神様からの言葉（８話目）
７話目の続きです。
2011年3月11日14時46分に発生した東日本大震災。
当時、私は自宅にいたのですが、地震が何より嫌いな妻が、生後二ヶ月の息子の元へ駆け寄り、自分の体を覆いかぶせて必死に守ろうとしていた姿を今でもよく覚えています。
私は５歳の娘を怖がらせないように、「大丈夫だよ」と言いながら安心させておりました。
都内は交通機関がストップして大混乱。
私も当時、身動きが取れなくなってしまった友人を車に乗せて家まで連れていったりしていましたが、人々の大移動に驚いたものでした。
このブログを読んでいる方も、当時の大変さはよくご存知だと思います。
まだ日本中が慌てている状態でしたが、震災から何日くらい経った頃だったでしょうか…。
同じ2011年の3月のある日、松井先生から一本の電話がありました。
「これから、整体の技術などを人に伝えていく講座をやっていこうと思うのですが、お手伝いして頂けませんか？」
その言葉を聞いて、私は迷わず答えていました。
「ぜひ、お手伝いさせて下さい！」
同じ連絡があっちゃんの元へも言っていたようで、あっちゃんの答えも私と同じだったようです。
それから私の友人に声を掛け、3月30日に逗子で小顔施術の体験会のようなものを開催しました。
松井先生が参加者の方を台にして施術を見せて…。
「こういう技術を講座でお伝えしていこうと思うのですが、興味ありますか？」
と尋ねたら、その場にいた私の友人が全員
「興味あります！」
と返事をしたので、4月14日から逗子で講座がスタートします。
これが松井式気功美容協会としての始まりでした。
同じ月に、私が目黒区在住ということもあり、目黒区の施設を借りて4月29日の祝日（昭和の日）にオープンな場で初の体験講座を開催します。
この時、私の友人・知人もおりましたが、私とあっちゃんのブログを見て下さった方も合わせて30名くらい参加されていました。
体験講座の時に、ちょっとした事件が起こります。
松井先生のお話が始まった後、施設の係の人から「担当の方ちょっと来て頂けますか？」とお呼びがかかり、私が部屋を抜けさせてもらいました。
係のおじさんの所に行くと、「今日は何の集まりですか？」と。
「松井先生という整体師の方がいて、その方のお話を聞きに来ているんです。」と正直にお答えすると…。
「それでは、不特定多数の人ということですよね？」
「私の知人や友人もおりますが、初めてお会いする方もいらっしゃいますね。」
「ここは目黒区民の為の施設なので、それでは貸すことが出来ません。出て行ってもらえませんか？」
「え！ちょっと待って下さい。わざわざ今日の為に遠方から来て下さっている人もいるんです。」
「決まりですからお願いします。」
と、おじさんと話をしている時、あっちゃんがエレベーターから降りてきました。
「どうしたの？」
「実は…」と事情を説明すると、あっちゃんも「それは困ります！」と。
少し強めの口調で反論すると、おじさんもますますヒートアップしてしまって…。
話を聞いていくと、目黒区民として私が借りるのは問題無いけれど、不特定多数の人を集めていることが問題だと。
友達だったら構わないというので、私はこんな質問をしてみました。
「友達の定義って何なんですか？」
「そりゃあ、あれだよ…。あだ名で呼びあうような仲のことだよ！」
「じゃあ、あだ名ではなく『○○さん』と呼ぶのは友達じゃないということですか？」
「そういうことだよ！」
と、おじさんも意地になってしまい、とにかく出てってくれとの一点張り。
今から別の会場を抑えるのも難しいだろうし、どうしたもんかなぁ…と思いながら、とりあえず松井先生の元へ戻りました。
まだみなさんにお話をしている最中だったのですが、「松井先生、ちょっとすみません。」と廊下へ呼び出して事情を説明。
「じゃあ、僕が行きましょう。」
ということで、松井先生がおじさんの元へ行くことになりました。
エレベーターを降りると、すでに待ち構えているおじさん。
ところが、松井先生の姿を見た瞬間、何だか態度が変わったのです。
そして、おじさんが松井先生にこんな質問をします。
「今日はどんな集まりなんですか？」
「池本さんのお友達が私の話を聞きたいと言うので、お話をしに来させてもらったんですよねぇ。」
「それなら、集まった人はみんな池本さんのお友達ということですか？」
「はい、そうです。」
そのやり取りを聞いて、一瞬「え！？」と思いました。
何故なら、今日初めてお会いする人もいたからです。
でも、その話を聞いたおじさんが態度を変えます。
「じゃあ、今回は特別に使って頂いて構いません。」
