過去の集大成としての今(64話目)
前回の続きです。(63話目参照)
葬儀場を後にして火葬場へ行き、炉の前で最後のお別れをしました。
炉に棺を納めた後、火葬が終わるまで控室で1,2時間くらい待ったでしょうか。
その間、松井先生の親族の方々とお話をする機会もありました。
以前にもお伝えしたことがありますが、松井先生は最初から人間が出来上がっていたわけではありません。
40代まではエゴにまみれた人生を送っていたと松井先生自身も仰っておりました。(13話目参照)
40代までというのは、蒲郡から東京に出てくる前までです。
つまり、松井先生の地元では、マルチをやっていた時などの印象が強いのですね。
松井先生は自分自身のことを積極的に人に話すような感じではありませんでした。
私達が初めて松井先生のご実家に行ったのは2011年の年末ですが…。
その時に驚いたことがあるのです。
それは、松井先生が東京でやっていることを、ご家族の方もほとんど知らないということ。
泥パックを作ったり、整体を教えていたりするらしい…ということしか知らないのです。
どれだけの人を救ってきて、どれだけ慕われているか…ということは全然知らないのです。
葬儀の際、大勢の受講生さん達がわざわざ駆けつけて下さって、松井先生の為に大声で泣いてくれる人までいて、そういう姿を見た時、ご家族の方も「こんなに慕われていたなんて…」ということに初めて気付かれたそうです。
男の人は自分の仕事のことを家では話さない人も多いかと思いますが、周りの人は松井先生がエゴにまみれていた時の印象が強いのですね。
あるお一人の親族の方が、火葬を待っている控室でこんなお話をしてきました。
「整体の仕事をしているのに、自分が体を壊したら仕方ない。いい加減な生活をしてるからそうなるんだ。」
などと、松井先生が蒲郡にいた時にしてきたことを色々とお話して下さる人もいたのですが、どうやら私達が松井先生を慕っているものだから、本当はこんな人間なんだぞということを伝えたかったようです。
でも、私達はほとんど聞いたことがある話でした。
松井先生は自分のしてきた悪いことも、私達に話してくれていたからです。
大切なのは「今」だということを教わってきたので、そういう時期があってこその松井先生だということを知っていました。
昔の私なら、尊敬している人の悪口を聞いてガッカリするか、怒ったりしたかもしれません。
その時は、「そう思う人もいるんだなぁ。」くらいで、ただ話を聞いていました。
よくテレビでも過去を引っ張り出してきて、あれこれ意見を言ったりするような様子を見ますが、松井先生のことを見ていても、「過去は過去」だと思うのです。
過去ではなく、今の松井先生をありのままに見たら良いと思うのですが、過去を知っているだけに捉われてしまうようなことは誰にもでもあることではないでしょうか。
今というのは過去の集大成で、未来と言うのは今の継続です。
エゴにまみれた40代までの松井先生から、私達が出会った60代後半の松井先生までの20数年間、どれだけのことをしてきたのか…というのは、今の松井先生を見たら自ずと分かるのです。
これは松井先生が良く言っていたことでもありますが、未来を良くしたいと思うのであれば「今」を何とかしていくしかないのです。
過去に捉われて今を生きるのであれば、未来の自分というのは自ずと見えてきます。
正直、過ぎたことはもうどうでも良くて、大切なのは今これからどうしていくか…ということだけです。
ただ、それが難しいことだということを体感して知っています。
松井先生も過去に色々とネタのような悪いことをやってきています。
そんな松井先生には仲の良い悪友が4人いて、旧知の仲の5人組だということでした。
その中の一人で、以前にもお話に登場したことがあるSさんという教授がいらっしゃいます。(27話目参照)
松井先生から色々とお話は伺っていたもののお会いする機会がなかったのですが、葬儀に参加して下さっていたので、火葬を待っている時、あっちゃんと一緒にお話をしに行きました。
Sさんは、松井先生のことをこう仰っておりました。
「松井は良いことも悪いことも全て自分で責任を取ってきました。それはなかなか出来ないことだと思います。」
大親友を失って少し寂しそうなSさんに、松井先生から聞いていたSさんのことをお伝えしました。
「松井先生がある時、『僕には何でも話せる親友が一人だけいる』と仰っていました。『大親友が一人でもいれば、それはもう幸せなことなんだよねぇ』と。それがSさんのことなんです。」
それを聞いた瞬間、Sさんの目が潤んで…。
涙をグッと堪えて、私達にこう仰って下さいました。
「今度はあなた達が松井の思いを引き継いでいって下さい。」
私達も涙を堪えながら「はい!」と答え、また気が引き締まった思いになりました。
そうこうしている間に火葬が終わります。
荼毘にふされ、骨だけになった姿を見た時、「もういないのだなぁ。」と改めて思い…。
骨上げをさせて頂きながら、人の為に尽くしてきた姿を思い返していました。
そして、火葬場から遺骨を持って葬儀場へ戻る際のこと…。
バスの窓から外を見ると、今までに見たことが無いくらいの大きな虹がかかっていました。
それも上る方(片方)しかない虹です。
みんな、その虹を見て「あんな虹は見たことが無い!」と言っていました。
バスから降りて葬儀場に入った瞬間、今度は大雨が降ったのです。
思い返すと、前日の通夜の際には雷雨もありました。
まるでお天道様が何かを言っているかのように…。
その後、初七日と精進おとしにも参加させて頂き、親族同様に扱って下さった松井先生のご家族にも心から感謝しています。
松井先生が入院してから逝去されるまで120日。
この120日の間、協会の体制が整うのを待ってくれていたのだと思います。
今まで松井先生に頼っていた部分が多かったのを急遽、自分たちで行うようになり…。
受講生さん達のご協力があって何とかやってくることが出来ました。
何よりも実践を大切にされてきた松井先生。
この120日間は、残ったものが本当に出来るかどうか最後のテストだったのかもしれません。
葬儀を終えた後、改めて誓ったことがあります。
それは松井先生の背中を追って実践を続けていくということ。
以前、私が松井先生のレベルまでいくには何回生まれ変わればいいのだろう…と思っていた時、次のようなことを言われたことがあります。
「まーくんは50歳くらいまでに僕くらいにならなきゃ。そうじゃないと、面白くないよねぇ。」
私が松井先生のようになるなんて恐れ多い話だと思っていましたが…。
松井先生と同じようには出来ないにしても、私は私なりのやり方で松井先生の後を追っていこう…と覚悟を決めました。
上記のお話を聞いた時は36歳だったと思います。
そして決意した時は37歳。
それから13年で松井先生のようになるなんて、とんでもなく道程が遠いように思いますが…。
今生の内に、どこまで魂を顕現出来るか実践を続けていきます。
松井先生が神様から残していけと言われた気功整体の施術と心根。
松井先生が亡くなったことで、必然的に私達が引き継いでいくことになるのですが…。
松井先生という大きな存在が亡くなるというのは、精神的な支柱も失ってしまうということなのです。
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