の33カ国で支援が必要な9300万人を援助するために、222億ドルが必要だという。さまざまな人道支援団体では、筆者が所属する国際支援団体「メルシー・コープス」を含め、かつてないほどの資金難に陥っている。

たった 1枚の写真が世界の注目を集めることがある一方で、紛争や混乱の渦中にある人々の多くは、決して自身の話を語ろうとはしないだろう。シリア・イラク・地中海の危機に加えて、2017年に無視できない人道危機が3つある。
イエメン

男性が1カ月分の食料品をメルシー・コープスから支給され、家に運ぼうとしている。バウチャー(引換券)方式で、サナア県ハイマ・ ハリジヤにいる地元の食料配給業者が協力している。

イエメンの人々は、毎朝、辛くて深刻な苦痛とともに目を覚ます。

命の危機に直面している人々の数はあまりに膨大なため、把握できていない。住民の半数以上(1400万人以上)は、次に食料が来るあてがない。1900万人以上の人々が水を入手できない。この数が犠牲者数そのものとなる。過去2年にわたる政府側と反政府側の武力衝突によって、医療施設・学校から交通網にいたるまで、インフラは壊滅状態となっている。

サウジアラビア・アメリカ・国連が絡む国際関係がそもそも紛糾の種で、政治的な意図もはっきりしていないにも関わらず、実際に被害を受けて巻き添えとなっているのはイエメンの子供たちだ。この人権侵害は完全に世界で見過ごされている。子供たちは、自分の運命を左右する決定に当然関わっていない。

イエメンに必要なものはたくさんある。停戦や、ジュネーブ条約が保証している、罪のない人々の最低限の生活を尊重することが必要だ。しかし最も大切なのは、世界がこの悲劇に関心を寄せて、解決のために力を合わせることだ。筆者の同僚であるマイア・バルドーフはイエメンで長期間活動しているが、2016年のある 記事で次のように書いている。「旅行好きな人はよく、イエメンを お気に入りの国として挙げます。私が行ったことのある国の中で、そんな場所は他にありません。今すぐに必要なのは、国際社会全体が、命を救うために人道支援をするとともに、『イエメンの状況はもっと改善できる』と根本的に信じることです」
南スーダン

南スーダン・マラカルの国連文民保護区(PoC)に住む難民シャギー・ガブリエル。焼きつくされ、略奪された場所で、かつてのベッドに腰かけている。2016年2月26日撮影。

2011年、南スーダンは多くの期待と約束とともに独立した。しかし2013年末までに激しく致命的な武力衝突に突入した。この1年で衝突がエスカレートしたため、南スーダンは悪循環に陥り、暴力が女性や子供たちに深刻な影響を与えている。2016年の報告によると、南スーダンはアフガニスタン以上に、援助隊員が働く上で最も危険な地域となった。

100万人以上の人々がすでに南スーダンから避難し、現在は近隣国で難民として暮らしている。これはアフリカで最大規模の難民移動となった。国内では住民の半数が食料不足で、その数は2015年と比べて2倍に増えた。約750万人が人道的な支援や保護を必要としている。

国土面積フランスとほぼ同じでありながら、幹線道路はたった6本しかなく、そのうち舗装されているのは1本しかない国で、援助隊員は援助を必要とする人々の元にたどり着くために出来る限りのことをしなければならない。メルシー・コープスのスタッフは、いつも家族たちに物資を届けるために、腰までつかる水の中を歩いたり、雨の日も晴れの日も、長時間歩いたりしている。

「南スーダンに必要なのは和平です。しっかりと保証された、明確で恒久的な和平が求められています」とメルシー・コープスの南スーダン責任者 ディープマラ・マハラは話す。「2017年には、国際社会は改めて南スーダンにコミットする必要があります。この国は世界で最も新しく、独立してまだ間もないのです」
チャド湖周辺

アイシャ(30歳、青いヒジャブ)。ナイジェリア・ボルノ州ビウにて撮影。3年前にボコ・ハラムが村を襲撃し、夫と2人の兄弟が殺されたため、アイシャは4人の子供とともに難民となった。

5年前、ソマリアで干ばつによる飢饉が発生し、25万人以上が犠牲になった時は世界的な支援があった。2017年の現在、今度は西アフリカで、もう一つの災害が目前に迫っている。チャド湖周辺のニジェール・ナイジェリア・カメルーン・チャドでは、暴力的な過激派の活動と干ばつ、そして難民の大量発生によって、大規模な人道危機が生じている。イスラム過激派組織ボコ・ハラムの暴力的反乱によって、200万人以上の難民が発生し、推定で900万人が人道支援を必要としている。この人数はニューヨーク市やロンドンの全人口よりも多い。2016年12月に発表されたユニセフの報告によると、危機の中心地であるナイジェリア北東部では、40万人の子供たちが餓死の危険にさらされており、治療を受けなければ8万人が犠牲になる見込みだという。

ある国連関係者は最近、チャド湖周辺を「完全に最悪な状態」と表現し、これより悪い状況は20年間で一度しか見たことがない、と話した。しかし、これだけ大勢の人が苦しんでいるにも関わらず、この危機にはほとんど関心が寄せられていない。

「アフリカで最も深刻な人道危機であるにも関わらず、まだ十分に人々に紹介されておらず、知名度が低く、緊急性も認識されていません」と、メルシー・コープスの地域人道支援対策局長エイドリアン・オーブリーは述べた。


時にはたった1枚の写真が世界を引きつけて注目を集めることもある。

イエメン・南スーダン・チャド湖周辺の3つの例は、2016年に生じた多くの危機の中で氷山の一角に過ぎない。しかも2017年にはおそらく事態は悪化するだろう。慢性的な資金不足にも関わらず、メルシー・コープスでは3つの人道危機全てに取り組んでいる。100万人以上の人々を援助して食料・水・衛生設備を提供するほか、さまざまな形で支援している。

2017年には、世界が一層つながって、こうした問題への人々の関心が高まると願いたい。何百万人もの人々が、ただとにかく生き残るために、そして自身や子供たちに明るい未来を築くために、毎日奮闘している。

ハフィントンポストUS版より翻訳しました。
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