その言葉を聞いて、私とあっちゃんも喜んで…。
「ありがとうございます！」
と、深々お礼を伝えました。
そして、参加者の元へ戻ろうとしてエレベーターに乗り込みました。
「松井先生、凄いですね！」と言ったら、
「ああいうおじさんは慣れてますから。」と松井先生。
その後、松井先生は次のように教えてくれました。
「怒りに怒りで返したらダメなんだよねぇ。お互いにぶつかって引けなくなっちゃうから。」
あぁ、確かに…と身をもって体験させて頂きました。
今後、この時のように、松井先生と一緒にいる間、体験を持って様々なことを一つ一つ教わっていくことになります。
会場へ戻ってお話が終わると、「では、気功の体験をしましょうか。」と松井先生。
その後に続いた言葉に私はビックリします。
「じゃあ、こちらの方々は私がやりますから、まーくん（私のことです）」は、そちらの方々をお願いします。」
と突然振られたのです。
私は、その言葉に凄く驚きました。
何故なら、それまで気功のやり方を教わったこともありませんし、逗子で一度見たことがあっただけだったからです。
しかも、事前に何も聞いておらず突然振られたので動揺してしまいましたが…。
参加者の方にそんな不安な一面を見せてはいけないので、心を落ち着かせて何事も無かったかのように「じゃあ、こちらで円になって座って下さい。」と気功を始めます。
一度見た記憶を辿りながら…。
「じゃあ、お隣の人と手を繋いで心を落ち着かせて下さい。」
などと言っていましたが、実は一番心が落ち着いてなかったのは私だったりします(笑)
それでも何とか気功を終えることが出来て、次は参加者の前で小顔施術を見せることになりました。
松井先生が参加者の中からお二人を選んで、「じゃあ、私がこちらの方を施術するので、ひろこさんがこちらの方を施術して下さい。」と仰いました。
その日、ひろこさんという女性がお手伝いに来て下さっておりました。
ひろこさんは、松井先生の元で８年ほど一緒に整体のお仕事をしていたそうです。
お二人が小顔施術をした後、受けた二人ともに鏡を見て、「浮腫みが取れているのが分かります！」と仰っていたのを覚えています。
体験講座を無事に終えて、係の方にもお礼を述べて、松井先生達と近くの喫茶店に入りました。
お店に入ると、先ほど小顔施術を行っていたひろこさんが、こう言います。
「もう松井先生、急に施術をしろなんて振るんだから。事前に言ってもらわないと困ります。」
「え！ひろこさんもですか！？私も急に気功をお任せするなんて言われてビックリしましたよ～！一度しか見たこと無いのに。」
「私もよ。小顔施術なんてやったことも無いから、松井先生を見ながら見様見真似でやったわよ。」
「え！？ひろこさん、小顔施術したことあるんじゃないんですか！？」
「一度も無いわよ。」
「全然気付きませんでした！当たり前のように施術されていたから…。」
「だって、みなさんせっかく来て下さっているのに知らないなんて言えないじゃない？」
それを聞いて、なんてメチャクチャなんだ…と思いましたが(笑)
松井先生は、こんなことを言っていました。
「ひろこさんは整体を僕のところでやっていたから、出来ると思ったんだよねぇ。大丈夫だと思ったから言ったんです。」
「それにしても、事前に言ってもらわないと…。」
と、ひろこさんが仰っていて、私も心の中で「最もだ」と思っておりました(笑)
それにしても、実際に出来てしまったのだから、私も一度見ただけなのに出来ると思われていたのだろうか…と。
この時のように、「普通なら…」ということを覆すようなことを、松井先生はどんどんと行っていきます。
その後、5月11日から自由が丘講座も始まり、体験会に参加して下さった方も参加してくれておりました。
小顔講座（現おうち整体小顔セラピスト講座）が終わった後、7月14日から骨盤矯正など全身施術が学べるインストラクター講座（現おうち整体ボディセラピスト講座）が逗子にて始まります。
どうして、震災の直後から講座を始めることになったのかは、後から知ることになるのですが…。
震災の前日、2011年3月10日に松井先生が神様からこんなことを言われたそうです。
「お前の技術や心のことを若い者達に伝えていけ。」
それから講座の内容などをまとめ、私とあっちゃんの所にお手伝いの連絡をしたということでした。
「本当？」と思うような話ですが、全て実話で、私達が松井先生の傍でお手伝いをするようになってから、不思議な出来事を目の前で沢山目撃していくことになります。
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